ベクレル(Bq)とは?放射能の定義・単位・換算と由来
ベクレル(Bq)の定義・単位・換算と由来を図解でやさしく解説。ペタベクレルや計算式まで放射能の基礎を短時間で理解。
ベクレル(記号Bq)は、放射性物質の「活性(activity)」を表す国際単位系(SI)の単位で、秒間に1個の原子核が崩壊する量を1ベクレルと定義します。すなわち、1 Bq = 1 崩壊/秒(記号としては s−1)です。大きな単位では、1キロベクレル(kBq)=103Bq、1メガベクレル(MBq)=106Bq、1ギガベクレル(GBq)=109Bq、1テラベクレル(TBq)=1012Bq、1ペタベクレル(PBq)=1015Bq、というように十進の接頭辞で表します。
活動量(A)と崩壊の関係
放射性核種の崩壊は確率的に起こり、母核の個数 N と時間に対する変化は次の微分方程式で表されます。-d N d t = λ N {\displaystyle {frac {dN}{dt}}=\lambda N}
ここで λ(ラムダ)は崩壊定数、すなわち単位時間当たりに1個の核が崩壊する確率を表します。物理量としての活動量 A は崩壊数の時間変化の絶対値で表され、次の関係式が成り立ちます:
A = −dN/dt = λN
したがって、A の単位は s−1(ベクレル)になります。崩壊定数と半減期 T1/2 は次の関係で結ばれます:
λ = ln 2 / T1/2
単位の換算(よく使われる例)
- 1 Bq = 1 崩壊/秒
- 1 kBq = 103 Bq
- 1 MBq = 106 Bq
- 1 GBq = 109 Bq
- 1 TBq = 1012 Bq
- 1 PBq = 1015 Bq
- 歴史的な単位としてのキュリー(Ci):1 Ci = 3.7 × 1010 Bq
ベクレルの由来
この単位は、放射線の発見者の一人である アンリ・ベクレル にちなんで命名されました。
実用上の注意点と例
- Bqは「放射能の量(崩壊の頻度)」を表すので、人体への影響(被ばく線量)を直接示すものではありません。被ばくの影響を評価するには、吸収線量(グレイ、Gy)や線量当量・実効線量(シーベルト、Sv)など別の指標が必要です。
- 医療用放射性薬剤では MBq〜GBq のオーダーが用いられることがあります。工業・研究用や原子力施設では TBq〜PBq の大きさになる場合があります。
- 自然界にも放射性核種が存在し、成人の体内にあるカリウム40(K-40)などによる放射能は一般に数千ベクレル程度とされます(個人差あり)。
要約すると、ベクレル(Bq)は「1秒あたりの崩壊数」を示す単位で、活動量 A = λN によって物理的に定義されます。単位は s−1(逆秒)であり、放射能の大きさを表す基本的な尺度として広く用いられます。
その他のサイト
- キュリー
質問と回答
Q:「ベクレル」の記号は何ですか?
A:ベクレルの記号はBqです。
Q:ペタベクレルとは何ですか?
A:ペタベクレルは1ベクレルの1015倍です。
Q:与えられた文章で使われている-dN/dtという式は、放射能とどのような関係があるのでしょうか?
A:-dN/dtは、放射性物質の時間的な減衰(減少)速度を表す式であり、放射能と関係があります。
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