テリー・エドワード・ブランスタッド(Terry Edward Branstad、1946年11月17日生まれ)はアメリカの政治家で、長年にわたりアイオワ州政界の中心人物を務めてきた。共和党に属し、アイオワ州知事として1983年から1999年まで(第39代)、さらに2011年から2017年まで(第42代)在任し、合計で約22年にわたり知事を務めたことで、アメリカ史上最長在任の州知事となった。ブランスタッドは州内の経済振興や農業振興、財政の引き締め、教育改革などを掲げてきた一方で、企業寄りの政策や一部の社会政策で批判を受けることもあった。2003年から2009年までデモイン大学学長も務めた。
経歴と政治活動
ブランスタッドはアイオワ州の農村地域で育ち、州内の大学で学んだ後、1970年代から州議会や行政職に関わって政治家としてのキャリアを積んだ。1970年代末から1980年代初頭には副知事や州議会での役職を歴任し、1982年の選挙で初めて知事に選出され、1983年1月に初登庁した。以後4期(連続)にわたり州政を率い、1999年まで在任した。
その後一度は公職を離れ、2003年からは医療系大学であるデモイン大学の学長として教育・医療分野にも関与した。政治の第一線に復帰したのは2010年で、同年の選挙に向けて共和党の候補者として出馬し、党の小選挙区(予備選)では50.4%の票を獲得して次点に9.5%差を付けて勝利した(候補)。2010年11月2日に行われた総選挙では、現職のチェット・カルバー知事(民主党)と4人の第3党候補者を相手に争い、最終的に52.9%対43.1%でカルバー氏を破って勝利した。
在任中は、州の財政健全化、税制の見直し、農業と輸出を結びつけた経済政策、学校教育の改善や職業教育の重視などを掲げ、企業誘致や雇用創出を重視する姿勢で支持を得た。2015年12月14日には累積在任期間がアメリカ史上最長となったと発表され、政治的な記録として注目された(アメリカ史上)。
駐中国大使として
2016年12月、トランプ次期政権のドナルド・トランプ大統領候補(当時)から駐中国米国大使に指名され(ドナルド・トランプ次期大統領から)、2017年5月22日に上院の承認を受けた。承認後、知事職を辞して大使職に就くため、2017年5月24日に辞任し、キム・レイノルズ副知事がアイオワ州知事として後を継いだ。大使としては両国の経済・農業分野の結びつきを強めることや通商交渉に携わり、アイオワ州と中国との関係強化に力を入れた。
評価・遺産
ブランスタッドは長期にわたる地方行政の経験と、農業州出身の政治家ならではの貿易重視の姿勢で知られる。支持者は彼の安定したリーダーシップと経済重視の手腕を評価する一方、批評家は企業寄りの政策や一部の社会政策、行政の閉鎖性などを指摘してきた。学長や大使としての経験を含め、多面的な公務経験を持つ政治家として評価される。
私生活
公的な活動以外では家族と生活しており、地方出身の保守派政治家として地域コミュニティとの結びつきを重視してきた。長年の公職歴を通じて、アイオワ州および米国の政治史における重要人物の一人となっている。
