文法では格は、名詞形容詞代名詞が文中で何をするかを変えます。これは、構文(単語の組み合わせ方)に依存する一連の形式です。格は屈折の一例であり、多くの場合、文法的な関係を示す接辞(他の単語に付加される単語の一部)である。大昔、古英語ではいくつかの格が使われていたが、現代英語では名詞に2つの格しか使われていない。p197

格とは(補足説明)

は、語(主に名詞や代名詞)が文の中で担う文法的役割(主語・目的語・所有者など)を表す仕組みです。これには主に二つの方法があります。

  • 屈折的(語形変化による)格:語尾変化や接辞で示す。ラテン語、ドイツ語、ロシア語などが代表例。
  • 語順・助詞・前置詞による格表現:語形は変わらないが、語順や前置詞、助詞で関係を示す。英語の多くの表現や日本語(助詞)が該当する。

主な格の種類と簡単な説明

  • 主格(Nominative):文の主語を示します。例(英語): "He runs."(He が主格)。日本語では助詞「が」に近い。
  • 対格 / 目的格(Accusative / Objective):直接目的語を示します。例(英語): "She sees him."(him が目的格)。日本語では助詞「を」に相当。
  • 与格(Dative):間接目的語、受益者や受領者を示します。例: "I gave him a book."(him が与格的役割)。日本語では「に」がよく使われる。
  • 属格 / 所有格(Genitive / Possessive):所有や所属を示します。英語では名詞の's や of、代名詞の his/ her/ my など。日本語では助詞「の」。例: "the girl's book" / 「女の子の本」。
  • 具格(Instrumental):手段・道具を示します。英語では前置詞 with に当たる用法、ロシア語などでは専用の格変化があります。日本語では「で」。例: "I cut it with a knife." / 「ナイフで切った」。
  • 呼格(Vocative):呼びかけを示す格。英語では語順やイントネーションで示されることが多いが、古代ギリシャ語などには明確な呼格形がある。

英語・日本語・その他の言語における違い

  • 英語:名詞はほぼ屈折を失い、所有を示す "'s"(または of)だけが残っています。ただし代名詞は主格(I, he)と目的格(me, him)、所有格(my, his)などで残存しています。語順(SVO: 主語‑動詞‑目的語)が役割を示す手段として重要です。
  • 日本語:語形変化による格はなく、助詞(が、を、に、の、で など)で文中の役割を示します。語順は比較的自由ですが、助詞があるため意味が保たれます。
  • ドイツ語・ラテン語・ロシア語など:名詞や形容詞が格によって語尾変化し、主格・属格・与格・対格など複数の格形が明確に存在します。語順は比較的自由でも意味が通じやすい特徴があります。
  • エルガティブ言語:多くの言語は「主格‑属格」体系(nominative‑accusative)ですが、バスク語や一部のオーストロネシア語などにはエルガティブ‑アブソルティブ体系があり、主語/目的語の扱いが異なります(学習上の注意点)。

具体例(比較)

  • 英語:The dog chased the cat.(The dog = 主格、the cat = 対格)
  • 英語(代名詞):He saw him.(He = 主格、him = 対格)
  • 英語(所有):That's John's book. / John's = 属格(所有)
  • 日本語:太郎が花子を見た。→ 太郎(が=主格)、花子(を=対格)
  • 日本語(所有):花子の本 → 「の」が所有を示す(属格)

学習上のポイントとまとめ

  • 格は「誰が何をしたか」「誰のものか」「何で行ったか」など、文の関係を明確にするための仕組みです。
  • 言語によって表現方法が異なります。語尾変化で示すか(屈折)、助詞や前置詞・語順で示すかをまず理解しましょう。
  • 英語学習では代名詞の格(I / me / my など)と所有 's に注意、 日本語学習では主要な助詞(が/を/に/の/で)とその役割を押さえると文の構造が理解しやすくなります。