MTV Unplugged』は、カナダのミュージシャン、ブライアン・アダムスのアコースティック・ライヴ・アルバムである。アルバムの本録音は1997年9月にニューヨークのハマースタイン・ボールルーム(Hammerstein Ballroom)で行われ、ステージは通常のバンド編成を離れたアコースティックな演奏で構成された。アダムスはアイルランドの笛吹きDavy Spillaneを迎え、曲の多くにオーケストレーションを書き、ジュリアード音楽院の学生を連れてきて演奏したMichael Kamenと共に参加しています。演奏にはアコースティック・ギターやピアノ、弦や管楽器を含む編成が用いられ、原曲とは趣の異なる、より親密でダイナミックなアレンジが特徴となっている。

録音の特徴と演奏

本作はエレクトリック楽器を控えた「アンプラグド」形式のため、アダムスの生声や歌詞の表現が前面に出る。Davy Spillaneの低音域の笛・ホイッスルや、Michael Kamenが手がけたオーケストレーションが楽曲に豊かな色彩を与え、ジュリアードの学生たちによる弦楽アンサンブルが曲ごとに繊細な奥行きを作り出している。観客との距離感が近く、演奏の細部やアーティスト同士のやりとりが伝わるのが本公演の魅力である。

収録曲とフォーマットの違い

このアルバムには、ライヴで録音された曲のうち13曲しか収録されていない。MTV Unpluggedの映像を収めたDVDにはさらに多くの曲やフルセットのパフォーマンスが収められており、曲順もCDとは異なる。したがって、当該公演の全容を楽しみたい場合はDVD版や一部の拡張盤を合わせて聴くことをおすすめする。CDはスタジオ盤に近い編集が施され、選曲と収録順により作品としてのまとまりを意識した構成になっていることが多い。

評価と意義

本作は、ヒット曲をあえてアコースティックで再構築することにより、ブライアン・アダムスのソングライティングと表現力をあらためて明らかにした作品として評価されている。原曲のロック色を抑えたことで歌詞やメロディの魅力が際立ち、ライブ・パフォーマンスとしての説得力を高めたと評されることが多い。特に生演奏の即興的なやりとりやオーケストラとの融合は、同シリーズの中でも印象的な回の一つとみなされている。

コレクター向け情報

CD版とDVD版で収録内容や曲順が異なるため、コレクターやファンは両方を揃えることで異なる体験を得られる。DVDには映像ならではの臨場感や舞台裏的な演出、追加映像やインタビューが含まれる場合があるので、映像作品としての価値も高い。

総じて、本作はアコースティック編成ならではの繊細さと、Michael Kamenによるオーケストレーション、そしてゲスト奏者の貢献により、ブライアン・アダムスのレパートリーを別の角度から楽しめる一作となっている。