概要と定義
数 x の平方根とは、y·y = x を満たす数 y のことです。0以上の実数 x には、ふつう根号で √x と表す、ただ1つの0以上の平方根があります。この0以上の値を主平方根といいます。たとえば、3×3 = 9 なので 3 は 9 の平方根であり、9 の主平方根は √9 = 3 と書きます。0 の平方根は 0 ただ1つです。図の例:
基本的な性質と区別
平方根は算術といくつかの有用な関係を持ちますが、注意点もあります。0以上の実数 a, b については、√(ab) = √a·√b が成り立ちます。ただし、負の数や複素数を含むと、0以上の実数で成り立つ単純な規則がそのまま使えないことがあるため、符号の扱いには注意が必要です。y² = x のような方程式を解くとき、解は y = √x と y = −√x の2つです。± の記号は、x = 0 の場合を除き、2つの異なる値があることを示します。平方根が整数になる整数の集合は完全平方数と呼ばれます(0, 1, 4, 9, 16, ...)。簡単な説明は 完全平方数 を参照してください。
実数と複素数の平方根
実数の平方根は0以上の数にしか存在しません。0未満の数には実数の平方根はありませんが、複素数の平方根はあります。0でない複素数はすべて、ちょうど2つの異なる平方根を持ちます。よく知られた例は −1 で、その平方根は i と −i です。i はふつう虚数単位と呼ばれ、複素数の計算では −1 の主平方根として扱われることがあります。虚数と複素数の背景は 虚数 と 複素数 を参照してください。複素数に平方根関数を拡張するときや、高度な文脈で分岐切断や主値を定義するときには、主根と他の根の区別が重要になります(主値 の議論と比較してください)。
代表的な例と無理性
平方根には有理数になるものもあれば、無理数になるものもあります。整数 n が完全平方数でないなら、√n は無理数です。代表例は √2 ≈ 1.41421356... で、古代の数学者によって無理数であることが証明され、初期ギリシャ数学とも結びつけられます。簡単な分数の平方根もよく使われます。たとえば √(1/4) = 1/2 ですが、√3 は幾何学でしばしば現れる無理数です。特別な定数とその性質については √2 と、無理数 に関する一般的な結果を参照してください。
計算法
平方根は、簡単な場合には正確に求められ、一般には近似的に計算されます。整数の平方根は、完全平方数なら見た目の判断や素因数分解で求められます。数値近似では、古くからあるバビロニア法(ヘロン法とも呼ばれます)が知られており、これはニュートン・ラフソン反復の1つの形に等しく、初期値 x₀ から x_{n+1} = (x_n + A/x_n)/2 を繰り返して √A に収束させます。多くの電卓やライブラリは、このような反復法を実装するか、2進表現に最適化した表引き方式のアルゴリズムを使っています。学習用の詳しい説明やアルゴリズムについては、幾何学的な解釈 と 数学的な定義と記号 を参照してください。
歴史と応用
平方根の概念は、幾何学、計測、初期代数学の古代から見られます。もともとは、与えられた面積の正方形の一辺を求める必要や、対角線を計算する必要から生まれ、こうした幾何学的な根がそのまま代数的な表現へつながりました。現在では、平方根は数学と応用の多くの分野に現れます。たとえば、幾何学(長さ、三平方の定理)、物理学(実効値)、統計学(標準偏差には平方根が関わる)、工学(信号処理、安定性の基準)、計算機科学(アルゴリズムと計算量の上界)などです。実用例としては、単位正方形の対角線を求めること(√2)や、平方根の中に現れる判別式が解の性質を決める二次方程式の解法があります。
例、恒等式と注意点
- 例: √9 = 3、√0 = 0、√(1/4) = 1/2、√2 ≈ 1.41421。
- 2つの値を持つ性質: y² = 4 の解は y = 2 と y = −2 で、主平方根は y = 2 のみを指します。
- 導関数と連続性: 実数関数 f(x)=√x としては x≥0 で連続し、x>0 で微分可能で、f'(x) = 1/(2√x) です(解析学やモデル化で使われます)。
- 注意: ± を落としたり、恒等式を無差別に適用したりすると符号の誤りにつながることがあります。扱う値の定義域を常に確認してください。
さらに詳しい読み物や技術的な詳細は、一般的な数学参考書や専門文献で確認できます。入門資料では、記号、簡単な証明、数値計算法を並行して扱うことがよくあります。追加のオンライン資料として、定義と記号、古典的な例、無理数、幾何学での利用、虚数、複素数計算、主値 の各項目を参照してください。完全平方数の概説は 完全平方数 で見ることができます。