Carry That Weightは、ビートルズの楽曲で、アルバムアビーロードに収録されています。アルバムのサイドBを締めくくる長大なクライマックス・メドレーの一部をなしており、楽曲中の合唱パートにはバンドの4人全員のボーカルが入るという点が注目されます(ビートルズの楽曲としては比較的珍しい構成です)。曲は「ゴールデン・スランバーズ」の流れから始まり、続いて「ジ・エンド」へと自然に移行します。クレジットはLennon–McCartneyですが、主にポール・マッカートニーによって書かれた楽曲とされています。録音は1969年に行われ、プロデューサーはジョージ・マーティンです。

楽曲構成とサウンド

Carry That Weightは、オーケストラの重厚なサウンドとエレキギター、ピアノ、ドラムスが層になったダイナミックなアレンジが特徴です。ブリッジの部分では金管楽器やギター、重ねられたボーカルが印象的に働き、メロディの一部は「You Never Give Me Your Money」の冒頭で使われたモチーフを反復しますが、歌詞や歌メロは異なります。曲のフィナーレに向かう流れの中では、アルペジオ的なギターフレーズが繰り返され、これはジョージ・ハリスン作の「Here Comes the Sun」や、ハリスンとエリック・クラプトンの共作「Badge」に見られるようなアルペジオ奏法を彷彿とさせる要素を含んでいます(いずれもハリスンのギター・プレイに特徴的な響きです)。

歌詞とテーマ

歌詞には「You're gonna carry that weight a long time(お前はその荷を長く背負っていくだろう)」というフレーズがあり、多くの評論家やリスナーはこれをビートルズとしての責任や分裂の予感、メンバー個々が抱える重荷の比喩として解釈しています。ポール自身も当時の制作やバンド内のプレッシャーを反映していると述べており、個人としての責務や過去との向き合い方を示す楽曲と受け取られています。

レコーディングと参加メンバー

レコーディングでは、ビートルズの4人がそれぞれ楽器演奏とボーカルで参加し、さらにジョージ・マーティンによるオーケストレーション(ストリングスやブラス類)のオーバーダブが加えられています。結果として、ロックバンドの演奏とクラシカルな管弦楽が融合した、厚みのあるサウンドが生まれました。スタジオでの多重録音、コーラスの重ね、そしてメドレーとしての継続性を意識した編集がこの曲の完成度を高めています。

評価と影響

「Carry That Weight」は、アビーロードのメドレー部分を象徴する楽曲の一つとして高く評価されています。アルバム全体の構成上、楽曲は次曲「ジ・エンド」への橋渡しをする役割を果たし、そのドラマティックな展開は多くのリスナーに強い印象を残します。ポール・マッカートニーはその後ソロ公演でも本曲を演奏することがあり、さまざまなアーティストによるカバーやサンプリングも見られます。今日では、ビートルズのキャリア終盤を象徴する重要作の一つとして、音楽史に残る楽曲とされています。