トウモロコシゾウムシ(Sitophilus zeamais):特徴・被害・防除法

トウモロコシゾウムシの特徴・被害と実践的な防除法を図解で解説。穀物や貯蔵作物の被害対策を分かりやすく紹介。

著者: Leandro Alegsa

トウモロコシゾウムシSitophilus zeamais)は、カミキリムシ科の甲虫の一種である。米国ではオオタバコゾウムシと呼ばれる。世界各地の熱帯地域や米国に生息する。トウモロコシの大害虫である。生育中の作物、収穫後の作物ともに加害する。小麦、ソルガム、オート麦、大麦、ライ麦、ソバエンドウ豆、綿実を襲う。トウモロコシゾウムシは、パスタ、アガサバ、様々な粗粉砕穀物などの穀物加工品も加害する。さらに、リンゴのような貯蔵中の果実も加害することが知られている。


補足と訂正

注:上記の元文中にあるカミキリムシ科という表記は誤りです。本種はゾウムシ科(Curculionidae)に属するゾウムシ類(いわゆる「象(ぞう)ムシ」)です。以下はトウモロコシゾウムシ(Sitophilus zeamais)について、特徴・生活史・被害・防除法を分かりやすくまとめたものです。

特徴(外見・識別点)

  • 大きさ:成虫はおおむね2.5~4 mm程度。
  • 形態:吻(口吻)が伸びた典型的なゾウムシ型。体は暗褐色から黒褐色で、個体により淡色の斑点が見られることがある。
  • 飛行能力:種によって差があるが、トウモロコシゾウムシは比較的飛翔能力があり、倉庫間や作物間を移動することができる。
  • 類似種:Sitophilus oryzae(コメゾウムシ)やSitophilus granarius(ミナミコメゾウムシ)と似るが、分布や飛行性、外見の微妙な違いで区別される。

生活史(発育サイクル)

  • 雌は穀粒の表面に穴を開けて1個ずつ卵を産み付け、産卵孔は唾液などでふさがれることが多い。
  • 卵は穀粒内で孵化し、幼虫は穀粒内部で内部食害(内食)を行うため、外側からは幼虫が見えない。
  • 幼齢期→蛹→成虫へと発育し、温度と湿度により世代時間は大きく変わる。一般に高温多湿(約25–35℃)では数週間、低温では数か月かかることがある。
  • 成虫は穀粒から穴を開けて出てくるため、穀粒表面に小さな出入口やフラス(粉状の排せつ物)が見られる。

分布と被害

  • 主に熱帯・亜熱帯地域に広く分布するが、貿易により世界各地の貯蔵穀物に発生している。
  • 被害は畑(生育中のトウモロコシ)と貯蔵中の穀物の両方で発生する。穀粒の中で幼虫が発育するため、見えにくい内部被害が特徴。
  • 被害徴候:穀粒の表面に小さな穴、粉(フラス)、重量減少、加熱やかびの発生、嗅覚で悪臭やカビ臭がすることもある。
  • 加工品(粉、パスタ等)や一部の果実にも被害が及ぶことがある。

防除の基本方針(総合的防除)

トウモロコシゾウムシは発見が遅れがちで増殖が早いため、複数の対策を組み合わせることが重要です。以下に具体的な方法を示します。

予防・管理(栽培・収穫段階)

  • 適期収穫:過熟や濡れた状態での放置を避ける。
  • 十分な乾燥:貯蔵前に穀物の含水率を下げる(目安:トウモロコシなら13%以下が一般的)。
  • 収穫・運搬時の穀粒損傷を減らす:損傷粒は害虫の侵入しやすい部位となる。
  • 周辺の雑草や貯蔵残渣を除去し、害虫の越冬・繁殖源を減らす。

貯蔵管理による対策(物理的・環境管理)

  • 清掃:貯蔵庫、サイロ、運搬機器、ふるいなどを定期的に清掃し、残渣を残さない。
  • 密閉保管:密閉容器やヘルメティック(密閉)袋(例:PICSバッグなど)を利用し、酸素を減らすことで増殖を抑制する。
  • 温度管理:低温(15℃以下)に保つことで繁殖を遅らせる。冷凍処理(-18℃で数日)で幼虫・成虫を死滅させられる場合がある。
  • 通風・空気冷却:貯蔵中の温度上昇や湿度上昇を防ぐ。
  • ふるい分け:小昆虫や破砕粒を除去して被害拡大を防ぐ。

物理的・環境的防除法

  • 温度処理:高温(短時間で50℃以上)または低温処理で駆除可能。ただし穀物や加工品の品質への影響を考慮。
  • 改変大気(MA)や窒素置換・CO₂利用:酸素濃度を低下させるか二酸化炭素濃度を上げることで窒息させ、幼虫・成虫を死滅させる。
  • フェロモントラップ:性フェロモンや集合フェロモンを用いたトラップで検知・捕獲が可能。初期検出や個体数把握に有効。

化学的防除(薬剤・燻蒸)

  • 表面処理薬剤:倉庫の内面や容器に登録薬剤で処理することで新規侵入を抑制する。ただし薬剤は用途・濃度・残留基準に従う。
  • 燻蒸(フォスフィン等):貯蔵穀物全体を処理する有効手段。薬剤抵抗性が報告されている地域もあり、適切な濃度・曝露時間・安全対策が必要。専門業者による実施を推奨。
  • 注意点:加工食品や人・家畜への影響、薬剤残留の問題があるため、必ず使用ラベルや法令、専門家の指示に従うこと。

生物的防除・新しい技術

  • 天敵利用:貯蔵害虫の寄生蜂や天敵(パラサイト昆虫)を利用した対策が研究されているが、実施には管理が必要。
  • 微生物剤:Beauveria属などの病原性糸状菌を用いた研究があるが、現場適用には条件がある。
  • 集約管理(IPM):フェロモントラップ、物理処理、衛生管理、必要時の薬剤使用を組み合わせた総合的対策が最も効果的。

点検・早期発見の実務的ポイント

  • 定期的にサンプリングしてふるい、内部被害や幼虫の有無を確認する。
  • 穀粒表面の小さな穴、粉(フラス)、不自然な温度上昇、かび臭などを日常点検する。
  • フェロモントラップや粘着トラップを設置して早期検出を行う。

実務上の注意事項

  • 燻蒸や化学防除は専門的知識と許可が必要な場合があるため、専門業者の利用や自治体・検疫機関の指導に従う。
  • 薬剤選択・使用法は必ずラベルに従い、食品安全(残留基準)を最優先にする。
  • 抵抗性が問題となる地域では、薬剤のローテーションや非薬剤的対策を強化する。

まとめ(実践チェックリスト)

  • 収穫後は早めに乾燥・清掃・密閉保管。
  • 定期的な点検(サンプリング、トラップ設置)で早期発見。
  • 被害確認時はまず物理・環境対策(温度管理、密閉)を行い、必要に応じて専門家と相談の上で薬剤・燻蒸を実施。
  • 日常的な衛生管理と在庫ローテーション(先入れ先出し)を徹底する。

参考:現場での対策は地域の気候や貯蔵形態によって最適解が異なります。不明な点や大規模な被害が発生した場合は、農業改良普及所、検疫機関、あるいは登録を受けた専門の防除業者に相談してください。

質問と回答

Q: トウモロコシゾウムシとは何ですか?


A: トウモロコシゾウムシは、オサムシ科の甲虫の一種です。

Q: アメリカでのトウモロコシゾウムシの別名は何ですか?


A: アメリカでは、トウモロコシゾウムシはオオタバコゾウムシとも呼ばれています。

Q: トウゾクゾウムシは世界のどの地域に生息しているのですか?


A:アメリカだけでなく、世界中の熱帯地域に生息しています。

Q: トウゾクゾウムシはどのような作物に発生する害虫ですか?


A: トウモロコシの主要害虫です。

Q: トウモロコシゾウムシは他にどんな作物を加害しますか?


A: トウモロコシゾウムシは、小麦、米、ソルガム、オート麦、大麦、ライ麦、ソバ、エンドウ、綿実を加害します。

Q: トウモロコシゾウムシは、どのような穀物加工品も加害するのですか?


A: トウモロコシゾウムシは、パスタ、キャッサバ、各種粗粉砕穀物などの穀物加工品も加害します。

Q: トウモロコシゾウムシは、保管中の果実を加害することが知られていますか?


A:はい、リンゴなどの果実を加害することが知られています。


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