MacBook Airとは?アップルの世界最薄ノートPC:特徴・歴史・進化まとめ
MacBook Airは、アップル社が開発したMacintosh用ノートパソコンの一種で、"世界最薄のノートブック"として広く知られています。2008年1月15日に開催されたMacworld Conference & Expoで発表され、AppleのMacBookシリーズの中では特に携帯性に優れるモデルとして位置づけられました。MacBook Airはアップルの精密なアルミニウム製ユニボディ筐体を採用した初期のノートであり、薄型・軽量を追求したデザインが特徴です。
特徴の概要
- 薄型・軽量:ウェッジ(くさび)形状や一体成型のアルミ筐体により、長年にわたり「薄さ」を強調する設計が続いています。
- ディスプレイ:初期は非Retinaディスプレイが中心でしたが、2018年モデルで高解像度のRetinaディスプレイを採用しました。画面サイズは11〜13インチを中心に展開され、近年は13〜15インチのモデルも登場しています。
- ストレージとメモリ:フラッシュ(SSD)ストレージが標準化され、高速な起動とレスポンスを実現。メモリやストレージは本体に直付け(ユーザー交換不可)で、購入時の構成選択が重要です。
- キーボードと入力:バックライト付きキーボードや指紋認証(指紋スキャナ / Touch ID)を搭載する世代があります。2018年モデルでは蝴蝶(バタフライ)式キーボードが採用され問題視されましたが、その後は耐久性を改善したシザー式の「Magic Keyboard」に戻っています(キーボード)。
- 接続性:世代によってMini DisplayPort、Thunderbolt、USB-C/Thunderbolt 3、MagSafe(復活)などポート構成が変化しています。近年は薄型化のためポート数が絞られ、ハブやアダプタの利用が一般的です。
- 電源・バッテリー:世代改良でバッテリー駆動時間は飛躍的に改善。軽作業で丸一日以上持つ設計を目指してきました(詳しくはバッテリーの節に準じます)。
- チップ(CPU):長年Intel製CPUを採用してきましたが、2020年にAppleシリコン(M1)へ移行し、その後M2世代が登場。Apple独自チップへの移行で性能と省電力性が大幅に向上しました。
歴史と進化の主な流れ
- 2008年(初代):Steve JobsがMacworldで発表。アルミユニボディと極薄筐体、13.3インチのモデルが登場。SSDオプションなど当時としては先進的な設計でした。
- 2008年〜2010年の改良:パフォーマンス強化、大容量ドライブ対応、外部モニタ用のMini DisplayPort追加など複数回のアップデートが行われました(ご提示の文章で触れられている通り)。
- 2010年(再設計):11.6インチモデルが追加され、より薄く・軽くなった新デザインが投入されました。
- 2011年〜2013年:Sandy BridgeやIvy Bridge、Haswell世代のCPUを順次採用。特にHaswell世代での省電力化によりバッテリー駆動時間が大幅に改善されました(2011年7月の改定も含む)。
- 2018年(Retina導入):10月にRetinaディスプレイ、Touch ID対応、バックライト付きキーボードを搭載した新型が登場。薄型化を維持しつつ画質・機能を大きく向上させました(この世代で一時的にバタフライ式キーボードが採用されました)。
- 2020年(Appleシリコン:M1):Appleが独自開発したM1チップを搭載したMacBook Airを発表。従来のIntelモデルと比べてCPU/GPU性能が大幅向上し、消費電力が低減。M1 Airはファンレス設計で静音性も高く、バッテリー駆動時間が飛躍的に延びました。
- 2022年(M2・デザイン刷新):M2チップ搭載モデルで本体デザインを一新。MagSafeの復活、より薄型で軽量な筐体、Liquid Retinaディスプレイの採用、1080pカメラ搭載などが特徴です。2023年には15インチのMacBook Air(M2搭載)もラインナップに加わりました。
実用上のポイント(購入前の注意点)
- メモリ・ストレージの増設不可:ほとんどの世代でRAMとSSDは基板に直付けされており、購入後の増設はできません。作業内容に応じて購入時に容量を決めてください。
- ポート数が限られる:近年の薄型化により搭載ポートは最小限です。外付けディスプレイや周辺機器と接続する場合はハブやドックが必要になることが多いです。
- 外部ディスプレイの対応:M1世代の一部モデルは公式に接続できる外部ディスプレイ数に制限があります(例:1台まで)。M2や以降のモデルは仕様が異なるので確認を。
- 用途に合わせた選択:文章作成やウェブ閲覧、動画視聴、軽めのクリエイティブ作業ならAirが最適。高度な動画編集や3Dレンダリングなど重い作業は上位のMacBook Proが向きます。
利点と欠点の整理
- 利点:高い携帯性、優れたバッテリー駆動、静音性(M1以降のファンレス構成)、高品質な筐体とディスプレイ(Retina世代)、Appleシリコンによる省電力と高速性。
- 欠点:拡張性の乏しさ(メモリ・SSDが交換不可)、ポートの少なさ、モデルによっては外部ディスプレイの接続上の制約、連続重負荷時の性能維持はMacBook Proに劣る場合がある。
どんな人に向くか
- 学生やビジネスパーソンなど、外出先での作業が多い人
- 長時間バッテリーで快適に作業したいユーザー
- 高い携帯性と十分な日常性能を求める一般ユーザー
まとめると、MacBook Airは「薄さ・軽さ・携帯性」を最優先に設計されたノートPCであり、世代ごとにディスプレイ品質やプロセッサ、接続性などが大きく進化してきました。特に2020年のAppleシリコン(M1)移行以降は、性能と省電力性が飛躍的に向上しており、日常用途〜軽度〜中程度の創作ワークフローにとって非常に魅力的な選択肢となっています。購入時は用途に応じてメモリ/ストレージやポート構成、外部ディスプレイ対応などを確認することをおすすめします。
デザイン
薄さを追求して作られたMacBook Airは、重さ3ポンド(1.4kg)で、Appleのユニボディ技術により一枚のアルミニウムを使って製造された最初のMacBookでした。このコンピュータには、光沢のあるLEDバックライトスクリーンとバックライト付きキーボードのほか、ピンチ、スワイプ、回転といったiPhoneのようなマルチタッチジェスチャーに反応する大きなトラックパッドが搭載されています。Mac OS X Snow Leopardのリリースに伴い、Airのマルチタッチトラックパッドは漢字の手書き認識にも対応しています。
右側面のハッチをめくると、MacBook Airに搭載されているポート(USBポート、Mini DisplayPort、ステレオイヤホンジャック)が表示されます。コンピュータの左側には、電源用のMagSafeアダプタがあり、画面の上にはiSightウェブカメラとマイクがあります。
MacBook Airは、フル装備の12インチPowerBook G4が2006年に販売停止となって以来、アップルが販売する初のコンパクトなノートパソコンです。また、オプションでソリッドステートストレージドライブを搭載したApple初のコンピュータでもあります。ArsTechnicaのテストでは、第1世代のAirに搭載された64GBのソリッドステートドライブが、標準の80GBハードドライブよりも「中程度」の性能向上を実現していました。2008 年 10 月 14 日には、128 GB(ソリッドステート)および 120 GB(ハードドライブ)の容量を持つ新モデルが発表されました。Airには、アップグレードできない2GBのRAMが標準装備されています。初代AirのCPUは、Intel Core 2 Duoチップを採用し、標準的なCore 2 Duoチップの40%のサイズになるように設計されています。現行モデルでは、低電圧でスモールフォームファクタのCore 2 Duo「Penryn」を搭載し、6MBのキャッシュを備え、1066MHzのバスで動作します。MacBook Airには、ユーザーが交換できる部品がありません。ハードドライブ、メモリ、バッテリーは筐体の中に収められており、メモリはロジックボードに直接はんだ付けされています。MacBook Airのバッテリーはケース内に収められていますが、通常のドライバーを使って交換することができます。ただし、この作業によってノートブックの保証が無効になるかどうかは不明です。保証期間外サービスの一環として、Appleは有償でバッテリーの交換を行っています。
アップルは、MacBook Airのデザインに、鉛などの有害化学物質の削減など、環境に配慮したいくつかの機能を盛り込みました。MacBook Airは、BFRとPVC配線を使用せず、Energy Star Version 5.0の要件を満たし、リサイクル可能な筐体を持ち、EPEAT Goldの評価を受けています。また、スクリーンにはヒ素を含まないガラスを使用し、水銀も含まれていません。小型・軽量化のために、いくつかの機能を犠牲にしています。PowerBook 2400c以来、アップルのノートブックとしては初めて、リムーバブルメディアドライブを内蔵していません。また、FireWireポート、Ethernetポート、ライン入力、メディアカードスロット、ケンジントンセキュリテ ィースロットも省略されています。
光学ドライブの機能を再現するには、別売りの外付けUSB SuperDriveを使用するか、付属のソフトウェア「Remote Disc」を使って他のパソコンの光学ドライブにアクセスする方法があります。しかし、この方法では、ディスクの閲覧やソフトウェアのインストールができるだけで、DVD映画やCDの視聴はできません。リモートディスク機能は、リモートディスクプログラムをインストールした他のMacやWindows PCの光学ドライブに、コンピューターがワイヤレスでアクセスすることで実現します。また、同梱のインストールDVDからシステムソフトウェアを再インストールすることもできます。リモートディスクはネットブートにも対応しているので、他のコンピュータのドライブにあるインストールDVDからMacBook Airを起動することもできます。この機能を利用するには、リモートインストールされたMac OS Xがリモートコンピュータ上で起動している必要があります。このソフトウェアでは、DVDやCDの再生や情報の取得、Microsoft Windowsのインストールはできません。これらの機能を利用するには、外付けのUSBドライブが必要です。キーボードの下に配置されたスピーカーを1つ搭載し、モノラルサウンドを実現しています。
MacBook Airには、Mac OS X Snow Leopardがプレインストールされており、アップルのマルチメディアスイート「iLife」も搭載されています。また、Microsoft Officeに似たAppleのワークスイート「iWork」も、コンピュータの購入時に追加料金でご利用いただけます。
2008年のモデルチェンジでは、有線でのイーサネット接続には、別売りのUSB-イーサネットアダプターが必要でした。しかし、2009年のモデルチェンジでは、このアダプターが同梱されています。また、2008年のモデルチェンジでは、ハードドライブ、グラフィックス、フロントサイドバス、プロセッサー、メモリー、バッテリー、ポートなどの接続部分がアップグレードされました。


旧モデルのノートパソコンの右側にあるハッチを開けると、パソコンのポートが見えます。


オプションの「MacBook Air SuperDrive」。
発売とレセプション
MacBook Airは、登場時には賛否両論の評価を受けました。レビューでは、MacBook Airの携帯性は高く評価されましたが、機能面での妥協が批判されました。フルサイズのキーボード、3ポンドの重さ、薄さ、マルチタッチトラックパッドはレビューで高く評価されましたが、一方で、限られた構成オプション、遅い速度(SSD非搭載モデルの場合)、ユーザーが交換できないバッテリー、小型のハードドライブ、価格などが批判されました。
CNETのDan Ackerman氏は、初代モデルについて「MacBook Airに投入されたデザインとエンジニアリングは並外れているが、標準的な13インチMacBookよりもはるかに特殊な製品であることは間違いない」とコメントしています。アッカーマン氏は、限られたインターネット接続環境、遅い速度、小さいハードドライブ、バッテリー、SSDハードドライブオプションの価格を嫌っていましたが、薄さ、頑丈さ、MultiTouchジェスチャーを高く評価しています。MacworldのJason Snell氏は、携帯性を高く評価していますが、「MacBook Airが持つ価値のある製品であるかどうかの判断は、1つの質問で答えられる。あなたはどれだけ妥協できるか?"
MacBook Airの発売に合わせて、そのスリムなデザインを強調したテレビコマーシャルが放映されました。CMでは、手がマニラ封筒を解いてMacBook Airをスライドさせ、それを開いてスリープ状態から起こします。流れている音楽は、Yael Naïmの「New Soul」です。
"Thinnest "の争点
1998年に発売された三菱Pedionは、2009年3月にDell Adamoが発売されるまで、厚さ0.65インチ(1.65cm)の長方形のノートパソコンとしては最も薄い0.72インチ(1.84cm)でした。これらのノートパソコンはいずれも、MacBook Airの最厚部(0.76インチ/1.94cm)よりも薄いものの、MacBook Airは0.16~0.76インチ(0.4~1.94cm)の範囲でテーパー状になっているため、「最も薄い」ノートパソコンを巡って論争が起きています。
シャープの「アクティウスMM10 ムラマサ」は、最小の高さ(厚さ)が0.54インチ(14mm)、最大の高さが0.78インチ(20mm)の薄型テーパー型ノートPC。2008年にMacBook Airが発売されるまで、テーパー型ノートPCとしては最も薄い製品でした。2009年3月、デルは「Dell Adamo XPS」を発売し、この主張に挑戦しました。
課題
Mac Book Airの側面にあるフリップダウンハッチは、一部のヘッドフォンプラグやUSBデバイスにとって窮屈なものであり、ユーザーは延長ケーブルを購入する必要がありました。AppleはLate 2010モデルでこのフリップダウンハッチを廃止し、他のMacBookと同様に接続ポートをオープンにしました。初代製品の発売以来、一部のMacBook Airユーザーから、CPUのロックを引き起こすオーバーヒートの苦情が寄せられていました。この現象は、CPUの温度が150 °F(66 °C)と低い場合に見られ、温度が高くなると悪化します。アップル社は2008年3月上旬にこの問題を解決するためのソフトウェアアップデートをリリースしましたが、その結果は賛否両論で、1つのCPUコアの無効化は修正されたようですが、少なくとも一部のユーザーにはカーネルの暴走問題が残っています。この問題は、ビデオ再生やビデオチャットなど、システムに負荷のかかる作業を行うと悪化します。

2008年の基調講演でMacBook Airを手にするスティーブ・ジョブズ。
仕様
販売終了 | 現在 |
モデル名一覧 | |||||
モデル | 2008年初頭 | 2008年後半 | 2009年半ば | 2010年後半 | |
モデル名 | MacBookAir1,1 | MacBookAir2,1 | MacBookAir3,1 | ||
モデル番号 | MB003LL/A | mb543ll/a, mb940ll/a | MC233L/A, MC234L/A | MC505LL/A | MC503LL/A |
スクリーン | 13.3", 1280 × 800 | 11.6", 1366 × 768 | 13.3", 1440 × 900 | ||
光沢のあるLEDバックライトTFT液晶ワイドスクリーン | |||||
グラフィックス | Intel GMA X3100、144MBのDDR2 SDRAMを使用、Micro-DVI出力付き | Nvidia GeForce 9400M (256MBのDDR3 SDRAMを使用、Mini DisplayPort出力) | Nvidia GeForce 320M(256MBのDDR3 SDRAM使用、Mini DisplayPort出力付き | ||
フロント側バス | 800MHz | 1066MHz | 800MHz | 1066MHz | |
1.6GHz(P7500)または1.8GHz(P7700) Intel Core 2 Duo、6MBのオンチップL2キャッシュ搭載 | 1.6GHz(SL9300)または1.86GHz(SL9400) Intel Core 2 Duo、6MBのオンチップL2キャッシュ搭載 | 1.86GHz(SL9400)または2.13GHz(SL9600) Intel Core 2 Duo、6MBのオンチップL2キャッシュ搭載 | 1.4GHz(SU9400) Intel Core 2 Duo、3MBのオンチップL2キャッシュ搭載 | 1.86GHz(SL9400)Intel Core 2 Duo、6MBのオンチップL2キャッシュ搭載 | |
メモリー | 2GBの667MHz DDR2 SDRAM | 2GBの1066MHz DDR3 SDRAM | 2GBの1066MHz DDR3 SDRAM | ||
セカンダリーストレージ | 80GBの1.8インチATA、4200rpmのHDDまたは64GBのSSD | 120GBの1.8インチシリアルATA、4200rpmのHDDまたは128GBのSSD | 64または128GBのフラッシュストレージ | 128または256GBのフラッシュストレージ | |
光学ストレージ | なし、オプション 外付けUSB SuperDrive 4×DVD+/-R DL書込み、8×DVD+/-R読込み/書込み、8×DVD+RW書込み、6×DVD-RW書込み、24×CD-R書込み、16×CD-RW書込み、8×DVD読込み、24×CD読込み | ||||
接続性 | 統合された802.11a/b/gおよびドラフト-n | 内蔵型802.11a/b/g/n | |||
37W/時の非脱着式リチウムイオンポリマー | 40W/時間の取り外し可能なリチウムイオンポリマー | 35W/hの非脱着式リチウムイオンポリマー | 50W/時間の取り外し可能なリチウムイオンポリマー | ||
幅12.8インチ(330mm)×奥行き8.94インチ(227mm)×高さ0.16インチ(4.1mm)~0.76インチ(19mm | 幅11.8インチ(300mm)×奥行き7.56インチ(192mm)×高さ0.11インチ(2.8mm)〜0.68インチ(17mm | 幅12.8インチ(330mm)×奥行き8.94インチ(227mm)×高さ0.11インチ(2.8mm)〜0.68インチ(17mm)。 | |||
3.0 lb (1.36 kg) | 2.3 lb (1.04 kg) | 2.9 lb (1.32 kg) | |||
周辺機器の接続 |
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質問と回答
Q: MacBook Airとは何ですか?
A:アップル社がデザインしたMacintoshのノートパソコンの一種で、"世界最薄ノート "として知られています。
Q: MacBook Airはいつ発表されたのですか?
A: 2008年1月15日に開催されたMacworld Conference & Expoで発表されました。
Q:MacBook Airの精密アルミユニボディ筐体とは何ですか?
A: MacBook Airで初めて実装されたデザイン機能で、耐久性を維持しながら薄型・軽量なボディを実現するものです。
Q:MacBook Airは何回アップデートされたのですか?
A:最初の発売から4回以上アップデートされています。
Q: MacBook Airの2回目のアップデートでは、どのような点が改善されましたか?
A: 2回目のアップデートでは、価格の低下、性能の向上、バッテリーの長寿命化などが行われました。
Q:MacBook Airの5回目の改訂版はいつ発売されましたか?
A:2018年10月に発売されました。
Q:MacBook Airの第5回リビジョンで導入された新機能にはどのようなものがありますか?
A: 第5回リビジョンでは、指紋認証スキャナー、より大きなRetinaスクリーン、バックライトキーボードが導入されました。