コート・ドール(Côte-d'Or)は、フランス東部の県である。フランス革命時に作られた83の最初のフランス県の一つであり、ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域の8つの県の一つである。
県庁所在地はディジョン市である。この県の住民は、Costaloriens(女性:Costaloriennes)またはCôte-d'Oriens(女性:Côte-d'Oriennes)と呼ばれる。
概要と名称の由来
コート・ドール(「黄金の斜面」)という名前は、特にブドウ畑が立ち並ぶ東側の急斜面が秋に黄金色に染まることや、良質な石灰質土壌を意味する表現に由来する。行政上の番号は「21」で、県都はディジョン(Dijon)で、歴史的にはブルゴーニュ公国の中心都市として栄えた。
地理・自然
コート・ドールはブルゴーニュ地方に位置し、平野部・台地・石灰岩の丘陵(特にブドウ栽培に適した斜面)が混在する地形を持つ。県内にはセーヌ川の源流があり(Source-Seine)、またブルゴーニュ運河(Canal de Bourgogne)や複数の支流が水路・灌漑に寄与している。気候は大陸性の影響が強く、冬は冷涼、夏は温暖で年間を通じて降水は比較的安定している。
歴史
フランス革命期に設置された初期の県の一つで、古くはブルゴーニュ公国の領域に重なる。ディジョンは中世以降、ブルゴーニュ公の宮廷が置かれ文化・芸術の中心となり、多くの歴史的建造物や美術品が残る。
行政区分と人口
主要な行政単位としては県庁所在地のディジョンを含む主要都市に加え、ボーヌ(Beaune)やモンバール(Montbard)などがある。県の面積は約8,700 km²台で、人口はおおむね約53万人程度(おおよその数値)で、農村部と都市部が混在する人口分布である。
経済と産業
- ワイン産業:コート・ドールは世界的に有名なブルゴーニュワインの主要産地で、特にコート・ド・ニュイ(Côte de Nuits)やコート・ド・ボーヌ(Côte de Beaune)など高品質なピノ・ノワールやシャルドネを生む地区がある。2015年には「ブルゴーニュのクリマ(Les Climats du vignoble de Bourgogne)」として一部がユネスコ世界遺産に登録されている。
- 農業・食品加工:ブドウ以外にも穀物、畜産、伝統的な食文化(特にディジョン・マスタードや地元チーズなど)の生産が盛んで、食関連の中小企業や加工業が地域経済を支える。
- 製造・サービス:ディジョンを中心に機械・化学・物流・観光サービス等の産業も発展している。
文化・観光の見どころ
- ディジョン:ブルゴーニュ公国時代の宮殿(現在は美術館や行政庁舎)、中世の街並み、ガストロノミー(ディジョンマスタード)などが観光客を引きつける。
- ボーヌ(Beaune)とオスピス・ド・ボーヌ:歴史あるワインの町で、毎年のオークションやワインツーリズムが有名。オスピス・ド・ボーヌ(Hospices de Beaune)は建築・芸術的にも重要な遺産である。
- フォントネー修道院(Abbaye de Fontenay):コート・ドール内にあり、ユネスコ世界遺産に登録されている保存状態の良いシトー会修道院。
- ワイン街道:多様なぶどう園とワイナリーを巡るルートが整備され、ワイン見学や試飲が楽しめる。
交通
ディジョンは鉄道のハブで、フランス国内(パリ、リヨンなど)や国際路線へのアクセスが良好。高速道路網(A31など)も県内を通り、車での移動もしやすい。ディジョン・ブルゴーニュ空港(Dijon–Bourgogne)はリージョナル空港として利用されるが、主要な国際線は近隣の大都市空港(リヨン、パリなど)を利用するケースが多い。
まとめ
コート・ドールは歴史・文化・ワイン生産で世界的に知られるブルゴーニュの中心的な県であり、ディジョンを中心とした都市機能と広大なブドウ畑や田園風景が調和する地域である。美食・ワイン・歴史遺産を目的とした観光や、伝統と現代産業が共存する経済活動が特徴である。




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