概要

りゅう座は北天に広がる星座で、ラテン語名は「龍」を意味する。いくつかのよく知られた北天の星座の間を縫うように延び、北半球の中緯度から高緯度にいる多くの観測者にとっては、地平線の下へ沈まない。りゅう座は空の中でも大きな星座の一つで、長く曲がりくねった星の並びで容易に見分けられる。

見かけの形と主な恒星

りゅう座の形は、蛇のような、あるいは巻きついた龍にたとえられる。明るい星々は、おおぐま座ケフェウス座の間を通る、長い折れ曲がりの列をつくる。伝統的な星名には、古代には北極星だった ツバン(Alpha Draconis)、しばしば最も明るい エルタニン(Gamma Draconis)、そして ラスタバン(Beta Draconis)が含まれる。これらの星と他の星々が、星図で用いられる龍の頭、胴体、尾を形づくっている。

深宇宙天体と衛星

メシエ天体は多くないが、りゅう座には注目すべき深宇宙天体や銀河系外天体がいくつかある。キャッツアイ星雲(NGC 6543)は、構造が魅力的でアマチュア望遠鏡に人気のある惑星状星雲である。この星座には、天の川銀河の暗い衛星である りゅう座矮小楕円銀河 も含まれ、さらに、大型機材を使う観測者の関心を引く銀河や球状星団の候補もいくつか存在する。

歴史・神話・文化的意義

りゅう座は、多くの神話に根をもつ。古代ギリシャの伝承では、この龍はしばしば、ヘスペリデスの園を守っていた多頭の龍 ラドン と結びつけられ、ヘラクレスに倒された存在として語られる。さらに古い文明でも、この特徴的なうねりの形は認識されていた。とりわけ ツバン(Alpha Draconis)は、数千年前に北極星の役割を担っており、古代天文学や建造物の方位合わせを扱う研究で言及されることがある。

りゅう座の観察

りゅう座は、年間を通して地平線の上に高くとどまる北緯地域からの観察に向いている。星座自体は四季を通じて見えるが、北半球では晩春から夏の夕方にとくに目立つ。アマチュア天文家は、その惑星状星雲、淡い銀河、りゅう座矮小銀河を観測対象にし、流星観測者は、10月に極大を迎え、この空域から放射して見えるドラコニド(ジャコビニ)流星群に注目する。

注目点

  • りゅう座は「龍」を意味し、古代の天文学者が記録した古典星座の一つである。
  • ツバン(Alpha Draconis)は古代の地球の北極星として働き、初期の天文上の方位合わせにも用いられた。
  • この星座には、キャッツアイ星雲(NGC 6543)と、天の川銀河の衛星であるりゅう座矮小楕円銀河が含まれる。
  • りゅう座は北半球の多くの観測者にとって周極星座であり、年中見える。