Opus、省略して Op.op. と表記されるものは、ラテン語で「作品」を意味する語を由来とし、楽曲や作品に付けられる番号(作品番号)です。作品タイトルの後に続けて表記され、通常は数字が続きます。たとえば、作曲家が最初に出版した作品にはしばしば "Op. 1" が付けられ、次の出版物には "Op. 2"、という形で番号が振られます。最初の例として、作品タイトルの後に付けられたOpusまたは短縮形のop.は、「作品」を意味します。これには数字が続きます。作曲家が最初の曲を書くときには、"opus 1"という言葉が続きます。次の曲は「opus 2」などと呼ばれます。

オーパス番号の役割と限界

オーパス番号は、特定の作曲家の作品の識別や出版順の目安として便利ですが、必ずしも作曲された正確な年代順を示すわけではありません。18世紀末頃までは、オーパス番号は出版された作品にのみ付与されるのが一般的でした。そのため、出版が遅れた作品や未出版の作品はオーパス番号がなく、結果として番号と作曲年が一致しない場合があります。作曲家によっては自ら番号を振った例もありますが、多くは出版社や後年の編集者が付与したものです。18世紀末頃までは、オーパスナンバーは発表された音楽作品にしか与えられていませんでした。

具体例:ベートーヴェンとオーパス

たとえば、ベートーヴェンはたくさんのピアノソナタを書きました。変イ長調のピアノ・ソナタには Op.26(ピアノ・ソナタ第12番)や、後年に書かれた Op.110(ピアノ・ソナタ第31番)などがあり、これらの番号の差によって作曲や出版の時期の違いをある程度知ることができます。ただし、オーパス番号だけで「いつ書かれたか」を確定できないことに注意が必要です。ベートーヴェンの例では、初期の作品群は Op.2 などにまとめられている一方で、後年の大作はより大きな番号が与えられています。

表記の仕方とバリエーション

  • 単独の作品:「Op.26」「op.26」などと番号を付ける。
  • 組曲や連作:一つのOp.に複数の作品が含まれることがあり、「Op.10, No.1」のように区別されます(例:ショパンの練習曲 Op.10 は複数曲の集合)。
  • 未刊・遺稿:出版が遅れた作品には「Op. posth.(posthumous、死後出版)」と付けられる場合があります。
  • 番号がない作品:作曲家や出版社が番号を付けなかった作品は、後年に学者が分類するときに別の体系名で整理されることがあります(下の「カタログ番号」を参照)。

ケッヘル等のカタログ番号(オーパス番号がない場合)

ある作曲家の全作品を体系的に整理するため、音楽学者が独自のカタログ(作品目録)を作成し、通し番号を付けることがあります。代表的な例:

  • モーツァルト:ケッヘル(K., Köchel)による番号。ケッヘルはモーツァルトの作品目録を作成し、各作品に K 番号を付けました。ケッヘル番号は K1 から数百まであり、モーツァルトの作品を区別する際によく使われます(例:交響曲ト短調 K.183 と K.550 は別の作品であることが分かります)。モーツァルトの音楽にはオペス番号はありません。長いオペラもあれば、ある日急ぎで書いたかもしれないピアノのための小さな小品もあります。ケッヘルという人がモーツァルトの作品のリストを作り、それらにK番号をつけました(KはケッヘルのK)。彼のナンバリングは622番まであります。これは例えば、彼の交響曲ト短調K183と彼の交響曲ト短調K550の違いを見分けるのに便利です。
  • Bach:BWV(Bach-Werke-Verzeichnis)— バッハ作品目録。
  • Schubert:D.(Deutsch、ドイツによるカタログ)。
  • Haydn:Hob.(Hoboken)— ハイドンの作品目録。
  • Liszt:S.(Searle)— リストの作品目録。

これらのカタログ番号は、作曲年代や作品の版を示すのに非常に役立ちます。特にオーパス番号が存在しない、あるいは重複・混乱がある場合に標準的な参照となります。

付記とよくある表現

  • WoO:ドイツ語の「Werke ohne Opuszahl」(作品番号なし)の略で、ベートーヴェンなどに対して使われることがあります。オーパス番号が与えられていない作品を分類するときに用いられます。
  • 複数形:英語での opus の複数形は通常 "opuses" と言います。ラテン語形の複数「opera」は既に別の意味(=オペラ)で使われているため、混乱を避けるために英語話者は "opuses" を好むことが多いです。
  • magnum opus(マグナム・オプス):作家や作曲家の「最高傑作」を意味する表現です。

実務的な読み方(コンサートや楽譜を読む時のヒント)

  • 演奏会のプログラムやCDの解説で「Op.」やカタログ番号が示されているときは、それを手掛かりに版や演奏歴を調べられます。
  • 同じ調(例:変イ長調、ト短調)でも番号が大きく異なれば作曲年代や作風が変わっていることが多いので、曲の位置づけを理解する助けになります。
  • 学術的に正確な成立年を知りたいときは、オーパス番号だけでなくカタログ番号(K.、BWV、D. 等)や専門の作品目録を参照してください。

最後に、日常的には「このオーパスはショパンによって作曲された」「彼のマグナムオプス」などと表現されることがあり、一般的な「作品」を指す言葉としても使われます。opus」という言葉は、芸術家の「作品」を指すこともあります。(例えば"このオペスはショパンによって作曲された」とか「このオペスはベートーヴェンが作曲した最後のピアノ・ソナタである」とか。)