尿とは?成分・生成過程・色と量でわかる健康サイン解説
尿の成分・生成過程から色や量で読み取る健康サインをわかりやすく解説。脱水や異常の見分け方まで具体的にチェック。
腎臓で体内で作られた液体が尿です。尿は膀胱に一時的に貯蔵され、膀胱から尿道を通って体外に排出されます。男性では尿道は陰茎の先端(男性)、女性では外陰部(女性)の外に開きます。排尿は、血液中の不要な物質や過剰な水分を体外に出すための重要な生理機能です。
尿の生成過程(ネフロンの働き)
尿は腎臓内の基本単位である「ネフロン」でつくられます。主な過程は次の3つです。
- 糸球体濾過:血液が糸球体を流れるときに水や小さな溶質が原尿として濾過されます。
- 近位尿細管での再吸収:グルコース、アミノ酸、必要な水分や電解質(ナトリウム、カリウムなど)が血液側へ能動・受動的に戻されます。
- 分泌:不要物や一部のイオン、薬物代謝物などが尿細管へ能動的に分泌され、最終的な尿となります。
また、抗利尿ホルモン(ADH)やアルドステロンなどのホルモンが水や電解質の再吸収を調節して、尿量と濃度をコントロールします。
主な成分とその意味
尿はほとんどが水で、残りに電解質や代謝産物が含まれます。代表的な成分と意味は次のとおりです。
- 尿素(尿素):タンパク質代謝の最終産物で、肝臓でアンモニアを処理して生成されます。尿中に多く排泄されることで窒素廃棄が行われます。血中尿素が高い状態は「尿毒症(または腎不全や脱水による上昇)」を示すことがあります(※高尿酸血症は別に「尿酸」が高い状態を指します)。
- クレアチニン:筋代謝の産物で、腎機能評価に用いられます。
- 電解質(Na、K、Clなど):体液量と電解質バランスを反映します。
- 有機酸・酸性代謝産物(尿酸など):痛風や代謝異常の手がかりになります。
- 微量物質(ホルモン、薬物代謝物):薬の排泄や内分泌状態を反映します。
尿の色・におい・濁りが示すサイン
尿の外観やにおいは健康状態のヒントになります。以下は代表的な変化とその意味です。
- 黄色〜琥珀色:通常のウロビリンにより黄色〜濃い黄色。脱水があると濃い黄色〜琥珀色になります。
- 赤〜ピンク:血尿(尿路出血)を疑います。尿路結石、尿路感染、腫瘍、腎炎、外傷、特定の薬や食品(ビーツなど)で着色する場合もあります。
- 茶色〜黒っぽい:ビリルビン(肝障害)や筋肉障害でのミオグロビン排泄、強い脱水や一部の薬剤で見られることがあります。
- 緑や青:一部の薬(例:プロポフォールや一部の鎮痛薬)、細菌(Pseudomonas)感染、着色食品など。
- 濁る:白血球や細菌、膀胱炎や腎盂腎炎などの感染症、結晶(リン酸カルシウム、尿酸結晶)、粘液など。
- 泡立つ(泡が消えにくい):タンパク尿(大量の蛋白が尿中にあると泡立ちやすい)を示唆します。
- 強い臭い:糖尿病でケトン臭、感染症で悪臭、食べ物や薬の影響など。
尿量とその異常
- 正常成人の1日尿量はおおむね約800〜2,000 mL/日(飲水量や気温により変動)です。
- 多尿(polyuria):1日3,000 mL以上。糖尿病(高血糖による浸透圧利尿)や糖質摂取過多、利尿剤の使用などが原因。
- 乏尿(oliguria):1日400〜500 mL未満。脱水、腎不全、尿路閉塞など。
- 無尿(anuria):1日100 mL未満。重篤な腎不全や完全な尿路閉塞が疑われ、緊急対応が必要です。
- 尿比重(比重計)や尿浸透圧は尿の濃縮能を表し、腎機能や水分バランス評価に用いられます(比重正常範囲 約1.003〜1.030)。
尿検査でわかること・検査の種類
家庭や医療でよく行われる検査:
- スティック試験(尿定性試験):タンパク、糖、ケトン、潜血、pH、比重、ビリルビン、亜硝酸塩(細菌代謝産物の指標)などを短時間で調べます。
- 沈渣(尿沈渣)顕微鏡検査:赤血球、白血球、細菌、円柱(キャスト)、結晶などを観察して、感染や腎障害の種類を推定します。
- 尿培養:尿路感染の原因菌を同定し、感受性を調べて適切な抗菌薬を選びます。
- 24時間尿や尿蛋白/クレアチニン比:尿蛋白量の正確な評価に使用します。
よくある異常とその示唆する病気
- 尿中の糖(糖尿)→ 糖尿病が疑われます。
- タンパク尿 → 糸球体障害(糸球体腎炎、糖尿病性腎症など)や高血圧による腎障害。
- 潜血(血尿) → 尿路感染、尿路結石、腫瘍、腎炎、外傷など。
- 白血球(膿尿)や亜硝酸塩陽性 → 尿路感染の可能性。
- ケトン尿 → 糖尿病性ケトアシドーシスや飢餓状態、低炭水化物ダイエットなど。
日常の観察ポイントと受診の目安
普段の観察で異常に気づいたら医療機関に相談してください。目安は次のとおりです:
- 血尿(尿が赤い・ピンク)は、軽視せず受診を。特に痛みを伴う場合や持続する場合は緊急性あり。
- 発熱・排尿時の激しい痛み・頻尿・悪臭のある濁りがある場合は尿路感染が疑われるので受診を。
- 急に尿量が極端に減った(乏尿・無尿)場合や、めまい・意識障害などの脱水症状が強い場合は緊急受診。
- 慢性的に泡立ちが続く、むくみが出る、長期間タンパク尿が続く場合は腎機能の専門的評価が必要です。
まとめ(覚えておきたいポイント)
- 尿は腎臓が血液をろ過し、必要な物質を再吸収して作る重要な排泄物です(ネフロンの働き)。
- 色・におい・濁り・量の変化は体内の水分状態、感染、代謝異常、腎臓や肝臓の病気などを反映します。
- 簡便な尿検査(スティック・沈渣・培養)により多くの病気の手がかりが得られます。疑わしい変化があれば早めに医療機関で検査を受けましょう。
日常的な呼称としては、尿の俗語には「おしっこ」や「小便」という言い方がありますが、医療の場では「尿」と呼ぶのが一般的です。
尿だ
質問と回答
Q:尿とは何ですか?
A:尿は、体内で腎臓で作られる液体です。膀胱に貯まり、膀胱から尿道にかけての尿道という管を通って体外に出ます。
Q: 血液からどのような物質が取り除かれ、尿になるのでしょうか?
A: 肝臓は多くの毒素(有害物質)を取り除き、その他血液に必要な物質(アミノ酸、タンパク質、凝固因子、ホルモンなど)を加える。そして、腎臓は余分な尿素や塩分などを尿に出して除去します。
Q: 尿の色が黄色いのはなぜですか?
A:尿が黄色いのは、血液の赤色成分であるヘモグロビンが分解されてできるウロビリンという物質が原因です。
Q: 脱水状態になると、人はどれくらいの水を出すのですか?
A: 脱水状態になると、1日あたり1リットル以下の濃縮尿が出ます。
Q: 人が水をたくさん飲むと、どれくらいの水が出るのですか?
A:水をたくさん飲むと、1日に2リットルまで濃縮された尿が出ます。
Q:尿の俗称にはどんなものがありますか?
A:尿の俗語には、「pee」「wee」「wee wees」「piss」などがあります。
百科事典を検索する