スクリーン・アクターズ・ギルドSAG)は、世界中の20万人以上の映画テレビの主役や背景出演者を代表するアメリカの労働組合です。SAGの使命声明によると、ギルドは、出演者のために合理的な給与、福利厚生、労働条件の交渉と執行、組合員による録音されたパフォーマンスの悪用に対する補償金の徴収、それらのパフォーマンスの不正使用からの保護、組合員の仕事の機会の維持と拡大を目的として設立されました。

歴史

スクリーン・アクターズ・ギルドは1933年に、ハリウッドの俳優がスタジオの圧力や不公正な契約から身を守るために結成されました。当時の契約は労働時間や休憩に関する規定が十分でなく、出演者の公私にわたる管理権をスタジオ側に与えるような条項が盛り込まれていることが多く、契約解除の選択肢がほとんどないケースもありました。こうした状況に対して組合は団結して交渉を行い、徐々に賃金、労働条件、権利保護の強化を実現してきました。

役割と主な活動

SAGの主な役割は、出演者の集合的団体交渉を通じて公正な報酬と安全な労働環境を確保することです。具体的には次のような活動を行います:

  • スタジオや制作会社との団体交渉による最低賃金、残業手当、休憩時間、撮影スケジュールなどの取り決め。
  • テレビや映画、デジタル媒体における再放送料やリザイダル(配当)など、録音・録画されたパフォーマンスに対する補償の確保と徴収。
  • 無断使用や肖像の不正利用に対する法的保護と救済措置の提供。
  • 組合員向けの職業紹介や契約相談、紛争解決の支援。

福利厚生と権利保護

SAGは組合員向けに、年金や健康保険などの福利厚生制度の整備・運営に関与してきました。これにより、多くの出演者が安定した医療と退職後の所得保障を受けられる仕組みを築いています。また、映像作品の利用や二次利用に伴う補償(リザイダル等)を巡る取り決めも、組合の重要な交渉項目です。

支部と拠点

ハリウッドの主要オフィスに加え、SAGは以下のような米国の主要都市にも支社を構えています。アトランタ、ボストン、シカゴ、ダラス、デンバー、デトロイト、ホノルル、ヒューストン、ラスベガス、マイアミ、ナッシュビルニューヨーク、フィラデルフィア、フェニックスポートランド、ソルトレイクシティ、サンディエゴ、サンフランシスコ、シアトル、ワシントンDC。これらの拠点は、地方で活動する組合員へのサービス提供や地方制作との交渉を支える役割を果たしています。

スクリーン・アクターズ・ギルド賞

1995年から毎年、アカデミー賞の成功の指標とされる「スクリーン・アクターズ・ギルド賞」が授与されています。この賞は同業の俳優による投票で選ばれる点が特徴で、演技の評価において仲間の目による賞として高い評価を受けています。受賞者が俳優仲間から選ばれるため、業界内での評価を象徴する指標のひとつとなっています。

SAG‑AFTRAへの統合

スクリーン・アクターズ・ギルドの会員は、2012年3月30日に米国テレビ・ラジオ芸術家連盟との合併を投票で決定しました。後にSAG-AFTRAと改称され、映画・テレビに加えてラジオや音楽、デジタルメディアなど幅広い分野の出演者と放送従事者を代表する組合となりました。合併により交渉力と組織基盤が強化され、メディア環境の変化に対応するための統一的な立場での交渉や保護活動が行われています。

今日、SAGの伝統はSAG‑AFTRAの内部に受け継がれており、出演者の権利保護、賃金と福利の向上、制作現場での安全と公正を確保するための活動は現在も続いています。