Voivodは、カナダ・ケベック州ジョンキエール(Jonquière)で1982年に結成されたヘビーメタルバンドです。結成当初から音楽性が変化し続けており、初期にはスピード/スラッシュ寄りのサウンドでスタートしました。彼らはスピードメタルバンドとしてスタートしたが、やがてプログレッシブメタルとスラッシュメタルのミックスを加え始め、独自のメタルスタイルを作り上げました。曲構成の複雑さ、変拍子、実験的なギターサウンド、そしてSF的な歌詞世界が特徴です。
主なディスコグラフィーと代表作
Voivodは長年にわたって精力的に作品を発表しており、スタジオアルバムだけでも15枚(1984年のデビュー作から2022年の最新作まで)を数えます。中でも代表的な作品は以下の通りです。
- War and Pain (1984) — デビュー作。スラッシュ/スピード色が強い初期音像。
- Killing Technology (1987) — よりプログレッシブな要素を導入し始めた転機の一枚。
- Dimension Hatröss (1988) — コンセプト性と実験性が評価された作品。
- Nothingface (1989) — バンドの商業的ブレイク作。Voivodのアルバムとして初めてBillboard 200チャートに入り、114位を記録しました。
- Angel Rat (1991)、The Outer Limits (1993) — メロディアスさや多様なアプローチを試みた時期。
- Target Earth (2013) — 再結成後の重要作。
- The Wake (2018) / Synchro Anarchy (2022) — 近年の評価の高い作品。特にThe Wakeは批評的評価を得ました。
スタジオアルバム以外にも、EPやライブ盤、コンピレーション、デモ音源、映像作品(DVD)などを多数リリースしています。
音楽性とテーマ
Voivodの音楽はスラッシュやスピードのアグレッションに、プログレッシブ/実験的なアレンジを融合させたものです。変拍子・複雑なリズム、ギターの独特なトーン(エフェクトを多用した“宇宙的”なサウンド)と、SFやディストピアを題材にした歌詞世界が大きな特徴です。ドラムのMichel “Away” Langevinはビジュアル面でも中心的存在で、アルバムアートやバンドのヴィジュアルコンセプトを自ら手掛けています。
メンバーと沿革(概略)
- 初期主要メンバー:Denis “Snake” Bélanger(ヴォーカル)、Denis “Piggy” D’Amour(ギター)、Jean-Yves “Blacky” Thériault(ベース)、Michel “Away” Langevin(ドラム)。
- ベーシストやヴォーカルの交代、ラインナップの変遷を経ながらも、Away(ドラマー/アート担当)は長年にわたりバンドの核を保ってきました。
- ギタリストのDenis “Piggy” D’Amourは2005年に亡くなりましたが、彼が残した未発表の録音を用いてリリースされたアルバムもあります。
- また、VoivodはベーシストのJason Newsted(元Metallica)が重要な時期に在籍していたことでも知られます。Jason Newstedは2001年にMetallicaを脱退した後、2002年頃にVoivodに加入し、しばらくベーシストとして活動しました。
影響と評価
Voivodはスラッシュ/スピード系の土壌から出発しながらも、プログレッシブで前衛的な要素を取り入れることで独自路線を確立し、多くのミュージシャンやバンドに影響を与えました。その革新的なサウンドと長年にわたる活動により、メタル界でも特異な存在として高く評価されています。ライブパフォーマンスには定評があり、世界各地でツアーを行ってきました。
現在も活動を続けており、レコーディングやツアーなど新しい動きが随時報告されています。これまでの歴史と実験的な姿勢から、Voivodは「常に進化するバンド」として知られています。