アナボリックステロイド(AAS)とは:効果・副作用・ドーピング問題

アナボリックステロイドの効果・副作用・ドーピング問題を分かりやすく解説。健康リスクや禁止の理由、治療用途まで最新知見を網羅。

著者: Leandro Alegsa

アナボリックステロイド(英: anabolic–androgenic steroids、以下 AAS)は、ステロイドの一種であり、男性ホルモンであるアンドロゲンに属します。自然に体内で作られるテストステロンなどの天然アンドロゲンと、それを化学的に変化させた合成アンドロゲンが含まれ、いずれもテストステロンに似た作用を示します。AASは「アナボリック(同化)作用」と「アンドロゲン(男性化)作用」を併せ持ち、筋肉量や骨格筋のタンパク質合成を促進します。

作用機序と効果

AASは主に細胞内のアンドロゲン受容体に結合して核内で遺伝子発現を変化させ、タンパク質合成を高めます。結果として、同化作用が強まり、骨格筋を中心とした細胞内のタンパク質を増加させ、筋力や筋量が増加します。これが筋肥大や身体能力向上の主なメカニズムです。また、男性の第二次性徴の発現や維持(声変わり、体毛や顔毛の増加など)にも関与します。

歴史と医療用途

アンドロゲンは1930年代に合成され、医療現場では重度の体重減少や衰弱を伴う病態の治療、男性ホルモン欠乏(低テストステロン症)の補充に用いられてきました。たとえば、AASは栄養失調やがん、エイズ(HIV)に伴う消耗性疾患や衰弱の改善、貧血の補助療法などで処方されることがあります。また、思春期における性腺機能不全の補助治療としての利用例もあります(用途は薬剤や国によって異なります)。癌などの慢性的な衰弱状態を治療することも可能です。

副作用と健康リスク

長期または高用量のAAS使用は重大な健康被害を引き起こす可能性があります。主な副作用は以下のとおりです。

  • 心血管系:血中コレステロールの悪化(HDL低下・LDL増加)、高血圧、心筋肥大や心不全、血栓リスク増加など。
  • 肝臓:特に17-αアルキル化された経口AASは肝障害(肝酵素上昇、胆汁うっ滞、肝腫瘍や肝がんのリスク増加)を引き起こすことがある。
  • 内分泌・生殖系:男性では精巣萎縮、精子数減少、不妊、自然テストステロン産生の抑制。女性では無月経、声の低化、体毛増加、男性化(声変化、体格変化)など。
  • 皮膚・毛髪:にきびや脂性肌、脱毛(男性型脱毛)の促進。
  • 精神・行動:攻撃性の増加、気分変動、うつ症状、不安、依存性の形成や乱用。
  • 感染症リスク:注射器の使い回しなどによりHIVやB型・C型肝炎などの血行性感染症に罹る危険。

これら以外にも個人差や使用期間、用量、投与方法(経口/注射)により多様な合併症が現れる可能性があります。

スポーツとドーピング問題

スポーツ、レース、ボディビルなどでパフォーマンス向上を目的にAASを使用することは、その副作用に加え、公平性の観点から強く問題視されています。こうした使用は「ドーピング」と呼ばれ、国際的な大会やほとんどの競技団体で禁止されています。違反が発覚した場合は競技資格停止やメダル剥奪、罰金などの処分が科されます。AASは尿や血液検査で検出可能であり、さまざまな代謝物やマスク法に対する検査法も進化しています。

投与方法と検査

AASの投与は経口剤、注射剤(筋肉内注射)、外用ゲルや貼付剤など多様です。薬剤や投与経路により副作用の出方も異なります。競技のドーピング検査では尿検査が一般的で、特定の代謝物やテストステロン/エピテストステロン比の異常、異物ステロイドの存在などを検出します。医療用途で処方される場合は定期的な血液検査や肝機能検査、脂質プロファイルのモニタリングが推奨されます。

依存性と中止後の対処

AASは身体的・精神的な依存を生じることがあり、使用を中止すると疲労感、うつ、性欲低下、筋力低下などの離脱症状が現れることがあります。長期間の使用後は内因性のホルモン分泌が抑制されているため、医師管理の下で減薬やホルモン補助療法(必要に応じて)を行うことが重要です。

法的側面と安全対策

多くの国でAASは医師の処方が必要な規制薬物に指定されており、処方外での所持や販売は違法となる場合があります。使用や購入を検討する際は、必ず医師と相談し、正当な医療目的と適切な監視のもとで行うことが求められます。違法に入手した製品は成分が不明で劣悪な混入物を含むことがあり、重大な健康被害を招くリスクがあります。

まとめ

AASは筋肉増強や消耗性疾患の治療に有用な面がある一方で、心血管疾患、肝障害、内分泌障害、精神症状など多くの副作用を引き起こす可能性があります。スポーツにおける使用はドーピングとして禁止されており、医療用途でも適切な診断とモニタリングが不可欠です。疑問がある場合や使用を検討している場合は、まず医療専門家に相談してください。

質問と回答

Q:蛋白同化ステロイドとは何ですか?


A:蛋白同化ステロイド(anabolic-androgenic steroids)は、ステロイド性のアンドロゲンで、テストステロンなどの天然のアンドロゲンと、テストステロンに似た化学構造と効果を持つ合成アンドロゲンが含まれます。

Q: アナボリックステロイドは何をするのですか?


A:蛋白同化ステロイドは、主に骨格筋の細胞内の蛋白質を増加させ、男性の第二次性徴を発達・維持させ、顔や体の毛の成長を刺激します。

Q: 「アナボリック」という言葉はどこから来たのですか?


A: アナボリックという言葉は、ギリシャ語の「anabole」に由来し、「投げ出されるもの、塚」を意味します。

Q:アナボリックステロイドが初めて合成されたのはいつですか?


A:アナボリックステロイドが最初に合成されたのは1930年代です。

Q:蛋白同化ステロイドは、医療でどのように使用されていますか?


A:蛋白同化ステロイドは、筋肉の成長と食欲をもたらすために、またエイズや癌のような慢性消耗性疾患の治療に使用されています。

Q:蛋白同化薬の長期的な使用は、どのような健康被害をもたらすのでしょうか?A: 長期間の使用は、コレステロール値の変化、にきび、高血圧、肝臓障害などの健康被害を引き起こす可能性があります。

Q:なぜスポーツでの使用は議論の的になるのですか?A:スポーツにおけるアナボリックの使用は、他の競争相手に対してアスリートに不当な優位性を与える一方で、有害な副作用による潜在的な害を引き起こすため、論議を呼んでいます。


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