エリスは矮小惑星であり、海王星横断天体(TNO)に分類される天体です。発見後の観測で、太陽系で2番目に大きい矮小惑星であることが明らかになり、冥王星とほぼ同じ大きさ・質量を持つことから注目を集めました。エリスは散開円盤天体に属し(散開円盤)、冥王星より外側に位置する、いわゆるカイパーベルトに関連する領域(カイパーベルトに近い領域)にあります。2006年にはIAUが惑星の定義を改定し、エリスの発見は冥王星を含む「惑星」概念の見直しを促す一因となりました。

軌道と運動

エリスは太陽の周りを非常に離心率の高い軌道で回っており、楕円軌道は黄道面に対して約44°傾いています。具体的には、楕円の半長軸はおよそ67.7天文単位、近日点は約38天文単位、遠日点は約97天文単位に達し、公転周期は約558年です。軌道は44°の角度で傾いた楕円軌道であるため、太陽系の外縁領域を大きく往復します。

物理的性質

エリスの直径は冥王星に近い値で、観測によりおおむね約2,300 km前後と推定されています(観測法や仮定により多少の幅があります)。質量は冥王星をやや上回るとされ、密度の推定値から岩石と氷が混ざった内部構造を持つと考えられます。表面は氷に覆われており、メタンや窒素を含む氷が存在することが示唆され、高い反射率(アルベド)を持つため非常に明るく見えます。表面温度は遠距離にあるため極低温(数十ケルビン)です。

衛星 — ディズノミア

エリスには一つの衛星が確認されており、これはディズノミアという月が一つある。ディズノミアは2005年に発見され、エリスを周回する軌道の観測からエリス本体の質量が正確に決定されました。衛星の公転周期は約15.8日で、公転速度と距離の測定を通じて主天体の質量を直接求めることができます。

発見と名称

エリスは2003年に撮影され、2005年に発見が公表されました。小惑星番号は136199で、ギリシャ神話の不和を司る女神エリス(Eris)にちなんで命名されました。衛星ディズノミア(Dysnomia)も同じ神話に由来する名前が付けられています。

重要性

エリスの発見は、太陽系外縁天体の多様性と巨大化が進むことを示し、惑星の定義に関する議論を引き起こしました。現在ではエリスは冥王星と同様に「矮小惑星」に分類され、外縁天体の研究において重要な役割を果たしています。今後の観測で表面組成や内部構造、衛星との相互作用などがさらに詳しく明らかになることが期待されています。