Associated Board of the Royal Schools of Music(通称 ABRSM)は、音楽試験を実施・運営するイギリスの団体です。この団体はロンドンに本部を置き、世界中の多数の国と地域で定期的に試験を行っています。ピアノや弦楽器、管楽器、声楽などさまざまな楽器を学ぶ人々、特に子どもや学生が学習目標として受験することが多く、段階的な課題設定によって演奏技術や音楽理解の向上に役立ちます。年齢制限はなく、合格者には公式の認定証が発行されます。毎年、90カ国以上で62万人以上の受験者がABRSMの試験を受けています。
ABRSMは4つの音楽院が集まって組織されているため、「Associated Board of the Royal Schools of Music」と呼ばれています。関係する王立音楽院には、Royal Academy of Music(ロイヤル・アカデミー・オブ・ミュージック)、Royal College of Music(ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージック)、Royal Northern College of Music(ロイヤル・ノーザン・カレッジ・オブ・ミュージック)、Royal Conservatoire of Scotland(ロイヤル・コンセルヴァトワール・オブ・スコットランド)などがあります。
試験の種類と構成
ABRSMは多くの種類の試験と資格を提供しています。主なものを挙げると:
- グレード試験(Practical Grades):一般にGrade 1〜8。各グレードで演奏曲(通常3曲)、音階・アルペジオ、視奏(Sight-Reading)、聴音(Aural)などを課されます。
- 音楽理論(Theory):Grade 1〜8があり、特に上位資格や一部のディプロマ受験において理論合格が要件となることがあります。
- ディプロマ(Diplomas):DipABRSM、LRSM、FRSM などの上級資格。演奏・指導・研究に関する専門的な評価が行われます。
- ジャズや演奏専門コース:近年はジャズ科目やパフォーマンスに特化したオプション等も整備されています。
グレード試験の典型的な流れ(実技)
- 演奏曲:シラバスに掲載された選定曲から通常3曲を演奏します。曲目は定期的に更新されます。
- スケールとアルペジオ:各グレードで要求される音階や指使いを演奏します。
- 視奏(Sight-Reading):初見演奏の能力を短時間で示します。
- 聴音(Aural tests):リズムやメロディ、ハーモニーを聴き取る力を評価します。
評価方法と合否
試験は専門の試験官が採点し、成績は通常「Pass(合格)」「Merit(優)」や「Distinction(秀)」などの評価区分で示されます。合格者には公式の証明書が発行され、成績表には採点の内訳が記載されることが一般的です。結果は試験後一定期間でオンラインや郵送で通知されます。
申し込み・受験について
- 申し込みは各国・地域の公式試験センター(協会や音楽学校など)を通して行います。試験日程や会場、受験料はセンターによって異なります。
- 伴奏が必要な科目は原則として伴奏者を用意します。会場によっては伴奏者手配のサービスがある場合もありますので、事前に確認してください。
- 使用楽譜の持ち込みや演奏形態(電子ピアノの可否など)は会場によって規定が異なるため、申込時に確認することをおすすめします。
準備と学習のコツ
- 公式シラバスを活用:ABRSMの公式シラバスには指定曲や技術項目、評価基準が詳しく示されています。最新のシラバスで準備しましょう。
- 模擬試験・公開練習:本番形式でのリハーサルや模擬試験は緊張対策と時間配分の練習になります。
- 理論と実技をバランスよく:特に上位グレードやディプロマを目指す場合、音楽理論の理解が演奏表現にも役立ちます。
- 信頼できる指導者のもとで:経験ある講師による指導やフィードバックは合格への近道です。
ABRSMを受けるメリット
- 国際的に認められた資格であり、学習到達度の客観的な証明になります。
- 段階的なカリキュラムによって習得目標が明確になり、練習のモチベーションが保ちやすいです。
- 上位資格(ディプロマ)は教育や演奏活動での信用につながります。
最後に — 役立つポイント
- 早めの計画:受験日から逆算して曲目選定・練習計画を立てましょう。
- 会場ルールの確認:ピアノの種類や楽譜の扱い、録音・撮影の可否など事前に確認しておくと安心です。
- 結果を次に活かす:合否にかかわらず、採点コメントや結果を参考にして次の目標を設定しましょう。
以上がABRSMの概要と受験ガイドの要点です。詳しいシラバスや最新の試験情報、会場・申し込み方法については、お住まいの地域のABRSM公式センターまたはABRSMの公式ウェブサイトで確認してください。