概要
テニス肘は、医学的には外側上顆炎または外側上顆痛として知られ、肘の外側にある骨の突出部にみられる痛みや圧痛を指します。名前からテニスと結びつけられますが、実際には多くのスポーツや職業で、手首を伸ばす動作や握る動作を繰り返す人に起こります。歴史的な記述では「アーチャー肘」と呼ばれることもあり、外側上顆の後方にある伸筋腱へ負担がかかる活動、たとえばラケット競技や力の要る手作業と関連します。
解剖と症状
不快感は、前腕の伸筋腱、とくに長橈側手根伸筋への過負荷から生じます。症状としては、肘の外側の限局した痛み、握力の低下、物を持ち上げるときや前腕をひねるとき、手首を伸ばすときの痛みが典型的です。抵抗下での手関節背屈や物を握る動作で症状が強くなり、一般的な臨床検査でも痛みが再現されます。
原因と危険因子
反復動作、たとえばラケットを使った頻繁なスイング、頻繁な持ち上げ動作、長時間の টাইピングなどは、腱に微小損傷や変性変化を起こすことがあります。テニスやゴルフのようなスポーツでよくみられますが、多くの症例は、同様の動きを使う仕事や趣味から生じます。年齢、技術、活動量の急な増加、十分でないコンディショニングが危険因子です。
診断と鑑別
診断は主として臨床的に行われ、病歴と身体診察に基づきます。誘発手技で肘の外側の痛みが再現されます。必要に応じて、超音波検査やMRIで腱の変性を示し、ほかの原因を除外するのに役立ちます。鑑別すべき疾患には、内側上顆炎(ゴルフ肘)、橈骨管症候群、肘関節炎、頸部からの関連痛があります。
治療
初期対応は保存的治療で、相対的安静、活動の調整、冷却、短期間の経口抗炎症薬、そして手関節伸筋の遠心性筋力強化を重視する計画的な理学療法を行います。装具(カウンターフォースストラップ)やテーピングは、活動中の症状軽減に役立つことがあります。痛みが続く場合は、コルチコステロイド注射(速やかだが持続は短いことがある)、多血小板血漿、体外衝撃波治療などが選択肢です。変性した腱組織のデブリードマンや解放術を行う手術は、長期の保存療法で改善しない例に限られます。職場での調整や技術指導も回復を助けます。
予防、予後、注目点
多くの人は保存的治療で数週間から数か月のうちに改善し、完全回復にはさらに数か月かかることがあります。予防では、作業環境の改善、活動量の段階的な増加、筋力強化、適切な用具の選択が重要です。注目すべき点として、名称やテニスやゴルフとの関連にかかわらず、多くの症例は単一のけがではなく、スポーツ、職場での作業、趣味における反復使用に結びついています。運動や職場での調整について実際的な助言が必要な場合は、信頼できる情報源や医療専門職に相談してください(参考資料を見る)。