無理数:定義、性質、例、代数的数と超越数
二つの整数の比として表せない実数。小数展開は無限に続き循環しない。√2、π、eを例に、代数的数・超越数との区別、濃度、歴史を解説する。
概要
数学において、二つの整数の比として書き表せない数を無理数という。言い換えれば、無理数は有理数ではない実数である。この概念は算術や解析学の多くの分野に現れ、数体系や実数の概念とともに導入されることが多い。「比」や「分数」という表現は、無理数については、分母が0でない整数 p、q を用いて p/q と等しく表せることがない、という点を強調するために使われる。基本的な説明は比、関連する概念は整数を参照。
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1 画像主な性質
無理数には、有理数と区別される特徴的な性質がある。一般に挙げられる性質は次のとおりである。
- 小数展開:無理数の小数展開は無限に続き、循環しない。すなわち、有限で終わることも、一定の数字列の繰り返しになることもない。小数展開を参照。
- 基数に依存しない性質:循環せず終わらないという振る舞いは、2より大きい任意の整数を基数とする表記でも保たれる。したがって、これは10進法だけに由来する性質ではない。無限展開についての導入的な説明はこちらを参照。
- 近似可能性:無理数は有理数によって任意に高い精度で近似できるが、有限の分数と完全に一致することはない。連分数などの手法は、その近似の度合いを記述する。連分数を参照。
代数的な位置づけと濃度
無理数には大きく二つの類がある。代数的無理数は、整数係数をもつ零でない多項式の根である。たとえば √2 は代数的である。これに対し、超越数は、そのような多項式の根ではない。π と e は超越数の例である。この区別は数論および解析学で重要であり、証明や分類については証明および代数的数を参照できる。集合論の観点では、有理数全体は可算集合である一方、無理数全体は非可算である。したがって濃度の意味では、無理数は実数の大部分を占める。濃度を参照。
歴史と起源
無理量の発見は古代の幾何学にまでさかのぼる。初期のギリシアの数学者は、正方形の辺と対角線を比較する際に、通約不可能な長さに出会った。√2 を比として表せないことを示す古典的な論証はしばしばピタゴラス学派に帰され、のちにユークリッド幾何学の中で形式化された。この展開に関する歴史的論考や現代的な解説は歴史資料、古典的証明の入門はユークリッドの証明を参照。合理的な測定量だけから無理量を許容する考え方への移行は、実数論の発展における重要な段階だった。
例と重要性
具体例は概念の理解に役立つ。単位正方形の対角線の長さは √2 であり、これは p/q と書けない無理数である。初等的な扱いは平方根の例を参照。円周率 π は円周の長さと直径の比であり、その小数展開は終わらず循環しない。自然対数の底 e も重要な無理数である。一部の定数については性質が未確定であり、たとえばオイラー=マスケローニ定数が無理数かどうかは数論における未解決問題である。詳しい解説は未解決問題を参照。
注目すべき事実と区別
無理数は実数の中で稠密であり、任意の二つの実数の間には無理数が存在する。また、代数的無理数は可算であるのに対し、超越数は無理数であるだけでなく圧倒的に多数であり、ほとんどすべての実数は超越数である。無理性を証明する方法は、初等的な偶奇性の議論から超越数論の深い結果まで幅広い。読みやすい解説や追加の資料については、上記のリンクを参照。
関連項目
著者
AlegsaOnline.com 無理数:定義、性質、例、代数的数と超越数 Leandro Alegsa
URL: https://ja.alegsaonline.com/art/48252