プレミアリーグ開幕以来、これまでに58のサッカースタジアムで公式戦が行われています。開幕は1992年8月15日で、当日は11のクラブが開幕戦を開催しました。以降、クラブの昇格・降格、改修工事、新スタジアムの建設などにより、使用スタジアムは変遷を続けています。2016-17シーズンにはさらに1つのスタジアムでプレミアリーグの試合が行われることになり、ロンドン・スタジアムが新たに加わりました。

背景 — ヒルズボロ事件とテイラー報告書

1989年のヒルズボロ事件を受けて発表されたテイラー報告書(1990年)は、観客の安全確保のために多くの提言を行いました。その中で特に重要だったのは、トップディビジョン(当時の最上位リーグ)におけるスタンディングテラスの廃止と、全席座席化を進めることです。報告書の勧告により、スタジアムの安全基準は厳格化され、クラブは段階的に改修・整備を進めていく必要が生じました。これにより、スタジアムの収容方法や改築スケジュールに大きな影響が出ました。

改修と一時的な移転の事例

クラブがスタジアム改修を行う際には、工事完了までの間に他スタジアムを借りる「代替開催」や、段階的に座席化を進める「段階的適合」といった対応が取られることがあります。代表的な例としては、2000-01年シーズンにディビジョン1から上がってきたフラムは、スタジアム改修を進めるために一時的に従来のテラスを戻す特別措置が認められ、改修が完了するまでの間に時間的余裕を得ました。クレイブンコテージの改造が十分に進まなかったため、しばらくの間はロフタスロードでホームゲームを行い、2004-05シーズンの建設工事完了後に本拠地へ戻っています。

記録と節目となったスタジアム

  • 50番目のスタジアム: バーンリーのターフ・ムーアスタジアムは、2009年8月19日にマンチェスター・ユナイテッドと対戦し、プレミアリーグでの試合開催数が50スタジアム目となりました。
  • 近年の新規開催: ボーンマスのディーンコートは、2015年8月8日にアストン・ヴィラと行ったホーム初のプレミアリーグ戦の際に、当時最新の(=最も新しくプレミアリーグの試合を開催した)スタジアムとなりました。
  • ロンドン・スタジアムの加入: 次にプレミアリーグ初戦を開催するスタジアムとして注目されたのは、2016年8月21日にウェストハムがボーンマスをホームに迎えた際に本拠地となった、ウェストハム・ユナイテッドのロンドン・スタジアムです。これにより同スタジアムがプレミアリーグの舞台に加わりました。

運用上のポイントと今後

プレミアリーグで使用されるスタジアムは、単に収容人数や設備だけでなく、安全基準、交通アクセス、クラブの財政状況、地域の合意など多くの要素が関係して決まります。スタジアム新設や改修は数年単位の大規模プロジェクトになるため、クラブは長期的な計画と代替開催の準備を行います。また、近年はスタジアムの多機能化(商業施設やイベント開催)やファン体験の向上を重視した改築が進んでおり、今後も新たな施設の登場や既存施設の刷新によって「プレミアリーグで試合が行われるスタジアム」のリストは変化し続けるでしょう。

以上のように、プレミアリーグの歴史はスタジアムの変遷と密接に結びついており、58の開催地それぞれに固有の経緯とエピソードがあります。主要な節目や代表的な事例を押さえることで、その変遷の全体像が見えてきます。