無限モータースポーツエムテック株式会社)(無限)は、日本の企業である。1973年に本田博俊と木村政雄によって設立された。本田博俊は、本田技研工業の創業者である本田宗一郎の息子である。無限はエンジンチューナー(性能向上)、パーツビルダーである。ホンダと密接な関係にあるが、無限はホンダの傘下に入ったことはない。社名「無限」は「制限のない」、「無限の」という意味であり、一般に「無限パワー(アンリミテッド・パワー)」という表現でも知られている。

概要と事業内容

無限はホンダ車を中心に、エンジンのチューニング、吸排気系、サスペンション、ブレーキ、ボディ補強やエアロパーツ、ECUセッティングなど幅広いアフターマーケット部品を開発・販売している。製品はストリート用だけでなく、レーシングスペックの部品やチューニング済み限定モデルの制作まで含まれ、品質・性能面で高い評価を得ている。さらに、アマチュアレーサーへのパーツ供給やサポート活動も行っている。

モータースポーツでの歩み

無限はモータースポーツ活動を事業の中心に据え、ロードラストやフォーミュラからツーリングカー、GTレースに至るまで幅広く参戦してきた。特に以下の活動が知られている。

  • 1980〜1990年代:国内外のフォーミュラ・レースやツーリングカーでの活動を強化し、エンジン開発やシャシーチューニングで実績を積んだ。
  • 1990年・1991年:フォーミュラ3000選手権へ参戦し、ここでの経験がF1参入への足掛かりとなった。
  • 1992年〜2000年:F1へエンジン供給を行った。F1での活動はブランドイメージを世界的に高め、技術フィードバックは市販車向け製品開発にも活用された。
  • 1996年〜2005年:フォーミュラ・ニッポン(当時)に対して唯一のエンジン供給を実施。国内トップカテゴリでの長期的な供給は無限の技術力を示す重要な実績である。
  • GT/スーパーGT(旧JGTC)へ継続的に参戦し、ホンダ車ベースのマシンで競い続けている。開発したマシンやサポートは量販のチューニングパーツにも還元される。

ロードカー向けの取り組み

無限は純正品質に近い信頼性と高性能を両立させたパーツの開発を行っており、ホンダ車オーナー向けのエアロキットや排気系、吸気系、足回り、軽量ホイール、内装パーツなど多岐に渡る製品ラインを展開している。また、限定仕様のチューニングモデルやコンプリートカー(販売地域や時期によって異なる)も手掛け、ブランドファンに向けた商品供給を続けている。

ブランドと現在の活動

「無限」はレースで培った技術とホンダとの結びつきを背景に、モータースポーツに根ざしたブランドイメージを築いてきた。F1やフォーミュラで得た経験は市販パーツの性能向上に直結しており、現在も国内外のレース参戦、部品開発、アフターマーケット販売を継続している。加えて、顧客向けのサービスや技術サポート、チューニングショップとの協業も行っている。

年表(主な出来事)

  • 1973年:本田博俊・木村政雄により設立
  • 1990年〜1991年:フォーミュラ3000参戦
  • 1992年〜2000年:F1へのエンジン供給
  • 1996年〜2005年:フォーミュラ・ニッポンへ唯一のエンジン供給
  • 以降:スーパーGTなど国内外のレース参戦、アフターパーツの開発・販売を継続

無限は「ホンダ系チューナー」として広く認知されるが、法的には独立企業であり、モータースポーツと市販パーツの両面で長年にわたり高い技術力とブランド価値を維持している。