毒素性ショック症候群(TSS)は、特定の細菌が放出する毒素によって引き起こされる急性で、生命を脅かすこともある病態です。進行は速く、複数の臓器系に影響します。まれではありますが、毒素がスーパー抗原として働き、免疫反応を過剰に引き起こしてショックや臓器不全につながるため、TSSは医療上の緊急事態とみなされます。多くの権威ある要約では、TSSは特定の細菌の株に関連する毒素介在性の全身性疾患と説明されています。

原因と機序

最も頻繁に関与する2つの病原体は、黄色ブドウ球菌と化膿レンサ球菌です。ブドウ球菌の株は毒素性ショック症候群毒素1(TSST-1)や関連タンパク質を産生し、レンサ球菌の株は発熱性外毒素を産生します。これらの毒素は通常の抗原処理を回避し、広範なT細胞活性化とサイトカイン放出を引き起こして、特徴的な臨床像をもたらします。

典型的な徴候と症状

  • 突然の高熱、しばしば悪寒を伴う
  • 日焼けのように見えることがあり、のちに皮むけを起こすびまん性の発疹
  • 低血圧(血圧低下)とめまい
  • 消化器症状:嘔吐、下痢
  • 混乱、筋肉痛、臓器障害の徴候(腎臓や肝臓の異常)

診断と鑑別のポイント

診断は主に臨床的に行われ、検査と培養で補助されます。医師は、発熱、発疹、低血圧に加え、少なくとも1つの追加の臓器系の障害があるかを確認し、他の原因を除外します。血液培養や局所の培養で原因菌が分かることもありますが、細菌を分離しにくい場合でも毒素だけで重症化することがあります。

治療と予防

初期対応は支持療法が中心で、大量の輸液、必要に応じた昇圧薬、合併症への対応を行います。感染源の除去、たとえば感染した創部の排膿や異物の除去は不可欠です。ブドウ球菌とレンサ球菌の両方をカバーする広域抗菌薬をまず用い、その後は原因に合わせて調整します。重症例では静注免疫グロブリン(IVIG)や、侵襲性感染に対する外科的介入が行われることがあります。予防には、適切な創傷ケア、タンポンや鼻腔パッキングの慎重な使用、皮膚感染への早期対応が含まれます。

歴史的には、1970年代後半から1980年代初頭にかけて月経関連TSSの集団発生が報告され、タンポンの使用方法や製品設計への関心が高まりました。その後、認識の向上と製品改良により、そうした症例は減少しました。一方で、創傷、手術、あるいは侵襲性のレンサ球菌感染に関連する非月経性TSSも起こりうることを理解しておくことが重要で、こちらはしばしばより劇的に進行します。早期の認識と治療は転帰を大きく改善します。