Dame Ninette de Valois OM CH DBE FRAD FISTD(1898年6月6日~2001年3月8日)は、アイルランド生まれのイギリス人のダンサー、教師、振付、そしてクラシックバレエの指導者です。長寿を全うし、20世紀の英国バレエの基礎を築いた人物として広く尊敬されています。

経歴と活動

若い頃に舞台での経験を積んだ後、特にセルゲイ・ディアギレフバレエ・リュスでプロのダンサーとしてソリストを務め、国際的な舞台経験を得ました。その後帰国してからは、英国でのバレエ普及と人材育成に尽力しました。1931年にヴィック=ウェルズ(Vic‑Wells)を拠点にしたバレエ団とバレエ学校の基礎を築き、これがのちにロイヤル・バレエ(The Royal Ballet)およびロイヤル・バレエ・スクールへと発展していきます。

教育と育成

デ・ヴァロワは、ダンサーに必要な古典的技術と舞台人としての表現力を同時に養う教育方針を打ち出しました。自身が設立した学校やカンパニーを通じて、多くの舞踊家や振付家(例:若手の演出家や振付家を登用して育てたことでも知られる)を育成し、英国固有のレパートリーとスタイルの確立に大きく貢献しました。

主要な功績と栄誉

  • 英国におけるプロのバレエ団と教育機関の基盤を確立し、世界的に名高いバレエ団を育てた。
  • 舞踊家の育成とレパートリーの発展を通じて、英国バレエの国際的地位向上に寄与した。
  • 生涯にわたり多数の栄誉を受ける。冒頭に示したように、OMCH、DBEなどの称号や、FRAD、FISTDといったフェローシップを有する。
  • ロイヤル・バレエやその流れを汲むバーミンガム・ロイヤル・バレエなど、多くの主要な英国内バレエ団の成長に影響を与えた。

影響と遺産

デ・ヴァロワの仕事は単に一つの団体を創設したにとどまらず、英国におけるバレエ教育体系、舞台制作の標準、そして芸術運営のモデルを確立しました。彼女が育てた世代が指導的立場に立ち、現在に至るまで多くの劇場や学校でその理念が受け継がれています。そのため「英国バレエの母(ゴッドマザー)」と称されることが多く、20世紀の舞踊史における最も重要な人物の一人と見なされています。

2001年3月8日に102歳で逝去するまで、舞踊界に対する影響力と関与は続き、現在も彼女の創設した制度と団体が世界の舞台で重要な役割を果たしています。