メティス族(英語では「may-TEE」、フランス語では「may-TEES」と発音)は、ボワ・ブルル、混血、カントリーボーン(アングロ・メティス)としても知られており、カナダ政府によると、カナダのアボリジニの3つの部門の一つです。彼らの伝統的な故郷はカナダの各地、特に ブリティッシュコロンビア州、アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州、オンタリオ州、ケベック州、ニューブランズウィック州、ノバスコシア州、ノースウェスト準州に広がっています。メティスのコミュニティは国境を越え、アメリカ北部の一部(とくにモンタナ、ノースダコタ、ミネソタ北西部)にも歴史的に存在します。
起源と歴史
メティス民族は、主に先住民側(たとえばウッドランドクリー族、オジブウェイ族、ソールトー族、ミークマ ク族、メノミニー族(ネイティブアメリカン)など)とヨーロッパ人入植者(主にフランス系やスコットランド系など)の結婚や交わりから生まれた人々の子孫です。西部のメティス文化は18世紀、東部では17世紀ごろから形成され、毛皮交易を中心とする暮らしの中で独自の共同体と文化を築き上げました。
言語
歴史的には、多くのメティスはミチフと呼ばれる混合言語を話していました。ミチフ(Michif)は主にフランス語系の名詞句とクリー語(あるいはオジブウェイ語)由来の動詞句が混在する非常に独特な構造を持つ言語で、メティスの文化融合を反映しています。ミチフはメティス人のコミュニケーションやアイデンティティの重要な一部でしたが、同時に植民地主義や教育制度の影響で使用者が減少しました。今日のメティスの多くは英語を主に話し、フランス語を第二言語として話す人も多く、地域によっては先住民語の継承者も存在します。近年は地方のメティス協議会や文化団体による復興運動により、ミチフ語の教育・保存活動が進められています。
文化と生活様式
メティス文化は先住民とヨーロッパの要素が融合したもので、伝統工芸や音楽、衣装、食文化にその特徴が現れます。代表的な文化財にはメティスのサッシュ(ceinture fléchée)、ビーズワーク、レッドリバー・カート(Red River cart)やフィドル音楽、ジャグダンス(ジグ)の伝統などがあります。こうした文化表現はコミュニティの誇りであり、現在も祝祭や儀礼で受け継がれています。
分布と人口
カナダ国内には数十万の人々がメティスであると自己申告していますが、地域や世代によってアイデンティティの感じ方は多様です。歴史的に重要な拠点としては、マニトバ州のレッドリバー盆地などがあり、サスカチュワン州、アルバータ州の各地域にも大きなメティス共同体があります。アルバータには法的に認められたメティス居留地(Métis settlements)が存在し、独自の自治体的な位置づけを有しています。
法的地位と現代の政治
カナダ憲法では、先住民族は「インディアン(First Nations)、イヌイット、メティス」の三部門として認められています。2003年の最高裁判所判決(R v. Powley)は、メティスの伝統的生存活動に関する権利を認める重要な判例であり、「誰がメティスか」を判断するための基準(先祖、自己申告、コミュニティによる受容)についての指針も示しました。現代では Métis National Council や各州のメティス団体が、土地・資源・文化復興・教育などの課題に取り組んでいますが、地域ごとに認識や権利の扱いに差があり、法的・政治的な交渉は継続中です。
現状と課題
多くのメティスコミュニティは文化の保存、言語復興、教育機会の拡充、経済的自立の達成、そして歴史的不正義への対処を課題としています。同時に、若い世代を中心にアイデンティティの回復や文化伝承への関心が高まっており、地域団体や学術機関、政府・非政府組織が協力して支援活動を行っています。
Métis という言葉はフランス語で使われ、スペイン語の mestizo に関連しています。どちらの語もラテン語のmixtus(混血)に由来します。カナダおよび米国に暮らす多くの人々の中には、その祖先にメティスのルーツを持つ場合があり、メティスの歴史と文化は北アメリカの歴史全体に深く関わっています。