ASBO(反社会的行動命令)とは — 英国の定義・禁止行為と2015年の変化
ASBO(反社会的行動命令)とは何か、英国での禁止行為一覧、2015年の廃止と差止命令への移行、具体例と適用範囲をわかりやすく解説。
ASBO(Anti-Social Behaviour Order、反社会的行動命令)は、1998年のCrime and Disorder Actで導入された英国の法的措置で、同じ世帯に属さない第三者に対して「苦痛や不安(harassment, alarm or distress)」を与える反社会的な行為を止めることを目的としていました。地方自治体、警察、住宅供給者などが裁判所に申請して発付されることが多く、命令に違反すると刑事責任(罰金や拘禁を含む)を問われる場合がありました。英国のコミュニティで問題行動を抑えるための代表的な手段の一つとして使われてきましたが、運用や効果を巡って議論も多くありました。
反社会的行動の具体例(代表的なもの):
- 人を傷つけること
- 物の破損/落書き
- マイノリティに向けられた悪口を使うこともある
- ゴミを落とす
- ぶらぶら
- 酔っぱらっていること
- ドラッグの販売
- 窃盗
- 騒がしいこと
- 人を怖がらせたり脅したりする(恐怖を演出しようとする
- 始動火災
- 唾を吐くこと
- ストリーキング
- 行ってはいけない場所に行くこと
ASBOは「どこで」「いつ」「誰と」「何をしてはいけないか」といった具体的な行為や場所・時間を明記して制限を課す点が特徴です。例えば、過去にトラブルを起こした人物に対して「午後8時以降に特定の友人と公園に集まることを禁止する」といった形で発付されることがありました。
また、ABC(Acceptable Behaviour Contract:受け入れ可能な行動契約)と呼ばれる手法も広く使われています。ABCは基本的に任意の合意書であり、署名は法的に強制力を持ちませんが、早期介入としての役割を果たし、守られない場合はASBOなどより強い措置につながることがあります。軽微な問題から深刻なケースまで柔軟に用いられる点が特徴です。
2014–2015年の法改正と現在の措置
ASBOは永続的な制度ではなく、2014年のAnti-social Behaviour, Crime and Policing Act 2014により法制度が見直され、2014年以降段階的に廃止されていきました。2015年以降は、ASBOに代わって主に以下のような手段が用いられています。
- 民事差止命令(Injunctions):特定の行為を禁じるための民事上の命令。早期かつ柔軟な対応が可能。
- Criminal Behaviour Order(CBO、刑事行為命令):有罪判決を受けた者に対して科される命令で、違反は刑事罰の対象となる。
- Public Spaces Protection Order(PSPO、公衆空間保護命令):特定の公共空間で行動を制限する地域的な措置。
これらの措置はASBOと同様に、違反した場合には罰則が科され得ますが、運用形態や適用基準、発付主体などが見直されています。
課題・批判と実務上の留意点
ASBOの運用を巡っては、次のような批判や課題が指摘されてきました。
- 汚名化(スティグマ):命令の公表や周囲の認識により、対象者が長期にわたって社会的に不利になることがある。
- 若年者への適用:子どもや若者に対する厳しい処分が問題視されることがあった。
- 効果の不確実性:単に行動を抑えるだけで根本原因(貧困、教育、精神保健など)に対処しないと再発するケースがある。
- 差別的運用の懸念:特定のコミュニティやマイノリティが過度に対象になるとの指摘。
実務上は、命令や契約が出される前に地域の支援・介入を充実させること、対象者の背景を適切に評価すること、命令違反があった場合の手続きや救済を明確にすることが重要です。
実際にASBOや類似の措置に関わる場合のアドバイス
- 命令や契約を提示されたら、まず内容をよく読み、どの行為が禁止されているかを確認する。
- 法的拘束力や違反時の結果について不明な点があれば、できるだけ早く弁護士や市民相談窓口に相談する。
- ABCは任意の合意であるため、署名する前に助言を求める。必要ならば条件の調整や支援策の導入を申し入れる。
- 地域で反社会的行為に関する懸念がある場合は、警察や地方自治体の担当部署、住居提供者などに相談して適切な支援や介入を求める。
まとめると、ASBOはかつて英国で用いられた反社会的行為の抑止手段であり、現在は2014年法の下でより多様な手段(差止命令、CBO、PSPOなど)に置き換えられています。どの措置も目的は地域の安全と生活の質の維持ですが、個別事情に応じた支援や法的助言が重要です。

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質問と回答
Q:ASBOとは何ですか?
A: ASBO(反社会的行動命令)とは、英国の法律用語で、しばしば悪い行動をとり、その行動に対して多くの苦情が寄せられている人たちに出される命令のことです。この命令は、反社会的な行動、つまり自分と同じ場所に住んでいない他の人々に苦痛や警告を与えることをやめさせるためのものです。
Q: ASBOはいつから導入されたのですか?
A: ASBOは2015年に終了し、「Injunctions」に置き換わりました。
Q:反社会的行動の例として、どのようなものがありますか?
A:反社会的行動の例としては、人を傷つける、物を壊す・落書きする、悪口を言う(マイノリティに向けることもある)、ゴミを落とす、うろつく、泥酔する、ドラッグを扱う、盗む、騒ぐ、人を怖がらせる・脅す(恐怖を与えようとする)、火を起こす、唾を吐く、行ってはいけない場所に行くストリーキング、などがあります。
Q: ASBOはどのように機能するのですか?
A: ASBOは、ある人がある時間、ある場所で、あることをすることを禁止するものです。例えば、以前そのグループが一緒にトラブルを起こしたことがある場合、8時以降に特定の友人と公園に集まることを禁止することができます。
Q:ABCとは何ですか?
A: ABCはAcceptable Behavior Contractの略で、人々が「いい人」になろうとすることを確認するためによく使われます。この契約は柔軟性があり、深刻な状況でも重要でない状況でも使用することができます。
Q:ASBOは、どのような点で珍しいと思われますか?
A: ASBOは、特定の人が何かをするのを止めるために使われると、かなり変わった印象を与えます。例えば、以前に一緒にトラブルを起こしたことのある人が、特定の友人と8時以降に集まるのを禁止するような場合です。
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