概説
数学における可算集合とは、要素を順番に並べていくことで、各要素が有限番目の位置に現れるようにできる集合です。直感的には、要素を一つずつ数え上げられるという意味であり、終わりがなくてもかまいません。この用語は、集合論や解析学などの初等的・高度な分野で用いられます。文脈については数学および集合論を参照してください。無限集合であっても、この方法で並べられるなら、それは可算無限と呼ばれます。
定義と主要な性質
集合 S が可算であることを表す正式な定義はいくつかあり、どれも互いに同値です。よく用いられる定義の一つは、S が有限であるか、S と自然数全体の集合との間に全単射が存在する、というものです。これと同値な見方として、S から自然数への単射があること、あるいは自然数から S への全射があることを用いる場合もあります。可算無限集合の大きさは伝統的に アレフ・ヌル(aleph-0)で表され、この記法や概念は無限基数の文献で扱われ、アレフ数と結びついています。
例と非例
可算集合の典型例には、すべての有限集合、自然数全体の集合、整数全体、有理数全体が含まれます。これらの中には無限集合もありますが、自然数と一対一対応させることができるため、列挙できます。これに対して、身近な集合の多くは非可算です。たとえば実数全体は非可算集合であり、カントールの対角線論法によって、実数の列挙は存在しないことが示されます。自然数と数え上げに関する基礎的な議論については自然数を参照してください。
- 可算の例:有限集合、N(自然数)、Z(整数)、Q(有理数)。
- 非可算の例:R(実数)、2進数列全体の集合。
重要な結果と構成法
可算集合には、いくつか有用な閉包性が成り立ちます。可算個の可算集合の和集合は、いくつかの穏当な集合論的仮定のもとで可算になり、有限個の可算集合の直積も可算です。これらを示すには、明示的な列挙や組合せ関数がよく使われます。証明技法としては、明示的な全単射の構成、自然数の組に対する対角線的な列挙、そして直接の全単射を与えずに大きさを比較するためのカントール・シュレーダー・ベルンシュタインの議論などがあります。
歴史と意義
無限の異なる大きさを体系的に研究し、可算性を表す語彙を整えたことは、19世紀後半のゲオルク・カントールの仕事にさかのぼります。カントールは無限集合を比較する方法を導入し、無限にも大きさの違いがあることを示して、可算無限と非可算無限を区別しました。彼の考え方は現代集合論の多くの基盤となり、位相空間論、測度論、理論計算機科学にも影響を与えています。これらの分野では、列挙可能性や効果的な一覧化が中心的な問題です。
関連概念と区別
著者によっては「可算」を「可算無限」の意味で使うことがあるため注意が必要です。有限集合を可算に含める場合もあれば、可算という語を無限で列挙可能な集合に限定する場合もあります。関連する概念には、「denumerable」(可算無限の別名)、「可算無限」、「非可算」があります。計算可能性理論では、要素をアルゴリズムによって列挙できるとき、その集合は計算可能列挙可能(再帰的列挙可能)と呼ばれます。これは、純粋に集合論的な可算性よりも強い、効果性を重視した概念です。カントールとこれらの概念の起源については、ゲオルク・カントールおよび集合論の発展に関する議論を参照してください。