ムリキ(ブラキテルス属)とは|特徴・生態・分布・絶滅危惧の現状(北・南ムリキ)
ムリキ(ブラキテルス属)の特徴・生態・分布、北・南ムリキの絶滅危惧の現状を解説。生息地・保全課題や観察ポイントを写真とデータで紹介。
ムリキ(ウーリー・スパイダー・モンキー)は、ブラキテルス(Brachyteles)属に分類される大型の新世界ザルです。現在は、B. arachnoides(南ムリキ)とB. hypoxanthus(北ムリキ)の2種が知られており、「muriqui」という名は先住民トゥピ族の言葉で「大きなサル」を意味するとされています。体毛はふわふわとした柔らかい毛で覆われ、全体にクモザル類を思わせる長い四肢と長い尾をもちます(尾は支持やバランスに使われます)。
特徴
成獣の体長は約38〜58cm(15〜23インチ)、体重はおよそ4.5〜9kg(10〜20ポンド)程度で、種による差や個体差があります。毛色は茶色〜黒に近い色合いの個体が多いですが、北ムリキはやや淡い色合いを示すことがあります。尾の先端付近には毛が薄くなる部分がみられ、親指(拇指)は退化傾向にあります。性差は大きくなく、外見上の顕著な性的二形は少ないです。
生態・行動
ムリキは主に樹上生活(完全な樹上棲)を送り、高い樹冠層を移動して採食します。長い四肢や尾を使った懸垂的な移動が得意で、一般的に静かで穏やかな性格を持つことが知られています。群れの規模は数頭から最大で40頭以上に達することがあり、群れ内の社会構造は比較的寛容で、縄張り争いを強く行わない点が特徴です。
繁殖は遅いライフヒストリーを示し、妊娠期間はおよそ7〜8か月、通常は1回に1頭を出産します。子は長期間母親に依存して成長し、そのため成熟に時間がかかります(性成熟まで数年を要する)。
食性
ムリキは主に葉を多く食べる葉食性(フォリヴォア)ですが、季節や地域によって食性は変化します。雨季など資源が豊富な時期には、果実、花、樹皮、竹、シダ、蜜、花粉、種子などを食べることもあります。典型的には高い木の葉や新芽を主食とし、繁殖や子育ての時期には栄養価の高い資源を優先的に利用します。群れでの採食は協調的で、個体間での食物の共有や平和的な資源利用が観察されています。
分布・生息環境
ムリキ属は南米のブラジル南東部に広がる大西洋岸森林(アトランティックフォレスト)に分布しています。分布域は種ごとに異なり、北ムリキ(B. hypoxanthus)は分布域が特に狭く局在的、一方で南ムリキ(B. arachnoides)はやや広い範囲に点在していますが、いずれも森林破壊や断片化の影響を強く受けています。ムリキは高度や森林の構造に敏感で、連続した成熟した森林や高木層が残る場所を好みます。
絶滅危惧の現状と脅威
ムリキ属は保全上非常に重要なグループで、特に北ムリキは国際自然保護連合(IUCN)などで深刻な評価を受けています。主要な脅威は次の通りです。
- 森林伐採と生息地の断片化:大西洋岸森林の大規模な減少により、適地が分断され個体群が孤立している。
- 農地開発や都市化:生息地の置換と破壊が継続している。
- 遺伝的問題と個体群サイズの縮小:小さな孤立群では遺伝的多様性の低下や近親交配のリスクが高まる。
- 狩猟・人間活動:地域によっては狩猟や人為的な攪乱が観察される。
- 病気や道路・インフラの影響:分断による移動の障害や病原体の侵入も懸念される。
保全の取り組みと展望
ムリキの保全には、生息地の保護と回復(保護区の設置、森林回復や生態学的回廊の構築)、個体群モニタリング、地域社会との協働による乱獲防止や環境教育が重要です。また、科学的研究による生態や行動の理解は保全計画の基盤となります。近年は保護区での個体群管理や再導入、遺伝的多様性を保つための取り組みも進められていますが、依然として人的圧力と生息地喪失を抑えることが最優先課題です。
種間の違い(北ムリキと南ムリキ)
北ムリキ(B. hypoxanthus)は個体数が特に少なく、分布範囲も狭いため保全上の懸念が強い種です。南ムリキ(B. arachnoides)は相対的に広い範囲に点在しますが、やはり断片化や生息地喪失の影響を受けています。外見や毛色、生息地細部には違いがあり、それぞれの生態的ニッチに適応していますが、両種とも大西洋森林の保全と回復が将来の存続に不可欠です。
ムリキはその穏やかな社会行動や高い樹上適応性から研究対象としても重要であり、保全活動は地域生物多様性の維持にも寄与します。人間活動による圧力を軽減し、持続可能な森林管理と地域社会の協力を進めることが、ムリキの将来を左右します。
質問と回答
Q:ムリキとは何ですか?
A:ムリキとは、新世界のサルの一種で、ウーパールーパーとも呼ばれ、ミナミムリキとノーザンムリキの2種で構成されています。
Q: 「ムリキー」という名前にはどんな意味があるのですか?
A: 「ムリキ」という名前は、先住民のトゥピ族の言葉で「最大のサル」という意味に由来しています。
Q:世界で最も絶滅の危機に瀕しているサルの1種はどのムリキですか?
A:ノーザンムリキは、世界で最も絶滅の危機に瀕しているサルの1つです。
Q: ムリキーはどこに生息していますか?
A:ブラジルの一部の森林にのみ生息しています。
Q: ムリキーの大人の体長と体重はどのくらいですか?
A: 大人のムリキーの体長は15-23インチ(38-58cm)、体重は10-20ポンド(4.5-9キロ)です。
Q: ムリキーは何を食べるのですか?
A: 主に葉を食べますが、雨季には果実や花、樹皮、竹、シダ、花蜜、花粉、種子も食べます。
Q: ムリキーは縄張り争いをするのですか?
A: いいえ、ムリキーは縄張り争いをしません。
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