概要
マイル毎時(英: miles per hour)は、1時間に何マイル進むかを表す速度の単位で、mph または MPH と書かれる。平たく言えば、一定時間あたりに進む距離として速度を測る単位であり、1マイルあたりに進む距離を1時間で示す。SI系ではない慣用単位だが、帝国単位系の距離が一般的な地域では広く使われ、移動時間や車両速度などの日常的な場面でも理解されている。測定単位の一般的な概念も参照されたい。
表記と技術的な位置づけ
略号のmphまたは MPH は、標識や非公式な文章でよく使われる。技術文書では mi/h という形が用いられることもある。物理学で厳密に扱う場合、方向を伴う速度であるベクトル量の速度は SI 単位で表される。国際単位系ではメートル毎秒が用いられ、m·s−1 または m/s と書く。参考として SI の記号m·s−1や、一般記事の速度も見てほしい。
換算と簡単な例
マイルと時間は SI 単位ではないため、異なる単位系を混ぜて扱うときは換算が役立つ。正確で広く使われる換算係数は次のとおり。
- 1 mile per hour = 1.609344 kilometres per hour(mph を km/h に直すには約 1.6093 を掛ける)。
- 1 mile per hour ≈ 0.44704 metres per second(m/s に直すには約 0.44704 を掛ける)。
- 概算では、60 mph は約 96.56 km/h、約 26.82 m/s に相当する。
歴史と使用
マイル毎時は、古い英語および帝国単位系の距離の単位と、便利な時間の単位である「時間」とを組み合わせて発達した。これはイギリスとアメリカ合衆国の多くのスピードメーターや道路標識で標準的に表示され、マイルを法的または慣用的な単位として維持している国でも引き続き一般的に使われている。ほかの法域ではキロメートル毎時が用いられ、道路や高速道路に示される速度制限は通常、その地域の標準単位で表記される。たとえば米国と英国では mph が使われる、といった形で速度制限についての輸送関連資料に説明されることがある。
実用上の注意と区別
工学や科学の分野では、式や規格に組み込みやすい SI 単位が一般に好まれる。一方、日常の運転や旅行計画では、距離がマイルで示される地域では mph が便利である。運動について述べる際は、mph で表すスカラー量の速度(どれだけ速いか)と、技術的文脈では通常メートル毎秒またはキロメートル毎時で示される、向きも含むベクトル量の速度(どれだけ速く、どの向きか)を区別しておく必要がある。