脳幹とは:中脳・橋・延髄の構造と呼吸・心拍などの機能

脳幹の構造(中脳・橋・延髄)と呼吸・心拍など生命維持機能を図解で解説。神経経路や障害の症状、日常への影響もわかりやすく紹介。

著者: Leandro Alegsa

脳幹は、の後部に位置し、一般に中脳(中脳)・橋(後橋)・延髄(延髄の三つの主要な部分からなります。脳幹を含む領域は小さいですが、生命維持に不可欠な多くの機能を担っており、脳と脊髄をつなぐ要(かなめ)です。なお、脳幹を通る重要な神経通路には、運動に関係する錐体路(錐体)などがあります。

構造のポイント

  • 中脳:上丘・下丘(視覚・聴覚の一次中継)、大脳脚(運動の伝導路)、網様体の一部を含みます。
  • 橋(ポン):小脳と大脳・延髄を結ぶ中継点で、呼吸リズムの修飾などにも関わります。
  • 延髄(延髄:心拍や呼吸、嚥下などの反射中枢があり、脊髄と連続します。
  • 網様体(脳幹内に広がる神経細胞群):覚醒・睡眠・意識レベルの調節を行います。
  • 脳幹には多くの脳神経核が存在し、ここから顔や首に向かう運動・感覚神経が出ます(下記参照)。

主な機能

脳幹は次のような重要な機能を担っています。

  • 身体の運動と感覚の経路の通路:大脳からの運動指令や、感覚入力は脳幹を通って全身へ、または脳へと伝わります。
  • 脳神経の発生源:顔()や首への主な運動神経や感覚神経は脳幹から出ており、これらはまとめて脳神経と呼ばれます。
  • 自律機能の制御:呼吸血圧や心拍の調節、発汗などの無意識下の生理機能を維持します。脳幹は無意識ではあるが生命維持に必要な中枢です(無意識な制御)。
  • 反射活動:咳嗽、嚥下、嘔吐、瞳孔反射などの反射は脳幹の核や回路で処理されます。
  • 意識・覚醒の調節:網様体賦活系を通じて覚醒状態や睡眠・覚醒サイクルの維持に関与します。

神経細胞と連携する他領域

脳幹の多くの神経細胞は、大脳(大脳)や小脳(小脳)と密接に連携して運動の調節や感覚処理を行います。特に橋は小脳と大脳の情報の中継点として重要です。延髄はその下方で直接脊髄へ繋がり、自律反応や原始的反射の中枢となっています。

臨床的意義

  • 脳幹の障害は呼吸停止や心拍変動、嚥下障害、意識障害、複数の脳神経麻痺など重大な症状を引き起こします。重篤な損傷では「ロックトイン症候群」や昏睡状態に至ることがあります。
  • 原因には脳幹梗塞(脳幹の虚血)、出血、腫瘍、脱髄疾患(多発性硬化症など)、外傷などがあります。
  • 診断にはCTやMRIが有用で、特にMRIは脳幹の小さな病変の検出に優れます。血管病変では脳底動脈や椎骨動脈の評価が重要です。
  • 治療は原因に応じて、血栓溶解や抗凝固、手術、放射線治療、リハビリテーションなどが行われます。呼吸や循環の管理が第一に必要となる場合が多いです。

まとめると、脳幹は中枢神経系の「生命維持の中枢」かつ情報の主要な通路であり、その小さな領域に多くの重要な核と経路が濃縮されています。脳幹の機能や構造を理解することは、神経学的な症状の解釈や緊急対応に不可欠です。

人間の脳の断面図には、中脳、扁桃体、延髄が記されている。Zoom
人間の脳の断面図には、中脳、扁桃体、延髄が記されている。

脳幹の機能

伝導

体と小脳大脳の間を行き来する情報は、すべて脳幹を経由しなければなりません。

神経

脳幹からは、脳神経3~12が出ています。脳幹には運動ニューロンがあり、発声や嚥下などの顔の動きを実現しています。

インテグレーション

心臓血管系の制御、呼吸器系の制御、痛みの感受性の制御、警戒心、意識、意識に関与しています。したがって、脳幹の損傷は深刻で、しばしば生命を脅かす問題となります。

質問と回答

Q:脳幹とは何ですか?


A:脳幹は、脳の後方部分です。

Q: 脳幹の2つのセクションは何ですか?


A:後脳と中脳の2つです。

Q: 運動と感覚の接続は、体内で何を通過しているのですか?


A: 脳の主要部分から体の他の部分への運動と感覚の接続は、脳幹を通過します。

Q: 脳神経とは何ですか?


A:脳神経は、顔や首の主な運動神経と感覚神経です。

Q: 脳幹はどのような機能を司っているのですか?


A:脳幹は、呼吸、心臓の鼓動、発汗など、生命維持に必要な身体機能を制御しています。

Q: 後脳を構成する2つの要素は何ですか?


A:後脳を構成しているのは、大脳皮質と延髄の2つです。

Q: 延髄は何をするところですか?


A:延髄は脊髄の延長線上にあり、呼吸や血圧などの身体機能のコントロールセンターです。


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