引用(出典・参考文献)とは:定義・目的と剽窃防止のポイント
引用(出典・参考文献)の定義と目的、正しい書き方と剽窃防止の実践ポイントを分かりやすく解説。信頼ある論文作成に必携。
引用またはソース引用とは、文章を作成する際に使用する、出版物(例えば、本、記事、画像など)への言及のことです。読者に、特定の情報がどこから来たのか、どこで見つけられるのかを示します。論文に使用されているコンテンツを実際に作成した著者を認め、信用を与えるものです。引用の反対語は、盗用、つまり他人のアイデア、コンセプト、イメージのクレジットを与えないことです。剽窃とは、特にアカデミアにおいては、他人の著作物を自分の著作物として発表することです。剽窃の罰則は厳しいものになります。出典の引用は、作品に信頼性を与えるものでもあります。言い換えれば、その情報が単純に作られたものではないことを示すものです。
引用の目的と利点
引用は単にルールだから行うのではなく、次のような重要な目的があります。
- 出典の明示:どの情報がどこから来たかを明確にし、読者が元の資料を確認できるようにする。
- 著作権と著者への敬意:情報やアイデアを提供した人に適切なクレジットを与える。
- 信頼性の向上:主張やデータの根拠を示すことで、文章の説得力が増す。
- 学術的対話への参加:既存研究と自分の議論をつなげ、研究の文脈を示す。
いつ・何を引用するべきか
一般に、次のような場合は引用が必要です。
- 他人の研究結果、統計、図表、具体的な事実やデータを使用する場合。
- 他人の独自の理論、主張、解釈を参照するとき。
- 他人の言葉をそのまま使う(直引用)場合。
- 他人が作成した画像、写真、地図、コードなどを利用する場合(使用許諾やライセンスの確認も必要)。
ただし、一般的・普遍的な知識(例:一般的な歴史的事実や広く知られた数学の定義など)は引用不要です。判断に迷う場合は出典を明示する方が安全です。
引用の方法(基本)
引用の仕方は場面やスタイルによって異なりますが、基本的なポイントは次の通りです。
- 直引用(短い引用/長い引用):原文をそのまま使う際は、引用符(“ ”)やブロック引用を用い、出典(著者名、年、ページ等)を明記する。
- 要約・抜粋(パラフレーズ):他人の考えを自分の言葉で説明する場合も出典を示す。単に語尾を変えただけでは不十分。
- 脚注・文末参考文献:本文中の短い引用情報(著者・年など)に加え、詳細は脚注や参考文献リストで完全な書誌情報(著者名、書名、出版社、発行年、ページ、URL等)を示す。
- 引用スタイル:APA、MLA、Chicago、IEEEなどスタイルに従う。学術誌や大学ごとの規程を確認すること。
図表・画像・データの引用
画像や図表、データには著作権が存在することが多く、単に出典を記載するだけでなく、利用許諾(パブリックドメイン、クリエイティブ・コモンズの種類、出版社の許可など)を確認する必要があります。引用例には出典のほか、必要に応じて「再掲載許可取得済み」やライセンス表記を付けます。
剽窃(プラジアリズム)防止の実践ポイント
- 資料管理を徹底する:引用したい情報の出典を読みながら必ず記録する。メモや文献管理ツール(Zotero、Mendeley、EndNoteなど)を使うと便利。
- 引用と自分の考えを明確に分ける:どこが他者の主張で、どこが自分の分析かをはっきり書く。
- 直接引用は最小限に:必要な場合以外は要約・再構成して自分の文脈で説明する。直接引用は引用符と出典を必ず付ける。
- 二次引用に注意:一次資料に当たれない場合は、二次資料(他の論文が引用している情報)を使う際に「引用元(一次)」と「参照した二次資料」を明示する。
- チェックツールの活用:学校や出版社で提供される剽窃検出ツールを活用して、引用漏れや類似箇所を事前に確認する。
よくある誤解と注意点
- 「インターネットの情報だから引用しなくてよい」は誤り。出典があれば必ず示す。
- 「出典のURLだけ貼ればよい」は不十分な場合がある。可能なら著者名、日付、ページ等も併記する。
- 「翻訳すれば引用不要」は誤り。翻訳された内容も出典を明示する必要がある。
引用の恩恵と責任
適切な引用は研究や執筆を透明にし、読者が議論の根拠を検証する手助けとなります。同時に、引用には正確さや誠実さが求められます。引用ルールを守ることは、学術的・職業的信用を守るための基本的な責任です。
参考にする文献の提示方法や細かなスタイルは分野・媒体ごとに異なります。提出先のガイドラインや担当教員・編集者の指示に従ってください。

参考文献の一例
引用しなくてもよいもの
一般的に知られていることを引用する必要はありません。これらは、ほとんどすべての人が知っているであろうものです。一般的な知識の例は以下の通りです。
- 多くのソースから広く入手できる事実。例えばアンドリュー・ジャクソンは第7代アメリカ大統領である。
- 観察したり、見たりすることが容易なもの。例えば、以下のようなものです。現在、多くの人が携帯電話を使用しています。
- よくある言い回し。例えば、以下のようなものです。To make a long story short...
しかし、疑問があれば、それを引用する。
出典の引用に含まれるもの
出典の引用には、通常、以下のようないくつかの重要な情報が含まれます。
引用スタイル
使用される主な引用スタイルには次のようなものがあります。
- APAスタイル(American Psychological Association)は、社会科学分野で最もよく使用されているスタイルです。ガイドラインは「Publication Manual of the American Psychological Association, Sixth Edition」に記載されています。
例(書誌スタイル)。(Smith, 2004, p. 39) ここでは、"Smith "は書誌に完全に記載されている作品の著者です。ページ番号は39です。
- MLAスタイル(Modern Language Association)は、リベラルアーツや人文科学分野の研究論文の執筆や書式設定に用いられるスタイルです。このスタイルの参考文献のひとつが『MLA Handbook for Writers of Research Papers, Eighth Edition』です。
例(著者日付スタイル)。Smith, William.The Last of the Inupiat Eskimos.Alaska Northwest Books, 1997. p 39.ピリオドで引用部分を区切っていることに注意)
- Chicago Manual of Styleは、印刷および電子ジャーナル、雑誌、新聞などでよく使用されるスタイルです。このスタイルには、2種類の引用システムがあります。(1)notes and bibliography(注釈と書誌事項)、(2)author-date(著者日付)です。note and bibliography styleは、文学、歴史、芸術分野で最もよく使用されます。オーサーデート方式は、物理学、自然科学、社会科学で伝統的に使用されています。
例(オーサーデイト・スタイル)。William Smith, The Last of the Inupiat Eskimos (Portland, OR: Alaska Northwest Books, 1997), p. 39 (シカゴスタイルでは、著者のラストネーム、ファーストネーム、またはファーストネームのラストネームが可能)
質問と回答
Q:引用とは何ですか?
A: 引用とは、著作物を作成する際に使用する、出版物(本、論文、画像など)への言及のことです。読者に情報の出所を示し、自分で探すことができるようにします。
Q:出典を引用することで何ができるのですか?
A:出典を引用することで、論文で使用されているコンテンツを作成した著者を信用し、その情報がでっち上げでないことを示し、信頼性を高めることができます。
Q:出典を引用することの反対は何ですか?
A:出典を引用することの反対は、盗用です。これは、原著者にクレジットを与えることなく、他人の作品を取り上げて自分のものとして発表することを意味します。
Q:なぜ出典を明記する必要があるのですか?
A:自分の作品に使用しているアイデア、コンセプト、画像などの著作者のクレジットを示すために、出典を明記する必要があります。また、信頼できる場所から得た情報であることを示すため、信頼性を高めることができます。
Q: 盗用に罰則はありますか?
A: はい。盗用が行われた場所(学術分野など)や、どの程度深刻とみなされるかによって、厳しい罰則がある場合があります。
Q:出典の引用は、どのように信頼性を高めるのですか?
A: 出典の引用は、提供された情報がでっち上げではなく、信頼できる場所から出典されていることを読者に示すことによって、信頼性を高めるのに役立ちます。
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