概要

Nuss法は、先天性の胸壁変形である漏斗胸、いわゆる陥没胸を矯正するための低侵襲の外科手術である。肋軟骨や肋骨を切除するのではなく、湾曲した金属バーを胸骨の下に通して陥凹した胸骨を持ち上げる。バーは胸壁の形を再構築するために一定期間留置され、通常は数年後に抜去される。

手技と構成要素

手術は全身麻酔下で行われる。胸部の側方に小さな切開を加え、あらかじめ曲げた鋼製バーを胸骨の背側から胸の反対側へ通す。所定の位置に入れた後、バーを回転させて胸骨をより正常な輪郭へと挙上する。バーの回転やずれを抑えるため、スタビライザーや縫合糸が用いられることがある。正確な留置と安全性の向上のため、胸腔鏡補助が広く用いられている。

適応、患者選択、評価

この手術は、胸壁がより柔軟で矯正しやすい小児や思春期の患者に最も多く行われるが、工夫を加えれば成人にも適用できる。適応には、見た目の問題に加え、運動耐容能低下や心肺症状などの機能的な訴えが含まれる。術前の画像検査や、胸郭の横径と前後径の比であるHaller indexなどの計測は、重症度の把握や治療方針の決定に役立つ。

リスク、回復、成績

早期にみられやすい問題としては、術後痛、皮下出血、活動制限がある。鎮痛には多面的な鎮痛法が必要となることがあり、硬膜外鎮痛や患者自己調節鎮痛が含まれる場合もある。起こりうる合併症には、バーのずれ、感染、気胸、出血、そしてまれに内臓損傷がある。多くの患者で胸の形は改善し、満足度も高い。運動耐容能の向上や心理社会的な利益を報告する人もいる。矯正用バーは、胸壁が再構築された後、通常は2〜4年程度で抜去されることが多い。

歴史と代替法

この技術は、開放的な軟骨切除術に代わる、より低侵襲な方法として20世紀後半に開発された。古典的な開胸修復であるRavitch型手術は、異常な軟骨を切除する方法であり、複雑または硬い変形、成人例、あるいは以前の手術がうまくいかなかった場合に選ばれることがある。重度または左右差の大きい変形では、複数本のバーを用いたり、両者を組み合わせたりすることもある。

重要な違いと考慮点

  • Nuss法は、胸壁構造を切除するのではなく、内部から支えることに重点を置く。
  • 良好な成績を得るには、適切な患者選択、術者の経験、そして理学療法を含む体系的な術後管理が重要である。
  • バー抜去後も、再発や遅発性の問題を確認するため、長期フォローアップが重要である。

より詳しい手術の説明や患者向け資料については、手技の概要、疾患の詳細、陥没胸の患者情報など、procedure overview、condition details、patient information on sunken chestを参照するとよい。