バタシー橋(ロンドン)—テムズ川の歴史と構造を詳解
バタシー橋(ロンドン)の歴史と構造を詳解。木造から鋳鉄・花崗岩製への変遷、事故と改修、観光スポットとしての魅力を写真付きで紹介。
バターシー橋は、イギリスのロンドンにあるテムズ川に架かる鋳鉄製と花崗岩製の5スパンの片持ち橋です。テムズ川の急カーブ上に位置し、川の南側のバタシーと北側のチェルシーを結んでいます。構造は比較的簡素ながら、川の流れと船舶の通行に影響されやすい立地のため、建設以来何度も補強や閉鎖が行われてきました。
初代橋 — 木造の有料橋
最初のバタシー橋は有料橋として建設され、当初は石造りが計画されていましたが、費用節約のために木造で建てられました。ヘンリー・ホランドによって設計されたこの橋は、1771年11月に歩行者用に、1772年には馬車など自動車類に開放されました。しかし設計や施工に問題があり、橋はしばしば損傷を受け、通行するボートとの衝突も頻発するなど利用者と船舶双方に危険を及ぼしました。
改修と架け替え
危険で人気のない木造橋は長年にわたりイギリスの多数の画家の題材となりました。実際、ターナーやコトマン、ウィスラーらがこの橋と周辺風景を描いています。1879年に橋は公有地になり、1885年には旧橋は取り壊され、ジョセフ・バザルジェットが設計した現在の鋳鉄・花崗岩構造の橋へと架け替えられました。新しい橋は5スパンの構成で、見かけは華美ではないものの、耐久性と維持管理を重視した設計となっています。
構造的特徴
- 材料:鋳鉄のスパンと花崗岩の橋脚を組み合わせた構造。
- スパン数:全体で5スパンを有する桁橋形式。
- 幅:道路幅は狭く、ロンドンのテムズ川に架かる道路橋の中でも特に狭い部類に入るため、交通流や歩行者の動きについて制約があります。
- 立地:川の急カーブ上に位置するため、上流下流からの船舶の通行が複雑で、衝突リスクが高くなります。
交通と安全上の問題
立地の影響で船舶の衝突事故が繰り返され、過去には橋の一時閉鎖や補修工事が行われてきました。道路幅が狭いため渋滞が発生しやすく、大型車両の通行制限や速度規制などが採られることもあります。これらの制約により、バタシー橋はロンドンの橋の中でも通行量が比較的少ない部類に入ります。
文化的・観光的意義
周辺の風景や川の流れを取り込んだ絵画や写真の題材として歴史的に重要で、近代以降も観光客や写真愛好家に人気があります。特に2012年6月には、テムズ川で行われたエリザベス女王2世のダイヤモンド・ジュビリー・ページェントのルート上で脚光を浴び、バターシーブリッジ周辺からはタワーブリッジに向かうボートのパレードが正式に開始されるなど、大規模なイベントでも注目されました。
保全と今後
歴史的背景と都市インフラとしての重要性から、定期的な点検と補修が行われています。狭い構造や立地上の制約は将来的な交通計画や河川管理と絡めた検討課題となっており、必要に応じて補強・改修を行いながら保存される見込みです。
アクセス・見学のポイント
- 橋はバタシー地区とチェルシー地区を結ぶため、周辺にはテムズ川沿いの散策路やカフェ、ギャラリーが点在します。
- 歩行者でも橋自体や川沿いからの景観を楽しめますが、狭い歩道の箇所があるため混雑時は注意が必要です。
- 文化行事やパレード時には周辺で交通規制が敷かれることがあるため、訪問時には直近の案内を確認してください。
バターシー橋は、ロンドンの河川景観と歴史を語る上で欠かせない存在です。構造的には派手さはないものの、その立地と歴史的経緯が周囲の景観や文化に強い影響を与え続けています。

ノクターン青と金-旧バタシー橋 ジェームズ・マクニール・ウィスラー作(1872年)、テート・ブリテン、ロンドン、イングランド
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質問と回答
Q:バタシー橋はどのような橋ですか?
A: バタシー橋は、イギリス、ロンドンのテムズ川にかかる鋳鉄と花崗岩でできた5スパンの片持ち梁橋です。
Q:最初のバタシー橋はいつ開通したのですか?
A: 最初のバタシー橋は、1771年11月に歩行者用に、1772年に自動車用に開通しました。
Q: オリジナルの木造橋は誰が設計したのですか?
A: オリジナルの木造橋はヘンリー・ホランドによって設計されました。
Q: なぜ鉄の橋げたで補強しなければならなかったのですか?
A: 船がよくぶつかるので、通行の危険を減らすために鉄の桁で補強する必要があったのです。
Q:元の橋に代わる既存の橋は誰が設計したのですか?
A:ジョセフ・バザルゲット(Joseph Bazalgette)が設計しました。
Q: バタシー橋は、ロンドンで最も交通量の多いテムズ川の橋の一つですか?
A: いいえ。バタシー橋は、ロンドンで最も交通量の少ないテムズ川の橋の一つです。
Q: 2012年、エリザベス2世のダイヤモンド・ジュビリー・ページェントがテムズ川で行われた際、バタシー・ブリッジはどのように登場したのですか?
A:2012年のエリザベス女王のテムズ川でのダイヤモンド・ジュビリー・ページェントでは、バタシー橋周辺がタワーブリッジに向かって進む船やボートのパレードの正式なスタート地点となりました。
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