Religious Society of Friendsは、17世紀半ば(1650年代)にイギリスで始まったキリスト教を起源とする信仰共同体です。創始者の一人として知られるジョージ・フォックスらが、当時の教会制度や儀礼に対する批判の中から「内なる光(Inner Light)」という、神がすべての人の内に働くという経験を強調する新しい礼拝形態を打ち出しました。クエーカーは伝統的な聖職者制度や形式的な儀式を重視せず、個々人が神と直接向き合う信仰を大切にします。
「友の会」(Friends)は、そのメンバーを指す呼称で、一般に「フレンズ」またはクエーカーとも呼ばれます。多くの人々がキリスト教徒としての立場をとりますが、現在のグループにはキリスト教以外の信仰観を持つ人や、宗教的帰属を明確にしない人も含まれています。彼らは世界中に広がっており、特に大きなグループは ケニア、アメリカ合衆国、ボリビア、グアテマラ、イギリス(英国)、ブルンジにあります。
起源と歴史的背景
クエーカー運動は、イングランド内戦後の宗教的・社会的混乱の中で生まれました。創設当初から無名の信徒による集会や、沈黙の中での待ちの礼拝(沈黙礼拝)が特徴で、後に奴隷制度廃止運動・平和運動・女子の権利擁護など多くの社会改革運動に深く関わってきました。19世紀にはアメリカにおける奴隷制反対運動や慈善活動で重要な役割を果たしました。
信仰と教義の特徴
- 内なる光(Inner Light):すべての人の内に神の導きがあるとする考え。これが個人的な霊的経験を重視する基盤です。
- 聖職者の不在/平等性:伝統的な意味での聖職者や階層がない共同体が多く、信徒同士の平等が重視されます。
- 儀式の簡素さ:洗礼や聖餐などの形式的な儀式を行わない伝統が広く残っています(ただし、グループによってはこれらを取り入れる場合もあります)。
- 良心に基づく行動(Testimonies):平和・非暴力(平和主義)、誠実さ(誠実な生活)、簡素さ、平等(男女・人種の平等)などが生活規範として強調されます。
礼拝と組織
礼拝には大きく分けて「沈黙の礼拝(unprogrammed meeting)」と「プログラム化された礼拝(programmed meeting)」があります。沈黙礼拝では参加者が沈黙の中で神の導きを待ち、感動に基づいて短い説教や証しが自然に行われます。プログラム化された礼拝では説教や賛美歌、祈りが組織的に行われ、牧師を置くグループもあります。
組織面では、地域の「Monthly Meeting(代議会に相当する集まり)」や、より広域の「Yearly Meeting(年次集会)」など、草の根的な会議体で運営されることが多く、中央集権的なヒエラルキーは一般に強くありません。
日常生活と社会活動
クエーカーは信仰に基づき教育、医療、慈善、平和構築、人権擁護など多岐にわたる社会活動に携わってきました。有名な例としては奴隷制度廃止運動、刑務所改革、女性参政権運動、戦争被害者支援などがあり、現代でも紛争地域での仲介や人道支援、気候正義活動などに関与するグループが多くあります。
現代の多様性
現在の「友の会」は世界各地で多様化しており、礼拝スタイルや神学的立場、組織形態に幅があります。保守的で伝統を重んじるグループから、リベラルで社会的課題への取り組みを重視するグループまで存在します。そのため、個々のミーティングや年次集会ごとに特色が異なります。
参考となるポイント
- 礼拝に初めて参加する際は、沈黙の礼拝では出入りや発言のタイミングに決まりはないことを知っておくと安心です。
- 地域の「Monthly Meeting」や公式サイトで活動予定を確認すると、礼拝やイベントへの参加方法がわかります。
- 歴史的に社会改革に深く関わってきた背景から、ボランティアやコミュニティ活動を紹介しているケースが多いです。
以上がクエーカー(友の会)の主要な特徴と世界的分布の概要です。興味があれば、各国や地域の「Yearly Meeting」や近隣の「Monthly Meeting」を調べて直接礼拝や活動に触れてみると理解が深まります。

