パレオティリスとは|ペンシルバニア紀ノバスコシアの小型夜行性初期爬虫類
パレオティリス:ペンシルバニア紀ノバスコシアに生息した小型夜行性初期爬虫類の生態、独特な頭骨と狩猟習性を解説。
パレオティリス(Paleothyris、旧表記:パレオサイリス)は、ノバスコシア州のペンシルバニア紀(約3億1200万年前、石炭紀後期)に生息していた小型で機敏な無弓類である。化石は主にカナダ・ノバスコシアのジョギンズ累層など、湿潤な森林や煤炭堆積層から産出しており、初期陸上脊椎動物の一例として重要な標本である。
外見と生態
夜行性のハンターだったと考えられ、鋭い歯と大きな目を持っていたことから、主に昆虫や小型の無脊椎動物、場合によっては小型の脊椎動物を捕食していたと推測される。体長は約30センチメートル(約1フィート)程度で、細長い尾と発達した四肢を備え、地上性あるいは低木上で活動する生活様式に適応していた可能性が高い。森の落ち葉層や倒木の周辺で夜間に採食していたと想像される。
頭骨と分類上の特徴
パレオティリスは初期の爬虫類に属するとされるが、いくつか原始的な特徴を残しているため、過去には分類や系統的位置づけが議論されてきた。竜脚類でありながら、といった誤解を招く表現が散見されることもあるが、実際には竜脚類(サウロポッド)とは系統的に無関係である点に注意が必要である。
特徴的なのは頭蓋骨で、ほとんどの現代爬虫類や哺乳類の頭蓋骨に見られるような側頭部の開口(側頭窓)が存在しない点だ。これを示す記述として、頭蓋骨に穴、フェネストレイがないことが挙げられる。このような“穴のない”頭骨形態は古くからの祖先的形質であり、初期の陸上脊椎動物がどのようにして現代の爬虫類や哺乳類へと分岐していったかを考える手がかりとなる。
化石の重要性と研究の意義
パレオティリスの化石は、初期爬虫類(初期の真正爬虫類またはその近縁群)が陸上環境に適応していく過程を理解するうえで重要である。特に頭骨形態や歯の構造、四肢の配置など原始的な形質の保存状態は、古生物学における系統解析や陸上脊椎動物の進化史を復元するための貴重な資料を提供する。
まとめると、パレオティリスは石炭紀後期のノバスコシアに生息した小型の夜行性捕食者であり、原始的な頭骨形状や生活様式の点で初期陸上脊椎動物の理解に寄与する重要な化石群である。
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