古顎類(ギリシア語で「古い顎」を意味する)は、現生鳥類の二大主要系統の一つで、もう一方は新顎類です。両者はあわせて、現生鳥類のクラウングループである新鳥類を構成します。古顎類は主として、独特の口蓋とそれに関連する頭骨の特徴によってまとまり、伝統的には新顎類よりも構造が「原始的」とみなされてきました。
主要な特徴
古顎類を特徴づける解剖学的形質は、上顎の口蓋骨と関連骨が剛性のある屋根状に配置されることで、これが新顎類に比べて頭蓋運動を制限します。構成種の多くは大型で、強い脚と縮小した飛翔器官をもち、こうした特徴はしばしば飛べない生活様式と結びついています。ただし、このグループには飛翔可能な種も含まれます。ティナムーは自力飛翔の能力を保っており、もっとも弱い飛翔者が多いとはいえ、翼で飛ぶことができます。
現生の多様性と分布
現在の古顎類は、総称して走鳥類と呼ばれる大型の、主として飛べない鳥たちと、新熱帯区のティナムーから成ります。主な現生系統には次のものがあります。
種数は系統によって異なり、ティナムーは数十種にのぼる一方、走鳥類の各グループは各属ごとに数種程度です。これらの鳥は、開けたサバンナから鬱蒼とした森林までさまざまな環境に生息し、食性も草食から雑食、昆虫食まで幅があります。
進化史
この20年ほどの分子系統学は、古顎類の類縁関係を明らかにし、古い考え方を覆しました。遺伝学的証拠は、このグループが単系統であることを支持する一方、走鳥類に見られる飛べない性質が一度だけ受け継がれたものではないことも示しています。むしろ、ティナムーはより広い走鳥類の放散の内部に位置づけられ、飛翔能力の喪失が複数の系統で独立に起きたことを示しています。化石記録には、初期の飛翔可能な古顎類(lithornithiforms)や、のちの巨大な飛べない形態としてニュージーランドのモアとマダガスカルの象鳥が含まれ、いずれも人類の到来後に絶滅しました。
行動、生態、人間との関わり
古顎類は繁殖行動や社会構造も多様です。いくつかの走鳥類は、複雑な交尾体系を伴うゆるやかな繁殖集団をつくる一方、ティナムーはより目立たず単独性の強い生活を送ることが多いです。いくつかの種は経済的・文化的にも重要で、ダチョウは羽毛や肉のために飼育されてきましたし、キーウィはニュージーランドの国の象徴です。その反面、多くの古顎類は生息地の喪失、外来捕食者、狩猟による脅威に直面しています。
注目される違いと保全
古顎類の口蓋と新顎類の口蓋の対比は、なお有用な形態学的区別ですが、現代の分類ではDNAによって明らかになった進化的関係が重視されます。いくつかの古顎類では、保全活動が生息地保護、捕食者の制御、そして可能であれば飼育繁殖に重点を置いています。古顎類の歴史は、古い解剖学的形質、大陸分布、そして近年の分子データが組み合わさって、脊椎動物進化の理解をどのように組み替えるかを示す明確な例です。
関連リンク
- 古顎類の概要
- 新顎類(対照)
- 新鳥類(現生鳥類)
- 走鳥類(総説)
- 新熱帯区のティナムー
- ティナムー
- キーウィ(Apteryx)
- ヒクイドリ(Casuarius)
- エミュー(Dromaius)
- レア(Rhea)
- ダチョウ(Struthio)
- モア(Dinornithiformes)
- 象鳥(Aepyornithiformes)