Voir dire(/ˈvwɑːr ˌdiər/)は、裁判陪審員を選ぶプロセスの名称です。また、裁判中に弁護士裁判官が行う小規模な会議を意味することもあります。元々は、陪審員が真実を語ることを誓うこと(ラテン語verum dicereを意味していました。現代の裁判制度では、voir direは州法と連邦で定められたプロセスです。基本的には、陪審員の偏見を見つけるために行われます。裁判制度によっては他の用途もあります。

概要

Voir direの主な目的は、裁判にふさわしい公平な陪審員を選出することです。候補となる市民(陪審候補者)に対して、裁判官や弁護士が質問を行い、過去の経験、先入観、メディア報道の影響、職業や人間関係などを調べます。質問に基づいて、偏見があると判断される者は除外されます。

手続きの流れ

  • 陪審候補者が召喚される(jury pool)
  • 裁判官または弁護士が公開の場で一斉にまたは個別に質問を行う
  • 特定の回答や事情がある場合、追加で個別の非公開質問(in-chambers voir dire)を行うことがある
  • 当事者は候補者に対して「異議申し立て(challenge)」を行い、陪審員の除外を求める
  • 裁判官が除外の可否を決定し、最終的に陪審員を選任する

弁護士と裁判官の役割

  • 裁判官:手続きの進行管理、質問の適否判断、異議の判断を行う。必要に応じて非公開での質問を許可する。
  • 弁護士:自らの依頼人に有利と考える陪審員を残すために質問し、除外を求める。検察側・民事の原告側・被告側それぞれが異なる視点で候補者を評価する。

陪審員の除外方法

  • for-cause challenge(理由ありの異議):候補者に明確な偏見や利害関係、重大な不適格事由がある場合に申し立てられる。裁判官の許可が必要で、回数に制限はないのが一般的です。
  • peremptory challenge(理由不要の異議):理由を述べずに候補者を除外できるが、回数に制限がある。人種や性別など差別的な理由に基づいて行使することは許されない(後述の判例参照)。

代表的な問題と制限(重要判例など)

  • 人種差別の禁止(Batson ルール):米国では陪審員の除外を人種理由で行うことは禁止されています。弁護側が人種差別を根拠に除外されたと主張すると、裁判所は当事者に説明を求め合理的な説明がなければ除外は無効とされます。後に性別など他の属性にも適用が拡大されています。
  • プライバシーと公開性のバランス:敏感な質問(性的暴行事件の被害者であるかどうかなど)は非公開で行われることがあるが、陪審の公開性や透明性との調整が問題になります。

どのような質問がされるか

質問は裁判の種類や争点によって異なりますが、一般的には以下の事項が尋ねられます。

  • 職業、学歴、経歴
  • 過去の犯罪歴や裁判に関わった経験
  • 事件に関連する人物や団体との関係
  • 事件に関する先入観や強い意見(例:銃規制、警察に対する見方など)
  • 事件を報じたメディア情報への接触や既に形成された意見

他国との違い

Voir direは英米法圏(特に米国)で発達した制度です。国によっては陪審制自体が存在しないため voir dire に相当する手続きはありません。また、国や州ごとに質問の範囲、公開の可否、peremptory challenge の有無などが異なります。日本のように陪審員制度(参審制度)を採る国でも、米国のような長時間の公開質問が行われるとは限りません。

陪審候補者へのアドバイス

  • 正直に答える:見落としや曖昧さは後で問題になることがあります。偏見や利益相反は正直に申告しましょう。
  • 聞かれたことに限定して答える。推測や余計な情報の提供は避ける。
  • 個人的な信念が裁判に影響すると思う場合はそれを明確に述べる。

よくある誤解

  • 「voir direは単なる形式である」:必ずしも形式ではなく、陪審員の構成が裁判結果に大きく影響するため実質的な意味を持ちます。
  • 「peremptory challengeで誰でも自由に除外できる」:差別的な理由での除外は制約されており、裁判所が介入することがあります。

まとめると、voir direは公平な裁判を保障するための重要な手続きです。各当事者が有利な陪審員を残すために質問や除外を行い、裁判官が法と手続きの範囲内でその運用を監督します。裁判の種類や管轄によって細部は大きく異なるため、具体的な手続きや制限については該当する州法や国の法律、判例を確認する必要があります。