ルーとは—作り方・種類・使い方(料理のとろみ付け)
ルーの作り方・種類・使い方をわかりやすく解説。バター・油・ラード別のコツ、色と風味の違い、スープやシチューのとろみ付けまで初心者でも簡単にマスター。
ルーは、小麦粉とバター(または他の油脂)を混ぜ合わせて加熱した調理用の混合物で、ソースやスープ、シチューなどにとろみを付けるための基本技法です。フランス料理では多くのソースの基礎となり、加熱して小麦粉の生っぽさを飛ばし、滑らかな増粘力を与えます。
基本の作り方(手順と割合)
- 割合:一般的には小麦粉と油脂を重量で同量(1:1)混ぜます。大さじ1のバターと大さじ1の小麦粉で約1カップ(240ml)程度の液体をとろみ付けできます(調理条件や色によって差が出ます)。
- 手順:
- フライパンまたは鍋でバターや油脂を溶かす。低~中火が基本。
- 溶けた油脂に小麦粉を一度に加え、泡立て器や木ベラでよく混ぜる。
- 好みの色(香ばしさ)になるまで焦がさないように絶えず混ぜながら加熱する。
- 仕上げの液体(牛乳、ブイヨン、スープなど)を少量ずつ加え、その都度よく混ぜて滑らかにのばす。
- ポイント:液体は一気に加えるとダマになるので、必ず少しずつ加えてよく溶かすこと。ルーは加熱時間が長くなるほど色が濃くなり、香りは強くなるが増粘力は弱くなります。
色と種類(仕上がりと用途)
- 白(ライト)ルー:短時間しか加熱しないため色がほとんど付かず、味も軽い。ベシャメルなど乳製品ベースのソース向き。
- ブロンドルー:薄くきつね色になるまで加熱。風味が出て、クリーム系や軽いソースに使われます。
- ブラウンルー:もっと加熱して色を付けたもの。エスパニョールソースなど、深い風味が欲しいブラウン系ソースに適しています。
- ダークルー(ケイジャンなど):非常に濃い茶色まで炒めたルー。香ばしくコクが出ますが、とろみは弱くなります。エチューフェやケイジャン料理のグレービーに使われます。
代表的な用途と料理
クラシックなフランスのマザーソースであるベシャメルソース、ベルーテソース、エスパニョールソースの増粘剤にルーが使われます。肉汁やその他のソース、スープやシチューにとろみを付け、舌触りを滑らかにします。
イタリア料理で使われるルーは、伝統的にバターと小麦粉を同じ割合で混ぜ合わせたものです。ケイジャン料理では、ルーはほとんどの場合、バターの代わりに油を使って作られ、色は濃い茶色になります。これは、風味が豊かになる反面、とろみが少なくなるためです。ハンガリー料理では、バターの代わりにラードや植物油を使ってルーを作ります(ハンガリー語ではrántásと呼びます)。
実践的なコツと注意点
- 生粉の味を飛ばす:十分に加熱して小麦粉の生っぽさを取り除くこと。白ルーは短め、ブラウンルーは長めに加熱します。
- ダマ防止:液体は冷たいまま少量ずつ加え、都度よく混ぜる(ホットリキッドを使うと仕上がりがより滑らかになる場合もあります)。
- 保存:冷蔵で数日、冷凍で1か月程度保存可能。使うときは弱火でのばしながら温める。
- 安全:熱した油脂は跳ねやすいので火傷に注意。特に油を使うダークルーは高温に注意する。
代替とアレルギー対応
- グルテンフリーが必要な場合は、コーンスターチ(片栗粉の代替)、米粉、アロールートなどを使ったスラリーでとろみを付ける方法があります。これらは加熱と扱い方が異なるため、入れ方や火加減に注意してください。
- バターを使わない場合は植物油やラード、グレープシードオイルなどで代用できますが、風味と色の出方が変わります。
簡単レシピ(基本ルー)
- バター 20g(大さじ1)を鍋で溶かす。
- 小麦粉 20g(大さじ1)を一度に加え、泡立て器でよく混ぜながら1〜2分加熱する(白ルーの場合)。
- 温めた牛乳やスープを少量ずつ加え、ダマにならないように混ぜる。とろみが付くまで加熱して完成。
ルーは基本の調理技術なので、色の違いや加熱時間で応用が利きます。用途に合わせて色と風味、増粘力を調整し、レシピに合わせたルーを使い分けてください。

ルーベースのソース
質問と回答
Q:ルーとは何ですか?
A: ルーとは、小麦粉と脂肪(バター、澄ましバター、植物油、ラードなど)を混ぜた調理用混合物で、グレービー、ソース、スープ、シチューの増粘剤として使用します。
Q: ルーが料理のベースとして使われる料理は?
A:ルーは、フランス料理、イタリア料理、ケイジャン料理、ハンガリー料理など、多くの種類のソースのベースとして使用されています。
Q: フランス料理でルーを使う3つのマザーソースとは何ですか?
A:ルーを増粘剤として使うフランス料理の3大ソースは、ベシャメルソース、ヴルーテソース、エスパニョールソースです。
Q:ルーは小麦粉と油脂の重量を等しくして作るのですか?
A:はい、ルーは小麦粉と油脂の重量を等しくして作られます。
Q: イタリア料理ではルーはどのように作られるのですか?
A: イタリア料理では、ルーは伝統的にバターと小麦粉の同量で作られます。
Q: ケイジャン料理とフランス料理のルーの違いは何ですか?
A: ケイジャン料理では、ルーはほとんどバターの代わりに油で作られ、色は濃い茶色で、フランス料理で使われるルーに比べ、より豊かな風味を与えますが、増粘力は弱くなります。
Q:ハンガリー料理でルーの仕込みによく使われる油脂の種類は何ですか?
A:ハンガリー料理では、ルーの調製にバターの代わりにレンダリングしたラードや植物油を使うのが一般的で、ハンガリー語で「ランタス(rántás)」といいます。
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