「Magic Tour」は、イギリスのロックバンド「Queen」のリードシンガー、フレディ・マーキュリーが参加した、バンド史上最大かつ最後の大規模なツアーです。ツアーは1986年6月7日にスウェーデンのストックホルムで開幕し、同年8月9日にイギリスのネブワース・パークで幕を下ろしました。全行程はヨーロッパのスタジアムを中心に行われ、合計で約26公演が行われました。公演は大規模な観客を動員し、ステージ演出や照明を多用したライブで知られます。「A Kind of Magic」を携えて行われたこのツアーでは、同アルバムからの楽曲に加え、代表曲や映画『ハイランダー』関連の楽曲もセットリストに含まれていました。

ステージでは大型の照明装置やレーザー、スクリーン映像などを用いた演出が特徴で、観客参加型のパート(例えば「Radio Ga Ga」の手拍子)やフレディのカリスマ的なパフォーマンスが際立ちました。終盤の1986年8月9日ネブワース公演は、クイーンの4人がそろってステージに立った最後の公式ライブとなり、大勢の観客により記憶に残る一夜となりました。

なお、フレディ・マーキュリーは後年に健康問題を抱えるようになり、報道などでは1987年にHIVと診断されたとされますが、この診断は当時は公表されませんでした。フレディ・マーキュリーは1991年に亡くなり、その後メンバーのジョン・ディーコンは音楽活動の第一線から引いており、バンドとして同規模のツアーを再開することはありませんでした。数年後の2004年以降、ブライアン・メイとロジャー・テイラーは別のボーカリストを迎えて再始動し、公演を行っていますが、ネブワースでの1986年の公演が、オリジナルの4人による最後の大規模なステージになったことは動かせない事実です。