クレオドンタは、伝統的には、古新世から中新世にかけて生息していた哺乳類の絶滅した目であると説明されることが多い。クレオドン類は現生の食肉類と見た目や生態が似ていたため長く「原始的な肉食動物」と考えられてきたが、彼らは系統的には食肉目(Carnivora)の直接の祖先ではなく、両者の類似は多くが形態の収束によるものである。たとえば、現生の食肉類が主要な肉裂歯(カーナッシャル)として使う歯の位置(上顎第4前臼歯と下顎第1後臼歯、P4/m1)は、クレオドン類では一般に異なる歯が肉裂歯として発達しており、このことが両系統の相同性を否定している。この点については、古くから多くの研究・文献が存在する(進化的収束は、クレオドンツが自然のグループではないことを示唆している、など)。
特徴と機能形態
クレオドン類は大型〜中型の肉食獣で、鋭い切断に適した臼歯群(肉裂歯)や強い咬合力を示す顎骨を持つグループが多かった。系統的には主にハイエノドン類(hyaenodontidae など)とオクシアニア類(oxyaenidae など)に分けられることが多く、群ごとに歯の発達様式や狩猟様式が異なる。歯牙の形や顎の形状から、現生の捕食者と同様に主に動物性の食物を摂っていたことが示唆されるが、種によっては雑食的な傾向を示すものもいた。
地理的分布と地質年代
クレオドン類は古新世〜中新世にかけて、アフリカ、ユーラシア、北アメリカの生態系に広く分布した。化石記録からは、古新世(Paleocene、約6600万年前)に現れ、漸新世や中新世初期を通じて多様性を保っていたものの、地域や時期により優占度は変化した。クレオドン類は一時期、メソニクスやメソニクスのような初期の肉食性哺乳類や、ある時期にはエンテロドンツと競合し、他の大型肉食動物群と生態的に競合しつつ地上の主要な捕食者の一角を占めていた。特に始新世〜始新世後期(Eocene)には、クレオドン類が多くの陸上生態系で支配的な捕食者グループだったことが示されている(漸新世以降の地域では勢力図が変化することが多かった)。
衰退と絶滅
古第三紀後半から新第三紀にかけて出現した現生の食肉類(食肉目、Carnivora)は、形態的・生態的に類似したニッチを占めるようになり、競合・環境変動・生態系の再編成によりクレオドン類の多様性は次第に低下していった。最終的にクレオドン類は現生の食肉類に取って代わられ、現在の陸上の主要な捕食者位置はほぼ食肉目が占めている。ついに彼らはカーニヴォラに敗れた肉食動物は今日生き残っている 唯一のグループです。最後のクレオドン属は約800万年前(後期中新世〜鮮新世境界付近)に絶滅したと考えられており、これによりクレオドン類は完全に姿を消した。
化石記録と継続期間
最初のクレオドン類の確実な化石は古新世(Paleocene、約6600万年前)にさかのぼる報告がある。化石群の時間的範囲と系統解析から、クレオドン類は長期間にわたり地球上の陸上捕食者群の一端を担ってきたことがわかる。たとえば、最終期まで生き残ったディソプサリスはおそらく約800万年前まで存在したとされる報告がある。したがってクレオドン類はおおむね約5,900万年程度(概算)にわたって続いた長寿なグループであったと評価できる。
研究上の意義
- クレオドン類は収束進化と形態機能の多様化を考える上で重要な教材であり、食肉性適応の進化過程を比較研究する際に頻繁に参照される。
- 彼らの衰退と絶滅は、新たに出現した食肉目との競合や気候変動、生態系の再編成といった複合的要因の影響を考えるためのケーススタディを提供する。
- 化石資料は系統関係の解明や肉裂歯の起源・機能に関する理解を深めるために重要であり、最新の古生物学的手法(形態計測、系統解析、古環境解析など)により知見が更新され続けている。
以上の点から、クレオドン類は古第三紀から新第三紀にかけての陸上捕食者群の進化史を理解する上で欠かせないグループであり、その研究は現生哺乳類の進化や生態的置換の理解にもつながる。