横隔膜(哺乳類の呼吸筋)
横隔膜は、哺乳類で胸腔と腹腔を隔てるドーム状の骨格筋であり、呼吸、姿勢、およびいくつかの生理的動作において中心的な役割を果たす。
概要
横隔膜は、哺乳類において胸腔の底部と腹腔の上部を形成する、幅広いドーム状の骨格筋と中心腱からなる膜である。しばしば呼吸の主働筋と簡潔に説明される横隔膜は、肋骨やほかの筋肉と協調して胸郭の容積を変化させ、肺への空気の出入りを生じさせる。
画像ギャラリー
8 画像解剖学的構造と部分
横隔膜は構造上、下位肋骨の内面、胸骨および腰椎から起こる筋束が、腱膜性の中心腱へ集まる構成をもつ。主な特徴は以下のとおりである。
- 中心腱:筋線維が付着する、強靭で収縮しない腱性の膜。
- 筋性部:胸骨部、肋骨部、腰椎部からなり、胸郭および脊柱に付着する。
- 裂孔:下大静脈、食道、大動脈のための開口部であり、血管と消化管の通過を可能にする。
機能と例
横隔膜が収縮すると平坦化し、胸腔容積が増加して胸腔内圧が低下するため、空気が肺へ引き込まれる。弛緩すると弾性反跳が起こり、呼気が可能となる。また、横隔膜は咳、嘔吐、排便時または出産時のいきみなど、腹腔内圧を高める動作にも関与するほか、物を持ち上げる際には体幹の安定化に寄与する。
神経支配、発生と進化
横隔膜は主として横隔神経の支配を受け、その運動線維は頸髄の分節に由来する(一般にC3~C5と要約される)。発生学的には、横中隔や胸腹膜などを含む複数の組織に由来して発達する。横隔膜の存在は哺乳類に特有の特徴であり、形状や大きさの変異は種ごとに異なる呼吸機構を反映している(哺乳類)。
臨床的重要性と区別
横隔神経の損傷や筋肉自体の損傷は、部分的または完全な横隔膜麻痺を引き起こし、換気を障害することがある。食道裂孔ヘルニア、外傷性破裂、横隔膜ヘルニアなどの先天性異常は、呼吸と消化に影響する重要な臨床上の問題である。横隔膜は呼吸に果たす役割と胸部・腹部臓器との位置関係のため、その解剖学的理解は麻酔、集中治療、外科手術において重要である。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com 横隔膜(哺乳類の呼吸筋) Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/27139