第四紀とは|約260万年前〜現在:氷期・人類進化・大型哺乳類絶滅を解説

第四紀とは、現在の地質学的な時代のことです。第四紀は現在進行中の地質時代であり、新生代3つの時代のうち最も新しい時代にあたります。第四紀は、新生代の2番目の時代である新第三紀の後に続きます。

第四紀は約260万年前(約2.58百万年前)に始まり、現在も続いています。地質学者は時代区分を定める際、堆積層、化石、酸素同位体比などさまざまな証拠を総合して判断します。国際層序学委員会(ICS)では、第四紀が一つの時代として位置づけられていることが確認されています。第四紀の開始時期についてはかつて議論がありましたが、近年の国際合意により約2.58百万年前が基準とされています。

第四紀の期間中、気候は大きく変動しました。第四紀の間には、氷河期と呼ばれる氷河の拡大と後退が繰り返され、地球の気候は氷期(グレーシャル)と間氷期(インタグレーシャル)を交互に経験しました。これらのリズムは地球軌道の変化(ミランコビッチ・サイクル)などによって引き起こされると考えられています。

また、この時期には解剖学的に現代人が進化し進化したことが重要です。ホモ属は第四紀に多様化し、ホモ・サピエンス(現生人類)は約30万年前頃にアフリカで出現

第四紀には、多くの大型哺乳類が絶滅しました。マンモス、ケナガマンモスやメガロドンとは別にサーベルタイガー、大型草食性の地上ナマケモノや巨大な有蹄類などが含まれます。これらの絶滅は単一の要因によるものではなく、気候変動による生息環境の大規模な変化と、人類の拡大に伴う狩猟や生息地の破壊(狩猟や火の利用など)など複合的な要因が関係していると考えられています。

第四紀には、2つの地質学的エポックがあります。

第四紀のエポック(時代区分)

  • 更新世(Pleistocene、約260万年前〜約1.17万年前):繰り返す氷期と間氷期が特徴で、大型哺乳類の多くが繁栄し、その後絶滅した時期でもあります。人類の系統が多様化し、道具の発達や広い地域への拡散が進みました。
  • 完新世(Holocene、約1.17万年前〜現在):最後の氷期(最終氷期の終わり)以降の温暖で比較的安定した気候の時期です。農業、定住社会、文明の成立など人類の生活様式が大きく変わった時代にあたります。

その他の重要な点

  • 氷期と海面変動:氷床の増減は海面を大きく上下させ、沿岸地形や生態系、ヒトの移動経路に影響を与えました。例えば、氷期の海面低下によって陸橋が現れ、ヒトや動物の大陸間移動を可能にした例があります。
  • 人為的影響と「人新世(Anthropocene)」論争:近年、産業革命以降の人間活動が地球システムに与える影響の大きさから、第四紀(特に完新世)を区切って新たなエポック「人新世」を設けるべきかどうか議論されています。現時点ではICSによる正式な時代区分として採択されてはいませんが、環境変化や生物多様性への影響を考えるうえで重要な概念です。
  • 研究手法:第四紀の研究では氷床コア、海底堆積物、珊瑚や木の年輪(樹木年輪)、堆積層の堆積物学的解析、化石や遺伝子解析など多様な方法が用いられ、気候や生物の変化を高解像度で再現しています。

以上のように、第四紀は気候変動による地球環境の大規模な変化、人類の進化・拡散、大型哺乳類の絶滅などが集中して起きた時代です。現在進行中の時代であるため、過去の記録をもとに将来の気候・生態系の変化を考えるうえでも重要な研究対象となっています。

質問と回答

Q: 第四紀とは何ですか?


A: 第四紀とは、約260万年前から現在に至る地質時代のことです。

Q: 新第三紀とは何ですか?


A: 新第三紀は、第四紀に先立つ新生代の第二期です。

Q: 現在の新生代には、いくつの時代があるのですか?


A:現生代には12期あり、第四紀は最も新しいものです。

Q:第四紀の位置づけは誰が確認したのですか?


A: 国際層序委員会(ICS)が第四紀の位置づけを確認しています。

Q: 第四紀に起こった重要な出来事にはどのようなものがありますか?


A:第四紀には、氷河期と呼ばれる氷河があり、解剖学的に現代人が進化し、気候変動や人間による狩猟によって、多くの大型哺乳類が絶滅しました。

Q: 第四紀に含まれる2つの地質学的エポックとは何ですか?


A: 第四紀には、更新世と完新世という2つの地質学的エポックが含まれます。

Q: 地質学者が時代のタイミングを議論するとき、どのような要素が考慮されるのでしょうか?


A:放射年代、指標となる化石、地質学的事象など、多くの情報が考慮されます。

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