ウチワサボテン(Opuntia)とは — 種類・分布・生態と駆除の歴史

ウチワサボテン(Opuntia)の種類・分布・生態を解説し、オーストラリアでの侵略と生物的駆除の歴史、識別と対策の実例まで詳述。

著者: Leandro Alegsa

チクチクナシとは、Opuntia:サボテン科サボテン属属名です。オパンティアには約190種類の種があるとされ、形や生育様式の異なる多様なグループを含みます。和名では一般に「ウチワサボテン」「ノパル(nopal)」や英名の「prickly pear(プライクリー・ペア)」、果実を指して「山椒梨(サンショウナシ)」と呼ばれることもあります。

由来と歴史的記述

属名の由来は古代ギリシャの地名にちなんでおり、オプス(Opus)という都市名から採られたとされます。古代ギリシャの博物学者たちの記述にも類似の植物が登場し、テオフラストゥスによれば、葉(枝板)を土に挿して根付かせ、増やすことができる食用植物として栽培されていたと伝えられます。

形態と生態

  • 茎は扁平な板状(枝板/cladode、いわゆる「葉」のように見える部分)を形成し、これが光合成を行います。
  • 刺(spines)と微小な刺毛(glochids)を持つ種類が多く、これらは外敵から身を守る役割を果たします。glochidsは肌に刺さりやすく痛みや炎症を起こすため取り扱いに注意が必要です。
  • 花は多彩な色で、開花後に甘酸っぱい果実(tuna、和名ではイチジク状の果実やサボテン果)をつけます。果実や若い枝板は食用とされ、特にメキシコ料理では「ノパレス」として広く利用されます。
  • 乾燥や高温に強く、乾燥地や岩場、土壌の痩せた場所でも生育できる適応性が高い植物群です。

分布と人間との関わり

Opuntia属は主に新世界(北米〜南米)に原産ですが、人為的に世界各地へ移入されました。観賞用、食用、家畜の飼料、また生け垣や防護フェンスとして利用されたことが移入の主な理由です。果実の利用だけでなく、染料のコチニール(Dactylopius属の昆虫から得られる赤色染料)や、現代では果実ジュースやジャム、伝統医療・工芸品など多様な用途があります。

侵入種としての影響と駆除の歴史(オーストラリアの事例)

代表的な問題事例として、18世紀に庭園用途で導入されたOpuntia strictaなどのウチワサボテン類が、オーストラリアで野生化・蔓延し深刻な被害を与えたことが挙げられます。これらはしばしば生け垣として植えられた後に広範囲で自然繁殖し、やがて放牧地や耕作地を覆ってしまいました。場所によっては高さが20フィート(約6.1メートル)に達する密生群落を形成し、最盛期には約101,000平方マイル(約260,000 km2)に及ぶ農地を不可侵の緑のジャングルに変えてしまったと報告されています。

1919年、オーストラリア連邦政府は州政府と協力してこの問題に対処するため、コモンウェルス・プリックリー・ペア委員会(Commonwealth Prickly Pear Board)を設置しました。初期の機械的除去や化学薬品による対策はコストや効果の面で限界があり、最終手段としての生物学的な制御が検討されました。

1925年に導入された南米原産の昆虫(幼虫が標的のサボテンを食害する)であるCactoblastis cactorum)は、ウチワサボテンの大発生を劇的に抑制し、大成功を収めました。この成績は生物的防除の古典的成功例として知られ、現地の対策史を象徴するものとなっています。成果を記念して、チンチラ(クイーンズランド州)に記念館が建てられています。生物防除の効果と同時に、他地域への影響や非標的種へのリスクを常に評価する重要性も再認識されました(この蛾自体が別の地域では在来ウチワサボテン種に脅威となる例も報告されています)。

また、歴史的にはサボテンに寄生するカイガラムシ類(コチニール、Dactylopius属)を利用した駆除や、耕作・焼却・除草剤(系統に応じた化学処理)による対策が組み合わされて用いられてきました。今日では防除は現地の生態系、経済性、社会的要因を考慮して、複合的な管理策(物理的除去+化学防除+生物防除+管理的手法)で行われます。

現代の課題と保全

ウチワサボテンは一方で園芸・食文化・産業的利用(果実、飼料、染料、観賞)に重要な役割を果たしますが、他方で外来種として在来植生や農業に深刻な被害を与え得ます。そのため各地で導入や移植の管理、早期発見・迅速な対応(監視、除去、隔離)が求められます。さらに、生物防除を適用する際は、導入先の生態系に対する長期的影響を慎重に評価することが不可欠です。

主なポイントまとめ

  • Opuntia属(ウチワサボテン)は約190種を含むサボテンの属で、板状の茎や刺を持つのが特徴。
  • 果実や若茎は食用になり、染料(コチニール)など人間活動と深く結びつく。
  • 乾燥地に強く、世界各地で移入・定着し、場合によっては侵略的外来種となる。
  • オーストラリアでの大発生はCactoblastis cactorumによる生物防除で制圧された例が有名だが、移入管理と非標的影響の評価が重要。

ウチワサボテンは利用価値と問題性の両面を持つ植物群であり、地域ごとの生態系や社会経済的事情を踏まえた適切な管理と利活用が求められます。

質問と回答

Q:ウチワサボテンの属名は何ですか?


A:ウチワサボテン属はOpuntiaです。

Q:属名の由来は?


A: 属名は古代ギリシャの都市Opusにちなんでつけられました。

Q:山椒の実がオーストラリアに輸入されたのはいつ頃ですか?


A:山椒はもともと18世紀にオーストラリアに輸入されたもので、庭園用でした。

Q: どうして侵略的な雑草として広まったのですか?


A: オーストラリアでは、農地が101,000平方マイル(260,000km2)の高さ20フィート(6.1m)にもなる山椒の木のジャングルと化し、瞬く間に侵略的な雑草と化しました。

Q: この雑草を根絶するために、州政府との連携を図るために設立されたものは何ですか?


A:1919年、オーストラリア連邦政府は、この雑草を根絶するために州政府との調整を図るため、連邦山椒の木委員会を設立しました。

Q:機械的除去や毒薬が効かない場合、どのような方法があったのですか?


A:機械的除去や毒薬が効かない場合は、生物的防除が試みられました。

Q: オーストラリアのウチワサボテンの生息数を減らすために、南米から持ち込まれた生物は何ですか?


A: 1925年に南米から導入されたCactoblastis cactorumという蛾が、オーストラリアのウチワサボテンの個体数を急速に減少させました。


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