ナシ亜科(Maloideae)—バラ科の伝統的なナシ状果群
ナシ亜科(Maloideae)は、リンゴやナシのようなナシ状果をつけるバラ科の低木・小高木に用いられた歴史的な亜科名である。現代の分類では、より広義のサクラ亜科に置かれるMaleae連として扱われる。
概要
ナシ亜科(Maloideae)は、バラ科(Rosaceae)に属する低木および小高木の一群に対して植物学者が伝統的に用いてきた名称である。この集団の植物は、リンゴやナシを実らせる植物として一般によく知られ、果実生産用と観賞用の両方で多くが栽培されている。Maloideaeという名称はラテン語形であり、歴史的にはバラ科内の独立した亜科を示していた。
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1 画像特徴
ナシ亜科に置かれた植物は、通常は木本で、単葉と、花托筒(花の杯状の部分)をもつ目立つ花をつける。この群を慣用的にまとめる決定的な特徴はナシ状果である。ナシ状果は副果の一種で、果肉の大部分は、合着した心皮からなる中心部の芯を取り囲むように発達した花の組織に由来する。古典的な植物学的記載では、この果実型に加え、核果や蒴果をつくる近縁群とナシ状果植物を区別する一定の花や栄養器官の形質が重視された。
分類と歴史的展開
歴史的には、植物学者はナシ状果をつくる属をナシ亜科に分けた。一部の研究者はこれをPyroideaeとも呼んだ。20世紀後半以降、分子系統学的研究により、ナシ状果をつける植物群がバラ科のより広い系統群の内部に位置することが示された。このため現代の多くの分類体系では、かつてのナシ亜科を、しばしばサクラ亜科(Amygdaloideae)と呼ばれるより広い亜科内のMaleae連として扱う。こうした変更により、Maloideaeという名称は現在の科学文献では以前ほど一般的に用いられない。
利用と重要性
この群の構成員は、経済的にも文化的にも大きな重要性をもつ。リンゴ属(Malus)のリンゴ、ナシ属(Pyrus)のナシ、マルメロ属(Cydonia)のマルメロなどの温帯果樹が代表例であるが、この系統には造園や園芸に使われる多くの観賞用の属・種も含まれる。ナシ状果をつける樹木は、世界各地の果樹育種、台木の開発、温帯の果樹園システムにおいて中心的な位置を占める。
区別に関する注記と名称
分類体系の変遷により、同じ植物群に対して複数の名称が見られる。すなわち、伝統的な亜科名のMaloideae、古い文献で用いられる別名のPyroideae、そして現代の連名であるMaleaeである。歴史的にこれらの植物を他のバラ科群から分けた主な植物学的特徴はナシ状果であったが、分子学的証拠は、果実型だけではバラ科内の単系統の亜科を定義できないことを示している。
例と資料
- バラ科とその分類群の概要
- バラ科の構造の概説
- ナシ状果の植物学的記載
- バラ科の分類に関する注記
- ナシ状果系統に属する低木
- ナシ状果植物として一般に分類される小高木
- リンゴ属(Malus):栽培と利用
- ナシ属(Pyrus):特徴と歴史
- バラ科の分類に影響を与えた現代の分子研究
関連項目
著者
AlegsaOnline.com ナシ亜科(Maloideae)—バラ科の伝統的なナシ状果群 Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/61061