セーブ・ロックンロール(Save Rock and Roll)は、シカゴのパンクロックグループ、Fall Out Boyが2013年4月12日にアメリカのアイランドレコードからリリースしたスタジオアルバム。このアルバムのプロデュースは、アメリカのシンガー・ソングライターであるブッチ・ウォーカーが担当した。バンドの5枚目のアルバムであり、2008年12月にリリースされた『Folie à Deux』以来のアルバムとなる。バンドは2009年末に無期限の活動休止に入り、ソロプロジェクトやスーパーグループでの活動を休止。2013年、1stシングル「My Songs Know What You Did in the Dark(Light 'Em Up)」を2013年2月4日にリリースし、ミュージックビデオと一緒にビルボードホット100チャートで26位を記録した。ビデオにはラッパーの2 Chainzが出演している。バンドはアルバムのサポートとして、5月から6月にかけてのセーブ・ロックンロール・ツアーを発表した。今秋には、ポップ・パンク・バンドのパニック!・アット・ザ・ディスコ、ラッパーのビッグ・ショーンとのカムバック・セーブ・ロックンロール秋のアリーナ・ツアーを9月に行うことが決まっている。
2013年3月24日、プロモーション・シングル「The Phoenix」とミュージック・ビデオを公開。同曲はビルボードホット100シングルチャートで初登場80位を記録。続いて2013年4月8日にはプロモーション・シングル第2弾「Young Volcanoes」をリリースし、4月18日にはYouTubeでミュージック・ビデオを公開した。
背景と制作
バンドは2009年の活動休止期間中、各メンバーが別プロジェクトに注力していたが、その後2013年に再結成を発表。これまでのエモ/ポップパンク的な要素を保持しつつ、より大規模でポップ寄りのプロダクションを志向して制作が行われた。プロデューサーにはブッチ・ウォーカーが迎えられ、スタジオにはバンドの持ち味であるキャッチーなメロディとアンセミックなサウンドを両立させるための工夫が凝らされた。歌詞面では再出発、後悔、希望や自己再生といったテーマが繰り返し登場する。
音楽性と特徴
本作は従来のポップパンクやエモの要素に加え、ポップ/ロック/アリーナロック的なアプローチ、エレクトロニックなテクスチャーを取り入れており、より幅広いリスナーを意識したサウンドにまとめられている。楽曲は構築されたコーラス、ダイナミックなギター、エネルギッシュなリズムで統一され、ライブ映えするアレンジが目立つ。
ゲストとコラボレーション
- Elton John:アルバムのタイトル曲「Save Rock and Roll」にゲスト参加し、象徴的なコラボレーションとなった。
- Foxes:楽曲「Just One Yesterday」にゲストヴォーカルで参加。
- Big Sean:シングル「The Mighty Fall」にラップで参加(またツアーにも帯同)。
- Courtney Love:曲「Rat a Tat」にゲスト参加している。
シングルとプロモーション
リードシングル「My Songs Know What You Did in the Dark (Light 'Em Up)」は2013年2月に発表され、同曲の成功がバンドの復活を象徴するものとなった。続くプロモーション・シングル「The Phoenix」および「Young Volcanoes」も公開され、ミュージックビデオやテレビ出演、ラジオプロモーションを通じてアルバムの認知度を高めた。2013年の春〜秋には北米・欧州を中心にツアーを行い、新曲を主要セットで披露した。
商業的評価と批評
商業的には成功し、本作はアメリカのビルボード200で初登場1位を獲得(初週セールスは約15万枚)。世界各国でもチャート上位を記録し、復帰作として大きな注目を集めた。批評面では、従来のファンからの賛否はあったものの、楽曲の完成度やエネルギー、復活劇としての意義を評価する声が多く、概ね好評を得た。プロダクションの洗練や幅広いゲスト起用が評価された一方で、商業的なサウンドメイクに対する批判も一部に存在した。
トラックリスト(スタンダード)
- 1. The Phoenix
- 2. My Songs Know What You Did in the Dark (Light 'Em Up)
- 3. Alone Together
- 4. Where Did the Party Go
- 5. Just One Yesterday (feat. Foxes)
- 6. The Mighty Fall (feat. Big Sean)
- 7. Miss Missing You
- 8. Death Valley
- 9. Young Volcanoes
- 10. Rat a Tat (feat. Courtney Love)
- 11. Save Rock and Roll (feat. Elton John)
メンバー(主な参加者)
- Patrick Stump – ボーカル、ギター
- Pete Wentz – ベース、作詞(多くの楽曲で)
- Joe Trohman – ギター
- Andy Hurley – ドラム
- プロデューサー:Butch Walker(主にプロデュースを担当)
影響と遺産
「Save Rock and Roll」はFall Out Boyの"復活作"としてバンドのキャリアにおける転換点となり、その後のポップ色の強い作風(例えば2015年の『American Beauty/American Psycho』など)へとつながる橋渡しとなった。復活後のフェス出演や大規模ツアーを成功させる足がかりとなり、2010年代のロック/ポップシーンにおけるバンドの位置づけを再確立した作品である。