ザ・ストロークスとは 結成からメンバーと代表作Is This Itまでの解説
ザ・ストロークスは1998年に結成されたアメリカのロックバンドで、2000年代前半にガレージロック・リバイバルの代表的なグループとして世界的に知られるようになった。メンバーはJulian Casablancas(ボーカル)、Nick Valensi(ギター/コーラス)、Albert Hammond Jr.(ギター/コーラス)、Nikolai Fraiture(ベース)、Fabrizio Moretti(ドラム)の5人組で、ニューヨークのローカルシーンで育った。スタジオアルバムはこれまでに6枚発表しており、なかでもファースト・アルバムのIs This Itが最も高い評価と影響力を持つ作品として知られている。
結成とメンバー
メンバーはニューヨークで知り合い、1998年に正式にバンドを結成した。Julian Casablancasは主要なソングライターでありリード・ボーカルを務める。Nick ValensiとAlbert Hammond Jr.がツインギターでリフとメロディを担い、Nikolai Fraitureがベースライン、Fabrizio Morettiがビートを支えるという典型的なロック編成をとる。各メンバーはソロ活動やサイドプロジェクト(例:JulianはThe Voidz、Albertはソロ名義)も行っている。
音楽性と影響
ザ・ストロークスの音楽は、1960〜70年代のロックやパンク、ポストパンク、パブロックへのオマージュを含みつつ、乾いたギターサウンド、簡潔なリズム、キャッチーなメロディが特徴である。プロダクションはしばしばローファイ気味で、ライブ感と都会的な冷たさを両立させるスタイルが評される。影響源としてはThe Velvet UndergroundやTelevision、The Stoogesなどが挙げられることが多い。
代表作:Is This It(2001年)
Is This Itは2001年にリリースされ、プロデューサーのGordon Raphaelと共に録音された。シンプルかつ洗練された楽曲群と、当時の商業ロックとは一線を画すサウンドで批評家から高い評価を受けた。シングル曲としては"Hard to Explain"、"Last Nite"、"Someday"などがヒットし、アルバム全体が2000年代初頭のロック回帰潮流を象徴する作品となった。
リリース時には地域によるアートワークや収録曲の違いがあり、米国盤では「New York City Cops」が差し替えられるなどの変更が行われた(9/11前後の社会的事情に由来する)。
批評的評価と影響:多くの音楽メディアの年間ベストや歴代アルバムランキングにランクインし、以降のインディー/オルタナシーンに多大な影響を与えた。彼らの登場はギター・バンドの復権を促し、同時期の多くの若手バンドに刺激を与えた。
以降の活動と主要作
ファースト後、ザ・ストロークスは継続的に作品を発表している。代表的なスタジオ・アルバムは次のとおりである:
- Is This It(2001年)
- Room on Fire(2003年)
- First Impressions of Earth(2006年)
- Angles(2011年)
- Comedown Machine(2013年)
- The New Abnormal(2020年) — この作品でグラミー賞のBest Rock Albumを受賞
各作品ごとに音作りや作曲アプローチを変化させつつ、復活や長期休止、ソロ活動を経て再結集を繰り返している点もバンドの特徴である。
代表曲とライブ
ライブでは"Last Nite"、"Reptilia"、"Hard to Explain"、"Someday"などが定番曲として人気が高い。シンプルながら耳に残るギターリフとフックの強いボーカルラインが観客を引きつける。
評価と遺産
ザ・ストロークスは2000年代以降のロックシーンにおいて重要な位置を占めるバンドであり、ガレージ/ポストパンク回帰の象徴とされる。若手バンドへの影響力だけでなく、商業的成功と批評的成功を両立させた点でも評価される。現在も各メンバーの創作活動は続き、バンドとしての動向は世界中のファンから注目されている。
注:本項では便宜上「スタジオ・アルバム」の総数を最新のリリースまで反映して記述している。
バンド履歴
カサブランカス、モレッティ、ヴァレンシの3人が最初のメンバーで、まだ高校生の時に一緒に演奏し始めた。1998年、ハモンドがバンドに加入。彼らは2年間ニューヨークでライブを行ったが、誰も彼らの音楽を聴くことはなかった。何曲かレコーディングし、レコード会社に送ったが、オファーは受け入れられなかった。2000年10月、バンドはGordon Raphaelのスタジオに行き、余分なエフェクトをかけずに曲を録音した。ラフ・トレード・レコードの創設者ジェフ・トラヴィスがその曲を発見し、The Modern Age EPとしてリリースした。また、ストロークスは有名雑誌「NME」にも取り上げられた。これらのことから、バンドは多くの人に注目されるようになったが、その多くはイギリス国内の人たちだった。
ディスコグラフィー
- イズ・ディス・イット (2001)
- ルーム・オン・ファイア (2003)
- 地球への第一印象 (2006)
- アンガールズ (2011)
- カムダウン・マシーン (2013)