エピグラフ(数学):関数の上方集合と凸解析・最適化
関数のエピグラフとは、そのグラフ上または上方にある点の集合である。凸解析と最適化の中心的概念であり、凸性、下半連続性、エピ収束を特徴づける。
概要
関数のエピグラフは、その関数のグラフ上または上方に位置するすべての点を集めた幾何学的対象である。形式的には、ベクトル空間 X から拡張実数直線への関数 f に対し、エピグラフは f(x) ≤ r を満たす組 (x,r) の集合である。エピグラフを用いると、f の値を点ごとに扱う代わりに、積空間 X × R の部分集合を調べることで f の性質を考察できる。
定義と基本性質
f: X → (−∞,+∞] が与えられたとき、エピグラフは epi(f) = {(x,r) ∈ X × R : f(x) ≤ r} と定義される。解析学と最適化では、次の初等的ながら重要な同値関係がしばしば用いられる。
- f が凸関数であることと、epi(f) が X × R の凸部分集合であることは同値である。
- X が位相空間であるとき、f が下半連続(lsc)であることと、epi(f) が閉集合であることは同値である。
例
簡単な例はエピグラフの形状を示している。R^n 上の線形関数 f(x)=a·x+b では、epi(f) は R^{n+1} における閉半空間 { (x,r) : r ≥ a·x+b } である。R 上の凸二次関数 f(x)=x2 では、エピグラフは放物線の上側の領域、すなわち {(x,r): r ≥ x2} となる。集合 C の指示関数 I_C については、I_C が C 上で 0、それ以外で +∞ を取ることを反映し、epi(I_C) は C × [0,∞) に等しい。
最適化と解析における利用
エピグラフ表示は、最適化問題の定式化し直しに広く使われる。f(x) の最小化は、f(x) ≤ r という制約の下で r を最小化する問題として書ける。この形では目的関数が線形な座標となり、非線形性は制約へ移される。凸最適化では、このエピグラフ形式を日常的に用いて凸性を明示し、双対問題を導出する。エピ収束(エピグラフ収束)は、変分解析および最小化解の安定性の研究に有用な関数収束の様式である。
関連概念と注記
ハイポグラフは、グラフ上または下方の点を集める対となる概念である。「epigraph」という語は、「グラフの上」を意味するギリシア語の語根に由来する。より技術的な展開や上記の主張の証明については、凸解析や変分法の標準的な文献を参照されたい。簡潔な手がかりとして、エピグラフの項目、またはエピグラフの不等式に基づく定義に関する一般的な資料を参照できる。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com エピグラフ(数学):関数の上方集合と凸解析・最適化 Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/31718