ソナタ形式とは:構造・展開部・再現部をわかりやすく解説
ソナタ形式の基本と構造、展開部・再現部の役割を図解と名曲例でやさしく解説。転調や聴きどころまで初心者にも分かる入門ガイド。
ソナタ形式(Sonata form)とは、一つの楽章を組み立てるための代表的な形式のことです。クラシック時代(18世紀半ば以降)から多くの作曲家に用いられてきました。ソナタ形式の作品を聴き、構造(どこでテーマが現れ、どのように転調し、どこで戻るか)を意識すると、音楽の楽しみ方が深まります。異なるキー(調)についての基本的な知識があると理解がさらに容易になります。
ソナタ形式は、タイトルに「ソナタ」がつく作品だけで使われたわけではありません。ソナタだけでなく、交響曲、協奏曲(特に第1楽章)や序曲など、さまざまなジャンルの楽章で主要な構成法として用いられます。
歴史的な出発点
バロック期には、バッハやヘンデルのような作曲家が、ミヌエットなどの舞曲形式を基にした二部(binary)形式の作品を書いていました。これらはしばしば2つのセクションで構成され、それぞれが繰り返される(二重小節線で区切られる)ことが多かったのです。曲は同じキーにとどまらず、第一部分で変調し、第二部分でさらに変調して終止する、という動きも見られました。
ドメニコ・スカルラッティはチェンバロのためのソナタを二部形式で書きましたが、その長さや構成は複雑で、初期のソナタ形式の萌芽を示しています。最初の部分は主調の主題から始まり、対比のために別の調へ転調します。第二部分は第一より長く、遠隔のキーへ転調した後に主要主題へ戻る――この「2部の拡張」が後のソナタ形式発展の重要な出発点になりました。
ハイドン、モーツァルト、そしてベートーヴェンがソナタ形式の可能性をさらに発展させ、より明確な3部構造が確立されました。現代ではこの構造を「提示部(Exposition)」「展開部(Development)」「再現部(Recapitulation)」の3つに分けて説明するのが一般的です。
ソナタ形式の基本構造
- 提示部(提示、Exposition)
楽章の冒頭で主題が提示される部分です。通常、第1主題(主調の主題)が主調(トニック)で現れ、その後「橋渡し(transition)」や「展開的接続部」を経て、転調して第2主題(対照主題)が別の調で提示されます。長調では第2主題は主調の属調(I → V)が多く、短調の場合は相対長調(短調の相対長調、たとえばイ短調ならイ長調=IIIなど)が用いられることが多いです。提示部の最後には閉鎖主題や終結句(closing theme)が来て、時に繰り返し記号が付けられます。
- 展開部(Development)
提示された主題や動機が断片化され、さまざまなキーで素材が展開されてゆく部分です。和声的不安定さや転調、対位法的処理、増大する緊張感が特徴で、聴き手は「主調に戻ってほしい」と感じます。ここで作曲家は自由に素材を操作し、ドラマを高めます。
- 再現部(Recapitulation)とコーダ(Coda)
ここでは提示部の素材が再び現れますが、最も重要な違いは第2主題が主調に置き換えられて現れることです(つまり、第2主題も主調で提示される)。これにより、曲全体が主調で閉じる感覚が得られます。再現部の後に短いコーダ(終結部)が付くことが多く、曲を力強く締めくくります。
形式のバリエーションと注意点
- 単一主題(モノテーマ)でソナタ形式を構成することもあります(例:ベートーヴェンはしばしば一つの動機を徹底的に扱う)。
- 協奏曲ではオーケストラ提示と独奏者提示が別々にある「二重提示(double exposition)」を用いることが多いです。
- 作曲家によっては再現部で主題の扱いを変えたり、展開部を拡大したりして独自性を出します。ロマン派以降は形式の自由化が進み、ソナタ形式の境界が曖昧になる例も多く見られます。
- 和声的な習慣として、長調では主調から属調へ(I → V)、短調では主調から相対長調や同主調の平行転調(i → III など)がよく使われますが、例外も多くあります(中近距離の調、遠隔調への転調など)。
聴き方のポイントと代表例
- 提示部の最初の主題が現れたら「これは主題A」、転調して別の雰囲気の主題が出てきたら「主題B(第2主題)」と意識して聴くと分かりやすいです。
- 転調や調性の変化が起きた瞬間を探すと、提示→展開→再現の境界が分かります。
- 緊張の高まる部分(展開部)では短いモチーフが断片化されていることが多く、再現部で「元の調(主調)に帰ってくる」瞬間は大きなカタルシスになります。
- 代表例:ベートーヴェンの交響曲第5番第1楽章は、冒頭の有名な4音(短‑短‑短‑長)という非常に簡潔な動機を楽章全体で展開し、ソナタ形式の典型と革新を示しています(ベートーヴェンがその典型的な使い手の一人)。ハイドンやモーツァルトのソナタや交響曲も、学習用の良い例です(ハイドン、モーツァルト)。
まとめ:なぜソナタ形式を学ぶか
ソナタ形式は「提示 → 探索(展開) → 回帰」というドラマティックな流れを持ち、音楽の建築的な魅力を理解するための強力な手がかりです。18世紀半ばから20世紀に至るまで、ほとんどすべての作曲家がこの手法を何らかの形で用いてきました。もちろん作曲家ごとの個性や時代の様式変化により、その使われ方は多様ですが、基本を押さえることで幅広いレパートリーの聴き取りがぐっと深まります。
質問と回答
Q:ソナタ形式とは何ですか?
A:ソナタ形式とは、古典派時代から使われている楽曲の編成方法です。交響曲や協奏曲、序曲などの楽章に使われることがあります。
Q: バロック時代、作曲家は二進法をどのように使っていたのでしょうか?
A: バッハやヘンデルなどの作曲家は、バロック時代、メヌエットなどの舞曲を「二進法」で作曲していました。つまり、同じ長さの2つのセクションがあり、2小節の線で区切られていることが多かったのです。音楽は一つの調にとどまることなく、各セクションの間で転調し、最後に主調に戻るというものでした。
Q: ソナタ形式を発展させたのは誰ですか?
A: ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンがソナタ形式をさらに発展させました。ソナタ形式の楽章には、「序奏」「展開」「再現」という3つのセクションがあります。
Q: 序奏の間はどうなっているのですか?
A: 博打では、まず主要な主題を主調で聴き、次に対照的な曲や関連する調(通常はドミナントや相対短調)の曲を聴きます。
Q: 展開部では何が行われるのですか?
A: 展開部では、緊張感を与えるために、いくつかの異なる調に入ることで音楽をさらに発展させ、再現部では主調に戻ります。
Q: ベートーヴェンの交響曲第5番は、ソナタ形式をどのように使い分けているのでしょうか?
A: ベートーヴェンの交響曲第5番は、有名な4音モチーフを他の曲のように展開部だけに使うのではなく、全時間を費やして展開します。他の3つの楽章も、その期間中ずっとこのアイデアを発展させ続けています。
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