ジョン・マイケル " ミック"・マルバニー(John Michael "Mick" Mulvaney、1967年7月21日生まれ)は、アメリカ合衆国の政治家で、共和党に所属する。連邦政府および州議会での職務を通じて財政規律や小さな政府を訴えてきた人物である。マルバニーは2020年に米国の北アイルランド特使に指名され、同職を務めた。2017年2月16日から2020年3月まで、第44代経営予算局長官を務め、2011年から2017年までサウスカロライナ州第5議会区の米国下院議員を務めた。共和党に所属している。マルバニーは2009年から2011年までサウスカロライナ州上院議員を務め、第16区(ランカスター郡とヨーク郡)を代表していた。

経歴の概要

連邦議会に送られる前は州議会で経験を積み、2010年の下院選挙で勝利して連邦下院へ転身した。マルバニーは1883年以来、サウスカロライナ州の5区を代表する共和党員としては初となる。この地域での勝利は、同地区における政治地図の一部変化を象徴した。

2016年12月16日、ドナルド・トランプ次期大統領が経営予算局の局長にマルバニー氏を選出したことが報じられた。2017年2月16日、上院は51対49で同氏を承認した。予算局長としては、トランプ政権の予算方針を取りまとめ、歳出削減や行政効率化を掲げて政策調整に当たった。

ホワイトハウスでの役割と特使就任

2017年11月、トランプ大統領はマルバニー氏を消費者金融保護局(CFPB)の代行長官に任命し、同氏がCFPBの責務を一時的に監督する立場となったが、この任命は物議を醸した。マルバニーはCFPBの予算や人員の見直しを進め、同局の運営方針に大きな変更をもたらした。

2018年12月14日、トランプ氏はマルバニー氏をホワイトハウスの参謀本部長代理に指名することを発表し、マルバニーは2019年初めから参謀本部長代理(Acting White House Chief of Staff)として政権の運営に深く関与した。これにより、ホワイトハウス内での政策調整や行政運営にも影響を与えた。

2020年3月、トランプ大統領はマルバニー氏を米国の北アイルランド特使に指名した。特使としては、米英間や北アイルランドの関係者との外交・調整を担当し、和平プロセスや地域の安定化に関わる業務を行った(在任期間は政権交代に伴い2021年1月まで)。

政治姿勢と実績

  • 財政保守主義:歳出削減や連邦プログラムの効率化を重視し、予算均衡を強調してきた。
  • 規制緩和志向:行政規制の見直しや規制削減を支持し、特に金融規制や行政手続きの簡素化に関与した。
  • 立法活動:下院議員としては小さな政府を標榜し、税制改革や規制改革を推進する立場を取った。

論争と批判

マルバニーのCFPB代行長官就任や参謀本部長代理としての行動は、支持者からは「行政の効率化」として評価される一方、批判者からは「消費者保護の後退」や「政権の透明性への懸念」を招いた。CFPBでの人事や資源配分の見直しは法的・世論的論争を引き起こし、メディアや野党からの厳しい批判を受けた。

私生活とその後

公職以外では、家族との生活や地元コミュニティとの関わりを続けている。政権交代後は公職を離れ、民間での活動や政治関連の発言を行うこともある。

総じて、マルバニーは財政規律を前面に出した保守派の政治家として知られ、連邦政府内で複数の重要職を兼務した点が特徴的である。