アスコリ・ピチェーノラテン語: Asculum)は、イタリア中部マルケ州のコムーネであり都市である。アスコリ・ピチェーノは、同名の県の県庁所在地である。

街の中心部の歴史的な部分は、周囲の山から採取されたトラヴェルティーノと呼ばれる灰色をした大理石で造られています。ルネッサンス期の中心的な広場であるポポロ広場は、イタリアで最も美しい広場のひとつとされている。



歴史の概略

アスコリ・ピチェーノは古代ローマ以前からの歴史をもち、ラテン語名Asculumに見られるように古代ローマ期には重要な都市でした。古代の戦い(例えば、ピュロス王とローマの戦いの一つとして知られるアスクルムの戦い)など、歴史的な出来事も多く記録されています。中世には独自の自治を保ち、多くの教会や宮殿、塔が建てられて現在の美しい歴史的景観の基礎が作られました。

見どころ

  • ポポロ広場(Piazza del Popolo) — 市の象徴的な広場で、周囲をトラヴェルティーノの建物が囲みます。中世〜ルネサンス期の建築が調和し、時計塔や市庁舎的な建物、カフェが並び、散策に最適です。広場のそばには歴史的なカフェや店があり、地元の雰囲気を味わえます(有名なカフェとしてCaffè Melettiが挙げられます)。
  • トラヴェルティーノの石造建築 — 周辺の採石場から取られた灰色がかったトラヴェルティーノ(石灰岩)が町の建物や広場の石畳に用いられ、独特の統一感ある景観を形成しています。
  • 塔や中世の建物群 — 市内には中世の塔が点在し、石造の家並みや古い宮殿、狭い路地が残っています。歴史的中心部全体が散歩に向いています。
  • 宗教建築と博物館 — 司教座聖堂(ドゥオーモ)やサン・フランチェスコ教会など、宗教建築の見どころが多く、Museo ArcheologicoPinacoteca Civicaなどで考古学や美術のコレクションが見られます。
  • ローマ遺跡 — 周辺には古代ローマ時代の遺構や出土品があり、街の古い歴史を物語っています。

食文化と年間行事

アスコリ・ピチェーノは食文化でも知られており、特にオリーブ・アッラ・アスコラーナ(Olive all'ascolana)と呼ばれる詰め物をした揚げオリーブが名物です。地元のワインや郷土料理も楽しめます。

行事では中世の衣装をまとった行列や馬上試合を再現する「ジオストラ・デッラ・クインターナ(Giostra della Quintana)」など、伝統的な祭りが観光客に人気です。季節ごとのマーケットやコンサートも多く開催されます。

アクセスと観光のヒント

アスコリ・ピチェーノはマルケ州の内陸部に位置し、周辺の都市から鉄道や道路でアクセスできます。歴史地区は徒歩で回れる範囲にまとまっているため、散策しながら建築や広場、カフェを楽しむのが良いでしょう。混雑を避けたい場合は、主要な祭事や祝日を確認して訪問計画を立てることをおすすめします。

まとめ

アスコリ・ピチェーノは古代から中世、ルネサンス期を通じた豊かな歴史と、トラヴェルティーノによる洗練された石造建築が魅力の都市です。ポポロ広場を中心に、教会・博物館・名物料理など見どころが多く、イタリアの歴史的都市をじっくり味わいたい旅行者に向いています。