概要
ジャマイカ英語は、ジャマイカで用いられる英語の諸変種を指す。ジャマイカ・クレオール(しばしばジャマイカ・パトワと呼ばれる)と並んで存在し、そのクレオールとは、より標準的な形からバシレクト的な話し方まで連続体をなしている。クレオールそのものについてはジャマイカ・パトワを参照されたい。ジャマイカで話される英語には、イギリス英語やアメリカ英語の影響に加え、カリブ海地域の土着的な話し方のパターンも取り込まれている。
特徴
音韻、文法、語彙に、はっきりした特徴が見られる。音声面では、比較的非R音性の発音、クレオールのパターンに影響された母音の質、そして標準イギリス英語(Received Pronunciation)や一般米語とは異なる子音の実現が、よく見られる。文法面では、くだけた会話において時制・相の標示が簡略化されることがあり、習慣相や進行相の用法がクレオールの構造を思わせる場合がある。
典型的な語彙や慣用句は、地域の文化、食べ物、音楽、宗教を反映している。表現の一部は音楽やメディアを通じてより広い英語圏に広まる一方、教育や行政などのフォーマルな場面では、他の標準英語変種にかなり近い形が用いられる。
歴史と発展
ジャマイカ英語の発展は、ジャマイカの植民地期およびポストコロニアルの歴史を反映している。英語はイギリスの植民地化とともに持ち込まれ、その後、奴隷として連れてこられた西アフリカ系の人々の話し方や、のちの移住、グローバル・メディアの影響と結びついた。こうして、社会言語学的な連続体が形成された。すなわち、国際的な標準英語に最も近い「アクロレクト」、その中間にある「メソレクト」、そしてクレオールにより近い「バシレクト」である。
用法と社会的背景
話し手は、文脈に応じて文体を切り替えることが多い。フォーマルな場ではアクロレクトが好まれ、親密な場面や地域的な場面ではメソレクトまたはバシレクト的な形が好まれる。ジャマイカ英語は、教育、法律、メディア、ビジネスなどで用いられる一方、パトワは、音楽(レゲエやダンスホール)や語りなどの文化的表現を含む、くだけた領域で広く使われている。
例と注目点
- 一般的な綴りでの例文:Ku pon dis mudda, dis mon hab a crazy 'ead, truss mi. 標準英語にすると「この男を見てごらん、彼はとんでもなく変なふるまいをしている、信じてくれ」となる。
- ジャマイカ英語は、綴り、発音、語彙の点でイギリス英語とアメリカ英語の双方から影響を受けており、その度合いは教育やメディア接触によって変わる。
- 「ジャマイカ英語」という語は、より広い英語の方言群とも、国としてのジャマイカとも、異なるが関連のある概念である。
ジャマイカ英語を理解するには、それが歴史、アイデンティティ、そして継続する国際的接触によって形づくられた、動的で多言語的な言語レパートリーであると認識することが重要である。それは、地域に根ざした表現手段であると同時に、世界の英語圏における多様性にも寄与している。